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ようこそ、ハルミのカオスな日常へ!  作者: あじせ
家庭内混乱マニュアル:初心者版!
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86/107

第86話 十年分の話は、一晩じゃ終わりません!

【緊急速報】十年ぶりの再会、一晩じゃ話し足りない!?

― 大沢ハルミ、親友との夕食で“昔と今”が大渋滞!! ―

店内。


満席。


暖かい。


にぎやか。


 


そして。


 


周りの客にとって。


少しだけ。


危険だった。


 


理由。


 


声の大きさという概念を。


あまり理解していない女性。


 


二名。


 


ハルミと。


サイコ。


 


席に着く。


 


ほぼ。


同時。


 


ハルミ。


スマホ。


取り出す。


 


「ちょっとだけ待ってて!」


 


家に。


電話。


 


プルルルル……。


プルルルル……。


 


ガチャ。


 


『もしもしぃぃぃ!?』


 


元気。


 


ものすごく。


元気。


 


メイだった。


 


ハルミ。


その声だけで。


 


ふっ。


 


自然に。


笑顔。


 


「メイちゃん!」


 


「もう晩ご飯食べた?」


 


『ん~~……』


 


沈黙。


 


メイ。


考える。


 


さらに。


考える。


 


『タケルくんがね~』


 


『台所で何かしてるよ』


 


その奥。


 


遠くから。


 


『誰? “メイちゃん”』


 


タケル。


 


メイ。


電話口。


こそこそ。


 


ものすごく。


可愛らしく。


 


『ハルちゃん……』


 


その瞬間。


 


台所。


 


どさっ。


 


野菜。


置かれる音。


 


『メイちゃん、そのまま置いといて!』


 


『俺が出るから!』


 


ばたばたばたっ。


 


そして。


 


ガッ。


 


『うわっ』


 


段差。


 


たぶん。


つまずいた。


 


『先に風呂入って!』


 


『髪、土だらけだからちゃんと洗えよ!』


 


『はぁ~~い!!』


 


てててててっ。


 


メイ。


廊下。


走っていく。


 


遠ざかる。


足音。


 


そして。


 


ガチャ。


 


タケル。


電話。


交代。


 


『もしもし』


 


少し。


間。


 


『何かあった?』


 


「……」


 


ハルミ。


胸。


きゅっ。


 


なぜか。


 


罪悪感。


 


そして。


ちょっと。


言いづらい。


 


「あ、あのね……」


 


「昔の友達と」


 


「今、ご飯食べてて……」


 


「だから……」


 


「今日は一緒に晩ご飯食べられないの」


 


「……」


 


沈黙。


 


返事。


なし。


 


ハルミ。


 


『……』


 


『悲しんでる。』


 


そう。


確信。


 


一方。


 


電話の向こう。


 


タケル。


 


『……』


 


内心。


 


よし。


 


今日は。


静かに。


料理ができる。


 


しかし。


 


もちろん。


言わない。


 


こほん。


 


『別にいいよ』


 


「ご、ごめんね!!」


 


「21時までには帰るから!!」


 


『……』


 


『もう21時43分だけど』


 


「…………」


 


ハルミ。


停止。


 


「…………」


 


タケル。


待つ。


 


その横。


 


サイコ。


店員へ。


元気よく。


 


「すみませーん!!」


 


手。


上げる。


 


「生ビール一つお願いしまーす!!」


 


ハルミ。


 


「!!」


 


スマホ。


手で塞ぐ。


 


「サイコぉぉぉ!!」


 


電話の向こう。


 


タケル。


深いため息。


 


『そんなに気にしなくていいから』


 


「でも……」


 


『家のすぐ近くだろ』


 


「……」


 


ハルミ。


窓。


見る。


 


「……」


 


本当に。


近かった。


 


ものすごく。


近かった。


 


電話なんて。


使わなくても。


 


頑張れば。


 


ハルミの声。


家まで届きそうだった。


 


「分かってるけどぉ……」


 


「それでもなんか申し訳な――」


 


プツッ。


 


「……」


 


切れた。


 


「…………」


 


ハルミ。


スマホを見る。


 


信じられない。


 


もう一度。


画面を見る。


 


切れている。


 


ショック。


 


裏切り。


 


そして。


 


捨てられた気分。


 


その頃。


 


家。


 


『タケルく~~ん!』


 


風呂場から。


メイ。


 


『髪洗うの手伝って~~!!』


 


『今行くー!』


 


タケル。


向かう。


 


メイ。


気になったらしい。


 


『ハルちゃん、何だって?』


 


少し。


間。


 


『ママ――』


 


ぴたっ。


 


『……じゃなくて』


 


『ハルミさん、何だって?』


 


タケル。


 


「……」


 


『俺に絡んできただけ』


 


そして。


 


レストラン。


 


ハルミ。


 


ぷくぅぅぅ。


 


巨大。


 


ものすごく。


巨大。


 


ほっぺ。


 


「……切られた」


 


サイコ。


見る。


 


「……」


 


耐える。


 


「……っ」


 


頑張る。


 


「……ふっ」


 


無理だった。


 


「アハハハハハハハ!!」


 


「笑わないでよぉぉぉ!!」


 


「電話切られてるじゃん!!」


 


「怒ってるんだよ!!」


 


「違う違う!」


 


サイコ。


笑いながら。


 


届いたばかりの。


ビール。


 


ごくっ。


 


「今ごろ人生最高の夜を満喫してるって!」


 


「ひどい!!」


 


ハルミ。


腕。


組む。


 


完全に。


不満。


 


サイコ。


もう一口。


 


ごくっ。


 


そして。


 


「で?」


 


「いつ帰ってきたの?」


 


「昔の悪ガキどもには、もう会った?」


 


一拍。


 


「……じゃなくて」


 


「みんなには?」


 


「あ、うん……」


 


ハルミ。


考える。


 


「最初に会ったのは、イツ――」


 


その時。


 


プルルルル……。


 


「……」


 


ハルミ。


見る。


 


サイコ。


見る。


 


電話。


 


でも。


 


鳴っているのは。


 


サイコのスマホ。


 


画面を見る。


 


サイコ。


 


「……」


 


ぼそっ。


 


「噂をすれば」


 


通話。


 


ぽちっ。


 


そして。


 


ハルミとは。


まるで。


違った。


 


「もしもし!?」


 


「何!?」


 


ハルミ。


 


背筋。


ぴんっ。


 


電話の向こう。


 


男の声。


 


少し。


遠い。


 


『遅いけど』


 


『まだかかる?』


 


「……」


 


サイコ。


深呼吸。


 


怒り。


 


そして。


 


ゼロ。


 


忍耐。


 


「私が遅いってことは何かあったってことでしょ!?」


 


「もし私が何かに巻き込まれてたとして!」


 


「それで電話してきた第一声が」


 


「『まだかかる?』だったら――」


 


「……」


 


サイコ。


止まる。


 


考える。


 


もう少し。


言ってやろうか。


 


かなり。


真剣に。


考える。


 


しかし。


 


「……まあ、いいや」


 


「今日、私」


 


「機嫌いいから」


 


電話の向こう。


 


『そうみたいだな』


 


「……」


 


その横。


 


ハルミ。


 


口。


開いている。


 


目。


見開いている。


 


興味。


 


好奇心。


 


疑惑。


 


全部。


MAX。


 


サイコを。


 


じぃぃぃぃぃ。


 


見る。


 


魂まで。


覗きそうな勢い。


 


サイコ。


完全無視。


 


「清水くん」


 


「今日、家で食べないから」


 


ハルミ。


 


「……!」


 


サイコ。


続ける。


 


「適当に食べて」


 


「冷蔵庫に卵と鶏肉あるから」


 


電話の向こう。


 


『いや、ちょ――』


 


プツッ。


 


「…………」


 


サイコ。


切った。


 


ハルミ。


 


「…………」


 


三秒。


 


処理。


 


一秒。


 


理解。


 


そして。


 


爆発。


 


「なんで今イツキくんと一緒に住んでるのぉぉぉ!?!?」


 


周囲。


ちらっ。


 


サイコ。


気にしない。


 


ビール。


ごくっ。


 


「一緒に住んでないよ」


 


「え?」


 


間。


 


サイコ。


グラス。


置く。


 


「あいつが。」


 


もう一拍。


 


「私の家に住んでるの。」


 


「…………」


 


「えええええええ!?!?」


 


ハルミ。


身を乗り出す。


 


「だって二人!!」


 


「ずっと犬猿の仲だったじゃん!!」


 


「ああ」


 


サイコ。


うんざり。


 


「あのバカ」


 


「働く時間が毎日バラバラなの」


 


「それでサクラさんに」


 


「睡眠の邪魔!!」


 


「って追い出された」


 


「…………」


 


ハルミ。


想像。


 


一秒。


 


「ぶっ」


 


「アハハハハハハ!!」


 


「そんなことになってるなんて思わなかった!!」


 


「なったの」


 


サイコ。


ため息。


 


「で」


 


「なぜか私に回ってきた」


 


「アハハハハ!!」


 


サイコ。


テーブル。


肘。


つく。


 


そして。


 


目。


きらきら。


 


「さ」


 


「私の話はいいから」


 


ぐいっ。


 


ハルミへ。


近づく。


 


「全部話してぇぇぇぇ!!」


 


「えっ」


 


「あー……」


 


ハルミ。


記憶。


整理。


 


「最初は会社の別の事業所に異動になって……」


 


「それで、ある日スーパーに行ったら」


 


「あの子たちがいて」


 


「しかも、ものすっごく寒い日で――」


 


サイコ。


 


「そう!!」


 


突然。


割り込む。


 


「ていうか、あの八月の寒さ何だったの!?」


 


ビール。


ごくっ。


 


ハルミ。


 


「ねぇぇぇぇ!?!?」


 


「私もあんなの初めてだった!!」


 


「今年の十二月は逆にそこまで寒くならないって聞いたけど」


 


「ほんと!?」


 


「らしいよ」


 


「やったぁぁぁ!!」


 


「私もそれ願ってる!!」


 


ハルミ。


笑う。


 


そして。


ふと。


 


「あっ」


 


「覚えてる?」


 


「学校で山に行った時!」


 


「水道管凍って、お風呂入れなかったやつ!」


 


サイコ。


 


「覚えてるぅぅぅ!!」


 


「あの一週間!!」


 


「最悪だった!!」


 


「ほんとに!!」


 


二人。


爆笑。


 


声。


大きい。


 


周り。


ちらっ。


 


また。


見る。


 


二人。


 


気にしない。


 


まったく。


 


サイコ。


 


バンッ!!


 


テーブル。


叩く。


 


「って違う!!」


 


「子どもたちの話!! 続き!!」


 


「あっ!」


 


ハルミ。


 


「そうだった!」


 


「忘れてた!」


 


「忘れないでよ!!」


 


「それでね!」


 


「あの日からもう……」


 


ハルミ。


遠い目。


 


「サイコちゃん……」


 


「本当に……」


 


「いろいろあったの……」


 


「何!?」


 


「何があったの!?」


 


「全部聞く!!」


 


一拍。


 


「でも少しずつお願い!」


 


「一気に聞いたら私が倒れる!」


 


「アハハハハ!」


 


ちょうど。


 


料理。


到着。


 


二人。


食べ始める。


 


一口。


 


昔の話。


 


もう一口。


 


今の話。


 


学校。


 


仕事。


 


子どもたち。


 


昔の友達。


 


笑う。


 


話す。


 


途中で。


割り込む。


 


そして。


 


関係ない話へ。


脱線。


 


戻る。


 


また。


脱線。


 


十年分。


 


当然。


 


一晩では。


足りない。


 


そして。


 


サイコ。


突然。


思い出す。


 


「ハルミちゃん!!」


 


「ん?」


 


「覚えてる!?」


 


「学校で海行った時!!」


 


「他校の男子とケンカしたやつ!!」


 


ハルミ。


 


「ああああああ!!」


 


「覚えてる!!」


 


そして。


 


一切。


迷わず。


 


「あれは向こうが悪い!!」


 


「今でも反省してない!!」


 


「アハハハハハハ!!」


 


サイコ。


笑う。


 


ハルミも。


笑う。


 


止まらない。


 


完全に。


 


カオス。


 


そして。


 


懐かしい。


 


ただ。


楽しい。


 


昔と。


変わらない。


 


そんな時間。


 


その途中。


 


ハルミ。


ふと。


 


「そういえば、サイコちゃん」


 


「ん?」


 


「日曜日ね」


 


「メイちゃんの誕生日なの」


 


「それで――」


 


「行く」


 


「……え?」


 


「何時?」


 


「…………」


 


ハルミ。


ぱちっ。


 


「えっと……」


 


「早めでもいい?」


 


「みんなでちょっと豪華なお昼ご飯にしようかなって」


 


サイコ。


 


「あー……」


 


少し。


考える。


 


「じゃあ清水くんに送ってもらわないと」


 


「めんどくさ……」


 


一拍。


 


「でも行く!!」


 


「もちろん!!」


 


「手伝うよ!」


 


ハルミ。


 


「ほんと!?」


 


「当たり前でしょ!!」


 


二人。


グラス。


 


カンッ!


 


「やったぁ!」


 


笑う。


 


そして。


 


数秒後。


 


サイコ。


 


「……」


 


何かに。


気づく。


 


目。


細くなる。


 


ハルミを見る。


 


「……ハルミちゃん」


 


「ん?」


 


「今日」


 


「木曜日だよね?」


 


「……」


 


ハルミ。


停止。


 


「日曜日の準備」


 


「もう決めてる?」


 


「…………」


 


「買い物は?」


 


「…………」


 


「お昼の材料は?」


 


「…………」


 


「飾り付け」


 


「…………」


 


「ケーキ」


 


「…………」


 


「それから――」


 


「だ、大丈夫だから!!」


 


ハルミ。


叫ぶ。


 


顔。


 


笑顔。


 


心。


 


大パニック。


 


サイコ。


じーっ。


 


分析。


 


疑う。


 


ものすごく。


疑う。


 


しかし。


 


「……そっか」


 


信じることにした。


 


ハルミ。


 


にこっ。


 


外側。


 


平静。


 


内側。


 


『何も。』


 


『準備してない。』


 


サイコ。


 


ビール。


ごくっ。


 


『……』


 


『この顔。』


 


『絶対。』


 


『何も買ってない。』


 


ハルミ。


 


『サイコちゃんに。』


 


『買い物。』


 


『付き合ってもらおう……』


 


サイコ。


 


『……』


 


『私。』


 


『この子と。』


 


『買い物行くことになるな。』


 


「……」


 


「……」


 


目。


合う。


 


言葉。


 


必要なし。


 


十年ぶりでも。


 


そこだけは。


 


通じた。


 


そして。


 


二人の夕食は。


まだまだ。


続く。


 


笑い声。


 


昔話。


 


どうでもいい話。


 


そして――


 


誰にも。


まだ。


見えていない。


 


日曜日の。


 


大惨事。


 


それだけが。


 


静かに。


 


近づいていた。






読んでいただき、本当にありがとうございます~!!♡♡


もしこの作品で少しでも笑顔になっていただけたら、★で応援していただけると、とっても嬉しいです!


皆さんからいただく評価は、

「もっともっと面白い作品を作りたい!」

と思える大切な励みになっています


(´▽`)


Pixivではキャラクターデザインやイラストも投稿しています!



最近、この作品の日常を描いた四コマ漫画をPixivに投稿しました!ぜひぜひ遊びに来てください~!!♡


Pixiv:

https://www.pixiv.net/en/users/121622272


また次回もよろしくお願いします~!!♡♡

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