↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ、ハルミのカオスな日常へ!  作者: あじせ
家庭内混乱マニュアル:初心者版!
PR
111/113

第111話 プレゼント選び会議、全員そろって大失敗!?

【緊急速報】男の子5人、プレゼント購入前にまさかの財政危機!? ピンクだらけの店内で大混乱!!

― 所持金の計算すらできない!? ぬいぐるみもワンピースも却下され、メイちゃんへのプレゼント選びは難航中!! ―

日曜日。


太陽が昇っていく。


五人の少年が、当てもなく歩いていた。


「そろそろ決めないと」


タケルは、もう少し疲れていた。


「もう決まったじゃん」


ソラが答えた。


「何も決まってない」


「ピンクの物を買うって」


「それは決まったって言わない!」


沈黙。


五人は道の途中で立ち止まった。


輪になった。


真剣な時間だった。


非常に、真剣だった。


「……まず、いくらあるか確認しよう」


レンが言った。


厳かな沈黙。


全員がうなずいた。


そして。


混乱が始まった。


いや、史上最悪の金勘定が始まった。


五人は輪になったまま、ポケットに手を入れた。


「俺は、これ」


タケルが硬貨とお札を一枚出した。


少ない。


とても少ない。


「……はい」


ケンタも出した。


少し多かった。


それでも、悲しい状況だった。


ユウは、お札を一枚出した。


きれいで。


折り目もなく。


威厳のある、一枚だった。


「……」


「……金持ち」


ソラがつぶやいた。


「貯めたんだよ」


「ブルジョワ」


「黙れ」


そして。


ソラ。


手を開いた。


そこには。


じゃらじゃらじゃらじゃらっ。


硬貨しかなかった。


大量の硬貨。


本当に、大量だった。


「……うわ」


レンが言った。


「俺、全部取っておくんだ!」


ソラは誇らしげだった。


「これ、いくらあるの?」


沈黙。


「……数えよう」


タケルが決めた。


間違いだった。


重大な間違いだった。


「五枚ずつ分けて!」


「どれが五円!?」


「これ!」


「それ違う!」


「じゃあ、どれ!?」


「知らない!」


「ケンタの手に置いて!」


「分かった、ちゃんと手に――」


「それ、ユウの左手!」


「こっちは俺の手!」


「じゃあ、ケンタくんの手はどこ!?」


「反対側!」


「俺、手は二本あるんだけど!」


「全員、二本ある!」


「それじゃ分かんない!」


硬貨が落ちる。


数が分からなくなる。


三度目を数え直している者。


諦めた者。


「全員、黙って!」


沈黙。


荒い息。


「……いくらだった?」


ユウが尋ねた。


沈黙。


「……たぶん、三」


ソラが答えた。


「三、何!?」


「知らない!」


結論。


お金は少ない。


けれど。


「何かは買えるだろ」


ケンタが言った。


「買えるよ。飴一個。五人で分ければ」


レンが認めた。


「黙って、レンくん!」


ようやく店を見つけ、中へ入った。


第二の間違いが、始まろうとしていた。


入った瞬間、甘い匂いがした。


「女の子……この店、女の子の匂いがする!」


ソラは幸せそうだった。


少し、顔も赤かった。


「ずいぶんカラフルだな」


「いや、ほとんど全部ピンクだけど」


「ピンクって、こんなに種類あったんだ……」


全員で、沈黙。


「……未知の領域だな」


ケンタがささやいた。


「普通にして」


タケルが答えた。


「普通にしてる」


「してない」


ソラは、店員を探して店内を歩いていた。


その時、一人が小さなクマを見つけた。


そのクマだけのために用意されたような、ガラスケースの中にいた。


小さくて。


かわいくて。


上品で。


いい匂いがして。


ピンクだった。


「……メイちゃん、好きそう」


タケルが言った。


「じゃあ、買おう」


ユウが答えた。


「……」


タケルは考えた。


考えた。


さらに、考えた。


「……やっぱり、違うかも」


「何で!?」


「似たのを、もう持ってる」


沈黙。


「……だから何!?」


ソラ。


「好きってことだろ!」


ケンタ。


「違う、もう持ってるってこと!」


「だから、喜ぶんだろ!」


「違う!」


「そう!」


「違う!」


「そう!」


「タケルくんが正しい!」


ソラが、タケルをかばおうとした。


「ソラは黙って!」


ほかの四人が、同時に叫んだ。


「ひど……」


ソラは、店員の隣にいた。


すぐに、捨てられた子犬の顔になった。


「見ました? お姉さん……いつも、俺にこうなんですよ……」


「まあ、かわいそうに……」


店員は、手伝おうとした。


「その女の子が、もう似たクマを持っているなら……」


(こんなに高いもの、本当に持っているのかしら……)


「ほかの商品を見てみてもいいかもしれませんね!」


「お姉さんの話、聞いたよね?」


ソラが妙な顔で言った。


「わ、分かった!」


「は、はい!」


「ちぇっ、面倒くさいな……」


その店での結論。


帰る。


そして、どうしても帰りたがらないソラを、髪を引っ張って連れ出す。


「嫌だあっ!」


「またお越しください!」


店員は笑顔で見送った。


五人は、次の店へ向かった。


少し先に、見るからに女の子向けの店があった。


ピンクとオレンジ。


壁にまで、きらきらした飾り。


けれど、いちばん目を引いたのは、そこではなかった。


入口に続く、長い列。


並んでいるのは、女の子ばかりだった。


「何か、安くなってるんじゃない?」


「行こう!」


「列、すごく長いけど!」


どうやら特定の商品を買う人の列らしく、店内には普通に入れた。


「ふむ、ふむ……こっちの方が、もっと女の子らしい匂いがする……!」


ソラが匂いを評価していた。


「ソラくん、ちゃんとして!」


ユウには、かわいくて繊細な物を見つけるレーダーがあるらしかった。


黄色い花柄のワンピースを見つけた。


「皆、これ見て!」


「すごいな、ユウくん。女の子が好きそうな、かわいい物を見つけるの、上手だね!」


ユウは誇らしくなった。


「当然。あの子たちを理解するために、かなり勉強したから」


「女の子は、それくらい真剣に研究する価値がある!」


何もしていないソラまで、誇らしげに言った。


「妹たちの話だけど」


ユウは、今でも自分を苦しめる何かを思い出したようだった。


「あいつらのことを理解できなかったり、反対したりすると……」


劇的な間。


「俺が終わる」


「うん。それは疑ってない」


「誰かさんが、塀を越えようとしただけで、武器を持ち出すのを見たからね」


タケルは、明らかにソラへ言っていた。


ソラは目をそらした。


タケルの怒りに反論できる材料は、何もなかった。


「よし! このワンピースはどう?」


ユウが提案した。


「ふむ……ふむ……ふむ……」


専門家のソラが、分析していた。


「いいと思う。メイちゃん、こういうのは何着も持ってるし、もう一着くらいなら――」


「別に変わらない?」


レンがタケルの言葉を引き取った。


「もう持ってるなら、何でまた同じようなのを買うの?」


「でも、何着も持ってるのは、好きだからだろ?」


ケンタが言った。


「それもそうだけど、女の子は同じような物を嫌がるっていうし」


ユウが言った。


「ああ、もう、女の子って面倒くさい!」


ソラが突然叫んだ。


「ソラ、黙って!」


「分かった。じゃあ、メイちゃんの好みらしい、そのかわいいピンクと黄色のワンピースは買わないんだね」


黄色い生地に、ピンクの花が咲いていた。


ちなみに、皮肉ではなかった。


「そう! 別の物を買おう!」


こうして、五人の任務は、かわいいワンピース一枚では終わらなかった。


まだまだ、先へ続くのだ。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます!!

(*´꒳`*)


皆さまが読みに来てくださること、そして応援してくださることが、本当に嬉しいです!


よかったら、絵文字で今回の感想を教えてくださいね!

★で応援していただけたら、さらに大喜びします!!

ヽ(>∀<☆)ノ


いつも温かい応援を、本当にありがとうございます!

次のお話でも、もっと楽しんでいただけますように!


それでは、また次回お会いしましょう~!!

(。・ω・。)ノ♡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。