第51話 タイヤ交換、誰も教えてくれない件
―― タイヤ交換!?いやこれ完全に“対決”なんだが!? ――
パンク。
絶望。
そして始まる――
素人姉妹による、
命がけ(?)のタイヤ交換!!
「動画見ればいける!」
↓
全然わからない。
「簡単そう!」
↓
まったく簡単じゃない。
さらに――
・車内から謎の私物大量発掘
・ジャッキ、働かない
・ネジ、敵
・タイヤ、全力抵抗
そしてついに。
「できた!!」
↓
『……そのタイヤ、もっとヤバくない?』
終わってる。
でも走る。
たぶん。
日曜の姉妹、
今日も全力で生き残る――!!
はるみ。
タイヤ見てた。
タイヤも。
なんか見返してきてた。
沈黙。
「……よし」
はるみ。
急に自信。
「タイヤ交換くらいできる」
いずみ。
片眉上がる。
「できる?」
「知ってる?」
「……学べる」
ダメそうだった。
第一段階。
検索。
『タイヤ交換 簡単 早い 緊急』
ぽちぽち。
読む。
瞬き。
眉間しわ。
「……なにこれ」
「別言語?」
「日本語だよ」
「難しすぎる!!」
第二段階。
動画。
「動画ならわかる」
再生。
超落ち着いた男。
『まずボルトを緩めます』
「うんうん」
『次にジャッキを――』
「なるほど」
『車体を持ち上げ――』
「簡単じゃん」
動画。
閉じた。
いずみ。
止める。
「まだ半分も見てない」
「概念は理解した」
一番危ないタイプだった。
そして。
問題。
トランク。
開ける。
世界。
また出てきた。
「なんでこんな入ってんの!?」
いずみ。
絶叫。
「これは!?」
「壊れた傘」
「なんで持ってるの!?」
「感情的緊急用」
「意味わかんない!!」
「これは!?」
「思い出」
「何の!?」
「知らない」
怖い。
でも。
なんとか。
スペアタイヤ発見。
工具発見。
戦闘開始。
まず。
ボルト。
敵だった。
はるみ。
ぐいっ。
動かない。
さらに。
ぐぐぐぐ。
動かない。
「……接着されてる?」
「されてない」
「力」
いずみ。
即答。
はるみ。
考える。
そして。
レンチ乗った。
「待って」
「しーっ」
ぴょん。
動かない。
沈黙。
はるみ。
深呼吸。
「……おらぁ!!」
ドゴッ!!
CLACK.
動いた。
「いったぁぁ!!」
「蹴った……」
いずみ。
引いてた。
「馬?」
「勝ったからヨシ!!」
次。
ジャッキ。
はるみ。
ぐるぐる。
回す。
動かない。
反対。
動かない。
「……サボってる」
「ジャッキに意思感じるのやめて」
いずみも回す。
ダメ。
二人。
無言。
「働けよぉ!!」
「こっちだって働きたくないのに!!」
八つ当たり。
数分後。
ギギギギ……
動いた。
「うおおお!!」
「勝ったぁぁ!!」
そして。
沈黙。
いずみ。
ぽつり。
「……はるみ」
「なに」
「ジャッキ」
「うん」
「車の下に入ってない」
静止。
はるみ。
ゆっくり見る。
地面。
ジャッキ。
空回り。
沈黙。
「……」
「……」
「なかったことにしよ」
リセット。
やり直し。
今度こそ。
成功。
車。
浮いた。
「よぉぉし!!」
そして。
タイヤ外し。
はるみ。
引っ張る。
動かない。
「取れない」
「蹴れば?」
「優しめ?」
「怒りで」
採用。
ドゴッ!!
ドゴォ!!
「これは戦いだぁぁ!!」
ドンッ!!
タイヤ。
落下。
「うわっ!!」
「取れたぁぁ!!」
姉妹。
大歓声。
汗。
ぐちゃぐちゃ。
でも。
テンション高い。
スペアタイヤ。
装着。
その時。
はるみ。
止まった。
じぃぃぃ。
「……いずみ」
「なに」
「これ」
「うん」
「もっと終わってない?」
沈黙。
スペア。
ツルツル。
危険。
「……ちょっとね」
「ちょっとじゃない」
「でも存在はしてる」
「それはそう」
最後。
ボルト締める。
ジャッキ外す。
工具戻す。
完成。
姉妹。
数秒。
作品眺めた。
「……できた」
「一応」
「逃げよう」
「車が気づく前に」
乗車。
エンジン。
ギュルルル……
動いた。
奇跡。
はるみ。
超得意顔。
「ほら」
「完璧」
いずみ。
シートベルト締める。
「信じるフリだけする」
そして。
車は走る。
常識。
物理法則。
安全性。
全部を置き去りにして。
でも。
なぜか。
すごく楽しそうだった。
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