第89話 三時間。三時間ですよ。
【緊急速報】買い物リスト通りに進んだ結果、同じ通路を三周!?
― 文房具店で迷子寸前! ハルミ一行の三時間耐久ショッピング開始!! ―
文房具店。
大きい。
きれい。
そして。
あの匂い。
新品の。
文房具特有の。
なんとなく。
人生を。
最初から。
やり直せそうな。
あの匂い。
一行。
入店。
そして。
停止。
「うわぁぁぁ!!」
メイ。
「なんでもある!!」
ヒナ。
「まず。」
「必要なものだけ。」
「ちゃんと探そう。」
タケル。
「よかったぁぁぁ!!」
「俺!」
「そういう集中力!」
「持ってない!!」
ソラ。
すでに。
蛍光色の。
リュック。
持っていた。
どこから。
出てきたのか。
誰も。
知らない。
ハルミ。
リスト。
開く。
読む。
裏返す。
読む。
もう一度。
見る。
首。
かしげる。
(……。)
(経験者。)
(連れてきて。)
(よかった……。)
その経験者の。
一人。
二秒後。
消えた。
「ソラ!?」
遠くから。
「恐竜のリュック!!」
「見つけたぁぁぁ!!」
「光る!!」
「あなた!」
「リュックいらないでしょ!!」
「でも!!」
「光る恐竜のリュックは!!」
「必要だろぉぉぉ!!」
必要ではない。
ハルミ。
もう一度。
リスト。
見る。
『製図用コンパス』
『30センチ定規』
『200枚ノート』
『色鉛筆・24色以上』
「……。」
通路。
見る。
リスト。
見る。
通路。
もう一回。
見る。
「……。」
「どこから。」
「始めればいいの?」
誰も。
分からなかった。
経験者も。
分からなかった。
◇ ◇ ◇
A通路。
通る。
そして。
また。
A通路。
そして。
もう一度。
A通路。
三回目。
「……。」
アイコ。
周りを見る。
「ここ。」
「さっきも。」
「通らなかった?」
「通った。」
タケル。
即答。
「じゃあ。」
「なんで。」
「またここにいるの?」
「リスト通りに。」
「探してるから。」
「そのリスト。」
「シャッフル再生なの?」
「……。」
ハルミ。
リストを見る。
本当だった。
『先の丸いハサミ』
その上。
『製図用コンパス』
その下。
『クラフト紙』
関連性。
ゼロ。
「……。」
「誰が。」
「このリスト作ったの?」
「園長先生。」
メイ。
即答。
「園長先生。」
「あなたたちのこと。」
「嫌いなの?」
「たぶん。」
「違うと思う。」
「このリスト見る限り。」
「嫌いだよ。」
「園長先生。」
「もうおばあちゃんだから!」
ヒナ。
フォロー。
ハルミ。
「おばあちゃんって……。」
少し。
遠い目。
「私が通ってた時から。」
「もう。」
「おばあちゃんだったけど。」
「……。」
時の流れ。
不明。
◇ ◇ ◇
C通路。
最初の。
事件。
発生。
メイ。
停止。
右手。
キリン。
左手。
ゾウ。
鉛筆削り。
二つ。
じーーーーっ。
真剣。
人生の。
選択。
くらい。
真剣。
「ハルちゃん。」
「どっち?」
ハルミ。
二つを見る。
「うーん。」
「ゾウの方が。」
「丈夫そう――」
「でも。」
ソラ。
突然。
参戦。
「キリンは。」
「首が長い。」
「だから。」
「狭いところにも。」
「届く。」
「鉛筆削りに!!」
「それ関係ないだろ!!」
タケル。
「ある!!」
ソラ。
「ない!!」
「首が長いから!」
「だから!」
「鉛筆削りだって言ってんだろ!!」
メイ。
まだ。
二つを見る。
「……。」
「じゃあ。」
「どっち?」
ハルミ。
決断。
「キリン。」
メイ。
ぱあっ。
「よーし!」
決定。
出発。
後ろ。
タケル。
ソラを見る。
「……首が長い。」
「意味ある。」
「ない。」
「ある。」
「ない。」
まだ。
やっていた。
◇ ◇ ◇
次。
タケルの。
学校用品。
探す。
そして。
なぜか。
また。
A通路。
その頃。
ハルミ。
付箋。
必要。
事務用品コーナー。
到着。
商品。
発見。
値段。
見る。
「……。」
ぱち。
瞬き。
もう一度。
見る。
眉。
勝手に。
上がった。
手に取る。
裏返す。
個数。
確認。
棚へ。
戻す。
「……。」
三秒。
宇宙との。
議論に。
負けた顔。
(……。)
(付箋って。)
(こんなに。)
(高かったっけ?)
(紙だよ?)
(小さい。)
(粘着力も。)
(そんなに強くない。)
(紙。)
(ただの。)
(紙。)
もう一度。
取る。
カート。
入れる。
見る。
取り出す。
棚。
戻す。
「……。」
止まる。
もう一度。
取る。
カート。
入れる。
そのまま。
早足。
撤退。
気が変わる前に。
◇ ◇ ◇
店の。
反対側。
「タケルくーん。」
「これ。」
「持ってて。」
「……。」
ソラ。
にやにや。
完全に。
親友を。
いじる顔。
タケル。
片手。
カート。
もう片方。
ギプス。
つまり。
空いている手。
ゼロ。
「バカ。」
「はははははは!!」
ちなみに。
タケル。
自分の買い物。
とっくに。
終了。
ノート。
一冊。
一番。
シンプル。
灰色。
装飾。
なし。
機能性。
以上。
一方。
ソラ。
ペン売り場。
人生。
迷子。
「タケルくん。」
「嫌だ。」
「まだ何も。」
「言ってないけど!?」
「曜日ごとに。」
「色を変えるためのペンは。」
「必要ない。」
「でも!」
「女の子に!」
「貸してって!」
「言われたら!?」
「言われない。」
「言われたら!?」
「貸さない。」
「でももし――」
「ソラ。」
タケル。
振り返る。
「どうせ。」
「全部。」
「ポケットに入れるだろ。」
「……。」
静寂。
ソラ。
自分の。
ポケット。
見る。
ペン。
見る。
「……確かに。」
「だろ。」
「でも。」
「女子との。」
「作戦が――」
タケル。
去る。
ソラ。
一人。
ペン売り場。
残される。
「……。」
結局。
三本。
買った。
全部。
違う色。
作戦。
続行。
◇ ◇ ◇
D通路。
次の。
問題。
筆箱。
メイ。
三つ。
持っている。
「ハルちゃん。」
「どれが。」
「一番いっぱい入る?」
「これ。」
ハルミ。
一番大きいもの。
指す。
メイ。
「でも。」
「これでも。」
「色鉛筆。」
「全部入らない。」
「……?」
タケル。
筆箱を見る。
そして。
メイの。
荷物を見る。
「それ。」
「持っていくものが。」
「多すぎるだけだろ。」
「半分も。」
「使わない。」
メイ。
振り向く。
「使う!!」
「使わない。」
「使う!!」
「色鉛筆。」
「46本あるだろ。」
「全部いるの!!」
「46本だぞ!?」
「全部!」
「色が違うの!!」
「赤と。」
「濃い赤は。」
「同じ色だろ!!」
「違う!!」
「濃い赤は!」
「赤より!」
「濃いの!!」
「だから!」
「同じ赤だろ!!」
「違うもん!!」
ハルミ。
二人の間。
立つ。
メイを見る。
タケルを見る。
筆箱を見る。
「……。」
「一番大きいの。」
「買えばいいでしょ。」
「でも!」
「入らな――」
「二個買おう。」
静寂。
メイ。
一つ目。
見る。
二つ目。
見る。
目。
きらぁぁぁん。
「二個!!」
解決。
タケル。
ぼそっ。
「高くなる……。」
ハルミ。
遠い目。
「もう。」
「全部。」
「高いから。」
悟り。
開いた。
◇ ◇ ◇
三時間後。
レジ。
ハルミ。
到着。
商品。
置く。
一個。
また一個。
また。
また。
また。
店員。
読み取る。
ピッ。
ハルミ。
「……。」
ピッ。
「…………。」
ピッ。
「………………。」
一回。
鳴るたび。
心。
痛い。
ピッ。
背筋。
少し。
曲がる。
ピッ。
さらに。
曲がる。
ピッ。
人間。
少しずつ。
縦では。
なくなる。
そして。
合計。
表示。
「……。」
眉。
上がる。
片耳。
聞こえなくなった。
気がする。
四秒。
数字。
じーーーーっ。
「こ……。」
「これ……。」
「何回まで……。」
「分けられます……?」
「七回まで可能です。」
「七回で。」
「お願いします。」
即答。
カード。
差し出す。
未来の。
ハルミ。
頑張れ。
その横。
「きゃあああああ!!」
メイ。
ヒナ。
アイコ。
幸福。
限界突破。
「帰ったら!」
「全部使ってみよう!!」
「このラメの鉛筆!」
「めっちゃ可愛い!!」
「ハルちゃぁぁぁん!!」
「ありがとぉぉぉ!!」
ハルミ。
笑う。
残っていた。
最後の。
体力で。
にこっ。
タケル。
自分のもの。
取る。
そして。
ポケット。
入れる。
ソラ。
見る。
「……。」
理解。
「お前。」
「最初から。」
「それだけで。」
「終わらせるつもりだったの?」
「最初から。」
タケル。
即答。
「じゃあ!!」
「俺は!!」
「なんで!!」
「三時間も!!」
「ここにいたんだよ!?」
「帰れって。」
「言った。」
「……。」
ソラ。
停止。
宇宙の。
理不尽を。
処理中。
◇ ◇ ◇
外。
暑い。
太陽。
強い。
袋。
重い。
腕。
血。
通ってるか。
怪しい。
ハルミ。
スマホ。
見る。
11時47分。
「……。」
「え?」
もう一度。
見る。
11時47分。
(……。)
(三時間!?)
(三時間も。)
(いたの!?)
(もう。)
(昼じゃん!!)
時間。
消失。
ハルミ。
前を見る。
子どもたち。
どのペンの色が。
一番きれいか。
議論中。
元気。
楽しそう。
新品の。
文房具を買った時だけ。
発生する。
あの。
謎の幸福感。
なお。
学校が始まって。
一週間ほどで。
消える。
ハルミ。
すぅぅぅ。
息を吸う。
スマホ。
銀行アプリ。
見る。
合計金額。
見る。
すぅぅぅ。
もう一度。
息を吸う。
(……。)
(今日。)
(メイ。)
(お泊まりで。)
(よかった……。)
前。
ぴょんぴょん。
跳ねている。
メイ。
(……。)
(このテンション。)
(家にいたら。)
(何時に。)
(寝るの……?)
その時。
ソラ。
振り返る。
「みんなぁぁぁ!!」
「軽食と!」
「アイス!」
「どっち!?」
「軽食ぅぅぅ!!」
メイ。
そして。
一秒。
「でも!」
「アイスも!!」
「じゃあ!」
「両方!!」
ヒナ。
「両方だと。」
「二倍かかる。」
タケル。
正論。
「じゃあ!」
「両方!!」
ソラ。
正論。
無視。
ハルミ。
カードを見る。
七回払い。
思い出す。
「……。」
「両方。」
「よぉぉぉし!!」
全員。
復活。
ハルミ。
その後ろを。
歩く。
右腕。
袋。
左腕。
袋。
体力。
ゼロ。
「一歩……。」
「ずつ……。」
「一歩……。」
「ずつ……。」
必死。
本当に。
必死。
それでも。
前を歩く。
みんなを見る。
楽しそうな。
声を聞く。
ハルミ。
少しだけ。
笑った。
腕は。
死んでいた。
財布も。
死んでいた。
でも。
胸の奥だけは。
あたたかかった。
読んでいただき、本当にありがとうございます~!!♡♡
もしこの作品で少しでも笑顔になっていただけたら、★で応援していただけると、とっても嬉しいです!
皆さんからいただく評価は、
「もっともっと面白い作品を作りたい!」
と思える大切な励みになっています
(´▽`)
Pixivではキャラクターデザインやイラストも投稿しています!
そして!
月城サイコのキャラクターデザインも公開しました~!!♡
ぜひぜひ見に来てください!(´▽`)
Pixiv:
https://www.pixiv.net/en/users/121622272
またね~~!!(´▽`)ノ♡




