第46話 どこにも繋がってなかった道(でも最高だった)
― 「近道かも!」の一言から始まる、全力サバイバル遠足 ―
湖の“別の場所”を目指して、
謎の小道へ突撃した8人。
……いや、待って。
それ、本当に道???
草。
土。
枝。
蚊。
そして全員の心にじわじわ広がる、
「これ、来ちゃダメな場所では?」感。
容赦ない太陽。
終わらない坂。
ゼロの方向感覚。
さらに――
めいの根拠ゼロ自信。
あいこの巨大すぎる日傘。
そして後方には、
静かに恐怖を育てる、そら。
果たして彼らは無事に湖へたどり着けるのか!?
それとも先に精神が限界を迎えるのか――!?
本日も、カオス100%でお送りします。
入った。
山道に。
いや。
山道っぽい何かに。
というか。
ただの。
草。
土。
枝。
虫。
そして。
“これ絶対入っちゃダメなやつでは?”
という空気。
優。
すでに後悔。
「……ほんとに道?」
芽衣。
元気百倍。
「だいじょうぶ!!」
「前に見たことある!!」
「どこで!?」
「なんか!!」
「信用できない!!」
そして。
進む。
一歩目。
坂。
二歩目。
もっと坂。
三歩目。
健太。
絶叫。
「なんでこんな登るの!?」
蓮。
真顔。
「山だから」
「山でも限度あるだろ!!」
太陽。
容赦なし。
本気。
殺意高め。
芽衣。
パンデイロ振りながら歩いてた。
「タンタンタンタン♪」
優。
汗だく。
「それ意味ある?」
「ない!!」
「でも希望が出る!!」
意味はなかった。
でも。
ちょっと元気は出た。
愛子。
その頃。
パサッ。
日傘。
開いた。
沈黙。
蓮。
見た。
健も見た。
「……愛子」
「なに?」
「ここ山道」
「知ってる」
「狭い」
「知ってる」
「邪魔」
「知ってる」
「じゃあ――」
「閉じない」
終了。
交渉失敗。
なお。
優と蓮。
しれっと愛子の後ろ歩いてた。
日陰目的。
最低。
その頃。
空。
後方。
静か。
危険。
「……わっ」
「ぎゃあああああ!!」
優。
飛んだ。
「やめてぇぇぇ!!」
空。
ニヤニヤ。
「何もしてない」
五歩後。
「わっ」
「そらぁぁぁ!!」
「ごめんごめん」
絶対反省してない。
その時。
蓮。
しゃがんだ。
何か拾った。
蜘蛛。
リアル。
元気。
空を見た。
沈黙。
そして。
投げた。
「……え?」
「……え?」
「ぎゃあああああああ!!!」
空。
跳んだ。
本気で。
そのまま。
雛に激突。
「きゃっ!?」
連鎖。
三人くらい倒れかけた。
「蓮!!!」
「なに」
「普通に怖い!!」
「効いた」
効いた。
完璧に。
一方。
健太。
「……腹減った」
健。
即ツッコミ。
「さっきスイカ食べた」
「もう消えた」
そして。
お菓子袋開封。
沈黙。
「……カスしかない」
「なんで!?」
逆さにした。
サラサラ。
風。
持ってった。
「……終わった」
悲しみ。
そして。
蚊。
多い。
異常に。
「虫ぃぃぃ!!」
「刺された!!」
優。
ドヤ顔。
「大丈夫!!」
「対策ある!!」
取り出した。
虫除け。
大量噴射。
シューーーーー。
沈黙。
「……くさ」
「目いたい」
「これ危なくない?」
「優ぅぅぅ!!」
「それ虫除けじゃなくて化学兵器!!」
でも。
効いた。
蚊。
死んだ。
グループも少し死にかけた。
その頃。
「そっち持って!!」
「持ってる!!」
「釣り竿引っかかってる!!」
「木に絡まった!!」
「抜けない!!」
バキッ。
沈黙。
「……折れてない」
「奇跡だ」
そして。
登る。
滑る。
転ぶ。
汗。
疲労。
文句。
ドラマ。
全部盛り。
その時。
芽衣。
ピタッ。
「……みず」
誰も信じない。
「ほんと!!」
見た。
あった。
湖。
キラキラ。
最高。
「ついたぁぁぁ!!!」
そして。
全員。
走った。
荷物?
知らない。
ボール。
投げた。
タオル。
投げた。
人生。
たぶん投げた。
そして。
ドボン!!
ドボン!!
ドボン!!
全員着水。
「つめたぁぁぁ!!」
「最高ぉぉぉ!!」
「生き返る!!」
沈黙。
平和。
二秒だけ。
健。
水の中で。
ふと。
周りを見る。
考える。
“……湖沿い歩けば”
“普通に来れたな”
沈黙。
でも。
みんな見た。
笑ってる。
騒いでる。
全力。
健。
小さく笑った。
「……こっちのほうが楽しかったか」
その後。
完全に自由時間。
健太と健。
岩の上。
釣り中。
「釣れる?」
「全然」
「俺も」
「じゃあ成功」
意味不明。
愛子。
芽衣の浮き輪でぷかぷか。
ジュース飲んでた。
「わたし頑張ったもん」
芽衣と優。
砂遊び。
「これは城!!」
「砂!!」
「城!!」
「はいはい!!」
空。
健太。
雛。
なぜかネット張った。
「今からバレー!!」
「絶対違う!!」
「今日からそう!!」
開始。
即 chaos。
「パス!!」
「はい!!」
「アウト!!」
「入ってた!!」
「今のズル!!」
「ズルじゃない!!」
バシッ。
ボール。
空の顔面直撃。
沈黙。
「……今の反則」
愛子。
即答。
「実力」
結果。
空。
ほっぺ赤い。
「理不尽だ……」
「正義だよ」
愛子。
強い。
太陽が落ちていく。
疲れも来る。
でも。
誰も帰りたくなかった。
泳いで。
笑って。
遊んで。
気づけば。
蓮。
ぽつり。
「……帰るか」
沈黙。
芽衣。
しょんぼり。
「やだ……」
「ぼくも……」
「俺も……」
全員同じ顔。
でも。
帰った。
足。
重い。
元気。
ゼロ。
魂。
半分置いてきた。
でも。
幸せ。
だから。
よかった。
そして。
はるみの家。
到着。
ドア開く。
全員。
そのまま倒れ込む。
健。
床に転がりながら。
「……誰も話しかけないで」
芽衣。
「わたし砂になった……」
優。
「体ない……」
空。
「俺バレーした……」
愛子。
「顔面でね」
「戦略だから」
誰も返事しなかった。
なぜなら。
もう全員。
限界だった。
でも。
ちゃんと。
笑ってた。
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