表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ、ハルミのカオスな日常へ!  作者: あじせ
家庭内混乱マニュアル:初心者版!
PR
47/64

第47話 家、人口密度バグる

【あらすじ】

― 大沢はるみ、帰宅したら知らない間に"子ども8人の宿泊施設"になっていた件 ―

疲れ果てて帰宅したはるみを待っていたのは――


静寂? いいえ。


8人の子どもたちが床に転がる、謎の光景。


ユニフォーム。泥だらけの靴。湖の匂い。

あちこちに転がる、夏の残骸。


はるみは瞬きした。


もう一回。


……そうか。


いつの間にか、この家には"居場所"ができていた。


ご飯を食べ、親に電話して、布団をかけて、眠る。


ただそれだけ。


でも――


それだけで、十分だった。


静かで、あたたかい、ある夜の話。

 


ガララッ。


 


「ただいまー……」


 


はるみの声。


 


死んでた。


 


仕事帰り。


 


疲労。


 


限界。


 


バッグ置いた。


 


靴脱いだ。


 


片方。


 


変な方向飛んでった。


 


でも。


 


もう拾う気力ない。


 


二歩。


 


進んだ。


 


そして。


 


止まった。


 


沈黙。


 


そこにいたのは。


 


子供。


 


大量。


 


床一面。


 


転がってた。


 


「……は?」


 


脳。


 


停止。


 


まず。


 


健。


 


横向き。


 


リュック抱いて寝てた。


 


なぜ。


 


空。


 


口開いてる。


 


完全に力尽きてる。


 


優。


 


なんか変な姿勢のまま気絶してた。


 


絶対寝にくい。


 


健太。


 


お菓子のゴミ握ってた。


 


最後まで食ってた。


 


女子組。


 


固まってた。


 


芽衣。


 


愛子の足を枕にしてる。


 


愛子。


 


普通に寝てる。


 


強い。


 


雛。


 


毛布半分取られてる。


 


でも起きない。


 


平和。


 


はるみ。


 


瞬き。


 


もう一回。


 


まだいる。


 


現実だった。


 


部屋。


 


静か。


 


聞こえるのは。


 


寝息。


 


たまに変な寝言。


 


あと。


 


なんか湖っぽい匂い。


 


土。


 


汗。


 


夏。


 


子供。


 


全部混ざってた。


 


はるみ。


 


ぼーっと見つめた。


 


そして。


 


肩の力が抜ける。


 


小さく。


 


笑った。


 


「……そっか」


 


「友達、できたんだ」


 


ぽつり。


 


誰も聞いてない。


 


でも。


 


すごく嬉しそうだった。


 


視線。


 


玄関へ。


 


靴。


 


大量。


 


泥。


 


砂。


 


そして。


 


制服。


 


ぐしゃぐしゃ。


 


はるみ。


 


静かに拾い始めた。


 


一枚。


 


また一枚。


 


「これ誰の……」


 


「でっか」


 


「これ健太くんかな……」


 


靴下。


 


片方しかない。


 


しかも。


 


全員同じ学校。


 


混乱。


 


「絶対あとで戦争になるやつだ……」


 


でも。


 


ちょっと楽しそう。


 


洗濯機。


 


起動。


 


ゴウンゴウン回り始める。


 


家の中に。


 


静かな生活音が増えた。


 


その時。


 


はるみ。


 


ふと思う。


 


“……ちゃんと学校行かせなきゃ”


 


自然だった。


 


本当に。


 


自然に出てきた。


 


「明日、電話しよ」


 


小さく決定。


 


そして。


 


キッチンへ。


 


冷蔵庫。


 


開けた。


 


沈黙。


 


「……ない」


 


もう一回見た。


 


「……ない」


 


食料。


 


壊滅。


 


きれい。


 


びっくりするくらい。


 


ない。


 


はるみ。


 


遠い目。


 


「育ち盛りってすご……」


 


その時。


 


見つけた。


 


ラップ。


 


お皿。


 


置いてある。


 


白ご飯。


 


揚げ物。


 


あと。


 


メモ。


 


字。


 


妙に丁寧。


 


『はるみさんの分』


 


沈黙。


 


はるみ。


 


止まった。


 


じぃぃぃぃん。


 


って顔した。


 


そして。


 


両手で顔覆う。


 


「なにこれぇ……」


 


「優しぃ……」


 


完全にやられた。


 


そのまま。


 


立ったまま食べる。


 


一口。


 


「……おいしい」


 


疲労。


 


ちょっと溶けた。


 


その後。


 


ソファへ。


 


スマホ取り出す。


 


電話タイム。


 


「はい、大丈夫ですー」


 


「みんな寝ちゃってて」


 


「はい、元気です!」


 


「すみません、お泊まりになっちゃって……」


 


一件。


 


また一件。


 


親たち。


 


意外と慣れてた。


 


『あぁ、また空ですね』


 


『健太食べすぎてません?』


 


『優、虫除け撒きすぎてませんでした?』


 


はるみ。


 


途中で笑いそうになった。


 


「……みんな、すごいなぁ」


 


最後の電話終わる頃には。


 


もう。


 


眠気限界。


 


はるみ。


 


立ち上がる。


 


電気。


 


一個ずつ消した。


 


そして。


 


寝てる子供たちに。


 


毛布かけていく。


 


空。


 


蹴飛ばした。


 


「こら」


 


もう一回かける。


 


健太。


 


寝ながらなんか食ってた。


 


怖い。


 


芽衣。


 


ぎゅって。


 


毛布掴んだ。


 


離さない。


 


かわいい。


 


最後。


 


健。


 


静かに寝てた。


 


はるみ。


 


少しだけ。


 


立ち止まる。


 


そして。


 


頭。


 


ぽん。


 


「おやすみ」


 


返事はない。


 


当然。


 


爆睡。


 


でも。


 


少しだけ。


 


健の表情が緩んだ気がした。


 


その夜。


 


家は。


 


人でいっぱいだった。


 


散らかってて。


 


うるさくて。


 


洗濯物も多くて。


 


冷蔵庫も空っぽで。


 


でも。


 


不思議なくらい。


 


あったかかった。


 


はるみは。


 


寝室へ向かいながら。


 


小さく笑った。


 


「……なんか」


 


「いいなぁ、これ」


 


そして。


 


家が。


 


静かに軋んだ。


 


たぶん。


 


同意だった。



楽しんでいただけたら嬉しいです!

もしよければ、ポイントを入れていただけると、とても励みになります

また次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ