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ようこそ、ハルミのカオスな日常へ!  作者: あじせ
家庭内混乱マニュアル:初心者版!
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91/107

第91話 今日はレモネードの気分

【緊急速報】今日はなぜか“レモネードの日”らしい!?

― 巨大スーツケースを引いて初めてのお泊まりへ! そしてタケル兄ちゃんは心配してない……はず!! ―


 


玄関。


 


がちゃっ。


 


開く。


 


最初に。


 


メイ。


 


入る。


 


靴。


 


一動作。


 


ぽんっ。


 


脱ぐ。


 


そして。


 


そのまま。


 


廊下。


 


全力。


 


たたたたたたっ!!


 


靴下。


 


小さな足。


 


木の床。


 


あの。


 


独特な音。


 


後ろから。


 


女子たち。


 


続く。


 


「荷造りしよーー!!」


 


「パジャマ!」


 


「どれ持ってく!?」


 


「ピポの!!」


 


「ピポの!?」


 


メイ。


 


即答。


 


「三つとも!!」


 


「『ピポとゼラチンプラネット』の!!」


 


多い。


 


一泊。


 


なのに。


 


三着。


 


部屋のドア。


 


閉まる暇すら。


 


なかった。


 


その直後。


 


タケル。


 


帰宅。


 


靴。


 


脱ぐ。


 


玄関の段差。


 


座る。


 


「……」


 


五秒。


 


完全な。


 


静寂。


 


目。


 


閉じる。


 


足の裏。


 


ようやく。


 


解放。


 


今日。


 


初めて。


 


呼吸。


 


できた。


 


たぶん。


 


「タケルくん。」


 


「……」


 


片目。


 


開く。


 


ソラ。


 


横。


 


いた。


 


そして。


 


あの顔。


 


何か。


 


言い出す顔。


 


「何。」


 


ソラ。


 


「レモネード。」


 


「作らない?」


 


「……」


 


タケル。


 


見る。


 


「なんで。」


 


ソラ。


 


両腕。


 


ばっ。


 


広げる。


 


廊下。


 


指す。


 


窓。


 


指す。


 


差し込む。


 


太陽。


 


そよっ。


 


風。


 


全部。


 


まとめて。


 


「見てよ。」


 


「この。」


 


「レモネードの気分。」


 


「……」


 


「今日。」


 


「完全に。」


 


「レモネードの日だよ。」


 


「無視できない。」


 


タケル。


 


「……」


 


ソラ。


 


真剣。


 


「レモネード。」


 


「作ろう。」


 


「嫌だ。」


 


「いやでも――」


 


「嫌だ。」


 


「この雰囲気――」


 


「嫌だ。」


 


「……」


 


ソラ。


 


二秒。


 


停止。


 


「……俺。」


 


「作ってくる。」


 


「どうぞ。」


 


「タケルくんも。」


 


「絶対飲みたくなる。」


 


「ならない。」


 


「なる。」


 


「……」


 


「絶対。」


 


「なる。」


 


タケル。


 


立つ。


 


キッチン。


 


向かう。


 


ソラ。


 


後ろ。


 


ついていく。


 


勝利。


 


ほぼ。


 


確定。


 


     ◇ ◇ ◇


 


その頃。


 


外。


 


ハルミ。


 


車。


 


前。


 


正確には。


 


トランク。


 


ただし。


 


前。


 


なぜなら。


 


この車。


 


そういう車。


 


古い。


 


ものすごく。


 


古い。


 


ハルミ。


 


一袋目。


 


よいしょ。


 


取り出す。


 


二袋目。


 


よいしょ。


 


取り出す。


 


そして。


 


タイヤの後ろ。


 


石。


 


一個。


 


置いてあった。


 


なぜ。


 


石。


 


答え。


 


ブレーキ。


 


調子。


 


悪い。


 


というか。


 


ほぼ。


 


効かない。


 


現在の。


 


解決策。


 


石。


 


その石。


 


ころっ。


 


「……」


 


外れる。


 


車。


 


動く。


 


ゆっくり。


 


本当に。


 


ゆっくり。


 


ハルミの方へ。


 


「……」


 


ハルミ。


 


車を見る。


 


車。


 


ハルミを見る。


 


たぶん。


 


「……」


 


一秒。


 


「はぁ!?」


 


「何!?」


 


「轢く気!?」


 


時速。


 


約一キロ。


 


それでも。


 


ハルミ。


 


車の。


 


その態度に。


 


普通に。


 


腹が立った。


 


足。


 


ばっ。


 


前へ。


 


ぐっ。


 


止める。


 


車。


 


停止。


 


「……」


 


ハルミ。


 


片手。


 


買い物袋。


 


片足。


 


車。


 


そのまま。


 


状況。


 


理解中。


 


(……うん。)


 


(分かった。)


 


何が。


 


分かったのかは。


 


不明。


 


少し。


 


体。


 


伸ばす。


 


助手席。


 


手。


 


伸ばす。


 


そこに。


 


ロープ。


 


一本。


 


なぜ。


 


ロープ。


 


もちろん。


 


理由はある。


 


この車。


 


前に。


 


ちゃんとした。


 


収納。


 


ほぼ。


 


ない。


 


そして。


 


たまに。


 


荷物。


 


飛ぶ。


 


だから。


 


ロープ。


 


合理的。


 


……たぶん。


 


指先。


 


あと少し。


 


「んんん……!」


 


ぐいっ。


 


「よし!」


 


確保。


 


任務。


 


成功。


 


ただし。


 


まだ。


 


片足で。


 


車。


 


止めている。


 


ハルミ。


 


ロープを見る。


 


車を見る。


 


(……え。)


 


(今から。)


 


(この細いロープで。)


 


(車一台。)


 


(止めるの……?)


 


視線。


 


移動。


 


電柱。


 


「……」


 


ハルミ。


 


電柱を見る。


 


電柱。


 


ハルミを見る。


 


たぶん。


 


「……」


 


決定。


 


ハルミ。


 


ロープ。


 


握る。


 


車。


 


引く。


 


よいしょ。


 


よいしょ。


 


ぼろぼろの。


 


車。


 


電柱の。


 


近くまで。


 


連行。


 


「ふははは!」


 


「ここに。」


 


「繋いでやる!!」


 


ぐるっ。


 


きゅっ。


 


電柱。


 


固定。


 


車。


 


拘束。


 


「よーし。」


 


ぽんぽん。


 


車。


 


撫でる。


 


「いい子。」


 


試す。


 


車。


 


動かない。


 


「完璧。」


 


完璧ではない。


 


全然。


 


でも。


 


ハルミの中では。


 


解決。


 


残りの。


 


買い物袋。


 


全部。


 


持つ。


 


そして。


 


何事も。


 


なかったように。


 


家。


 


入る。


 


     ◇ ◇ ◇


 


キッチン。


 


ソラ。


 


レモン。


 


ぎゅうううっ。


 


絞る。


 


顔。


 


真剣。


 


料理人。


 


職人。


 


その横。


 


タケル。


 


立っている。


 


ただ。


 


立っている。


 


という。


 


設定。


 


ソラ。


 


見ないまま。


 


「飲みたいんでしょ。」


 


タケル。


 


「いるだけ。」


 


「キッチンに?」


 


「俺の家でもある。」


 


「レモネードの。」


 


「真横に?」


 


「偶然。」


 


ソラ。


 


砂糖。


 


入れる。


 


混ぜる。


 


くるくる。


 


一口。


 


「……っ。」


 


顔。


 


酸っぱい。


 


ものすごく。


 


「タケルくん。」


 


「ちょっと。」


 


「飲んで。」


 


「なんで。」


 


「味見。」


 


「お前が作ったなら。」


 


「まずいだろ。」


 


「飲んで!!」


 


タケル。


 


一口。


 


「……」


 


「砂糖。」


 


「足りない。」


 


ソラ。


 


「どれくらい!?」


 


「もっと。」


 


「もっとって。」


 


「どれくらい!?」


 


「もっと。」


 


「もっとは!」


 


「分量じゃない!!」


 


「今より。」


 


「多く。」


 


「それは分かる!!」


 


砂糖。


 


追加。


 


ざっ。


 


混ぜる。


 


飲む。


 


「……」


 


ソラ。


 


タケルを見る。


 


「良くなった?」


 


タケル。


 


もう一度。


 


味見。


 


「……まあ。」


 


「飲める。」


 


ソラ。


 


ぱあっ。


 


「よし!!」


 


コップ。


 


二つ。


 


用意済み。


 


「ほら!!」


 


「やっぱり!」


 


「飲むじゃん!!」


 


タケル。


 


「……」


 


コップ。


 


受け取る。


 


反論。


 


なし。


 


敗北。


 


認めない。


 


その時。


 


玄関。


 


がちゃっ。


 


ハルミ。


 


帰還。


 


買い物袋。


 


どさっ。


 


廊下。


 


立つ。


 


一秒。


 


「……」


 


魂。


 


抜ける。


 


「もう……。」


 


「今日……。」


 


「無理……。」


 


そのまま。


 


袋と。


 


一緒に。


 


ずるずる。


 


床へ。


 


「……」


 


しばらく。


 


そのまま。


 


そして。


 


メイの部屋。


 


見る。


 


がたっ。


 


ばたっ。


 


引き出し。


 


開く。


 


服。


 


飛ぶ。


 


「この靴下!」


 


「そのパジャマに合う!?」


 


「こっちじゃない!?」


 


騒音。


 


元気。


 


ハルミ。


 


なんとか。


 


立つ。


 


部屋。


 


向かう。


 


ドア。


 


到着。


 


見る。


 


「……」


 


床。


 


スーツケース。


 


全開。


 


中。


 


メイの。


 


クローゼット。


 


約半分。


 


入っている。


 


ハルミ。


 


「メイちゃん。」


 


「はーい!」


 


「全部。」


 


「持っていくの?」


 


メイ。


 


服。


 


畳みながら。


 


「一泊だけだよ!」


 


「でも!」


 


「寒くなったら?」


 


「暑くなったら?」


 


「あと!」


 


「なんかの理由で!」


 


「おもらししたら!?」


 


「一泊。」


 


ハルミ。


 


もう一度。


 


「一泊だよ。」


 


メイ。


 


真顔。


 


「十時間以上の。」


 


「長い一泊。」


 


「……」


 


ハルミ。


 


スーツケースを見る。


 


メイを見る。


 


スーツケース。


 


もう一度。


 


「……まあ。」


 


「でも。」


 


「忘れ物。」


 


「ない?」


 


「たぶんない!」


 


その瞬間。


 


ハルミの。


 


肩越し。


 


ぬっ。


 


ソラ。


 


出現。


 


「忘れ物。」


 


「ない?」


 


メイ。


 


「ないよ!」


 


ソラ。


 


「本当に?」


 


ヒナ。


 


「ソラくん。」


 


「何。」


 


「優しく。」


 


「確認してるだけ。」


 


「してない。」


 


「ちょっとは。」


 


「してる。」


 


ハルミ。


 


頷く。


 


「分かるよ。」


 


「ソラくんの。」


 


「心配する気持ち!」


 


「でしょ!?」


 


ヒナ。


 


「……」


 


納得。


 


していない。


 


     ◇ ◇ ◇


 


数分後。


 


スーツケース。


 


廊下。


 


ごろごろ。


 


というより。


 


ずるずる。


 


重い。


 


一泊。


 


とは。


 


思えない。


 


メイ。


 


先頭。


 


両手。


 


使う。


 


「んんんんっ……!」


 


引っ張る。


 


タケル。


 


見る。


 


メイの。


 


巨大。


 


スーツケース。


 


見る。


 


アイコたちの。


 


小さなバッグ。


 


見る。


 


もう一度。


 


メイの。


 


スーツケース。


 


「……」


 


何も。


 


言わない。


 


賢明。


 


非常に。


 


賢明。


 


そして。


 


玄関。


 


メイ。


 


くるっ。


 


振り返る。


 


三人。


 


並んでいる。


 


ハルミ。


 


母親みたいな顔を。


 


しないように。


 


頑張っている顔。


 


結果。


 


かなり。


 


母親っぽい。


 


ソラ。


 


片手。


 


レモネード。


 


もう片方。


 


なぜか。


 


ハンカチ。


 


すでに。


 


感動中。


 


そして。


 


タケル。


 


レモネード。


 


持っている。


 


絶対。


 


自分から欲しがったとは。


 


認めない。


 


メイ。


 


ぶんぶん。


 


手。


 


振る。


 


「また明日ーー!!」


 


ハルミ。


 


「また明日ーー!!」


 


ぶんぶん。


 


振り返す。


 


目。


 


少し。


 


うるっ。


 


ソラ。


 


「いっぱい!」


 


「楽しんでこいよぉぉぉ!!」


 


レモネード。


 


片手。


 


ハンカチ。


 


ふりふり。


 


タケル。


 


「……じゃあ。」


 


声。


 


少しだけ。


 


心配。


 


メイ。


 


「ありがとーー!!」


 


がちゃっ。


 


ばたん。


 


ドア。


 


閉まる。


 


「……」


 


静寂。


 


三人。


 


そのまま。


 


閉まった。


 


ドアを見る。


 


じーっ。


 


ソラ。


 


首。


 


こてん。


 


タケルを見る。


 


「タケルくん。」


 


「……何。」


 


「妹が。」


 


「一晩だけ。」


 


「自分のところから離れて。」


 


「友達の家で。」


 


「遊ぶから。」


 


「心配してる?」


 


「……」


 


ハルミ。


 


あの顔。


 


する。


 


『全部。』


 


『言った。』


 


タケル。


 


沈黙。


 


二秒。


 


「……」


 


くるっ。


 


「スイカ。」


 


「切ってくる。」


 


一拍。


 


「暑いから。」


 


そのまま。


 


キッチンへ。


 


逃走。


 


ソラ。


 


ハルミを見る。


 


ハルミ。


 


ソラを見る。


 


「……」


 


二人。


 


同時に。


 


口。


 


開く。


 


「――」


 


ハルミ。


 


「何も言わないで。」


 


ソラ。


 


「何も言うつもりない。」


 


「……」


 


二人。


 


タケルを見る。


 


そして。


 


無言で。


 


後ろを。


 


ついていった。






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