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ようこそ、ハルミのカオスな日常へ!  作者: あじせ
家庭内混乱マニュアル:初心者版!
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109/113

第109話 すべて順調。ゼリー以外は。

【緊急速報】完璧な誕生日計画、開始5分で崩壊の危機!?

― 大沢ハルミ、人生初のゼリー作りで予想外の大混乱!! ―


日曜日の朝、大沢家。


招待客の到着時間も、サプライズの段取りも完璧!

あとは料理と飾りつけを終わらせるだけ――


のはずが。


キッチンから響く悲鳴!

次々と起こる謎のトラブル!

そして、なぜか消える「青」!?


果たして三人は、無事に準備を終えられるのか!?


芽衣の誕生日まで、残された時間はあとわずか!


なお、パーティーはまだ始まってすらいない!!


ハルミの家が、大混乱になっていることを除けば。


穏やかな一日だった。


ようやく、晴れそうだった。


誰も、溶けずに済むくらいの陽気で。



ただし。


さっきも言った通り。



ハルミの家は、別だった。



「ぎゃああああ!!」



ハルミが、時計を見た。


「どういうこと!?もう朝の九時三分!?」



サイコとイズミが、驚いてハルミを見た。


どうやら。


『サプライズパーティー直前発作』


のようなものを起こしていた。



「あああ、ご飯の準備!!」



走り出した。


台所へ、消えた。



「……うわ」


イズミは、すでに身構えていた。


これから来る、竜巻に。



扉。


戸棚。


引き出し。



どんっ。


ぱんっ。


がちゃっ。



二秒後。



戻ってきた。



変身して。



まとめた髪。


バンダナ。


エプロン。



料理人の、立ち姿。



「……別人になった」


イズミが、その場で言った。


「台所の忍者になったね」


サイコが、続けた。



ハルミが、手の中でスプーンを回した。


「よし!始めるよ!!」



沈黙。



「……怖い」


イズミが言った。


「私も」


サイコが認めた。


「聞こえてるんだけど」


「聞こえるように言ったんだよ」



ハルミは、もう台所で袖をまくっていた。


人生で最高のゼリーを作るために。



そして。



人生で、初めての。



鍋をかき混ぜる。


袋を開ける。


物を落とす。



その間、サイコは恐ろしい風船たちを任された。


イズミは、メイへの小さなサプライズを担当することになった。



風船とゼリーより。


ずっと、手のかかるものだった。



「月城さん、箱を取ってくるので、車の鍵を貸してください!」


イズミが、玄関から手を振った。


「いいよ!!」


サイコが、ポケットから鍵を出す。


「はい!」



ハルミは、聞き逃さなかった。


驚いて、振り向く。


「は、箱って……どういうこと??」


「ちょっとした……」


サイコが、変な顔をした。


何かをやらかした人の、あの顔。


「サプライズ!」


「……分かった」



『絶対、危険なやつ……』



ハルミは、十代の頃を思い出し始めた。


サイコの『ちょっとしたサプライズ』は。


何一つ、普通ではなかった。



『まあ、大事なのは気持ち……だよね!?』



イズミが、箱を抱えて戻ってきた。


ものすごく、カラフルだった。


何のサプライズなのか、箱だけで分かった。



「サイコちゃん、それって、もしかして!?」



サイコとイズミが、小さく笑った。


「そう!!見て、これ買ったの!」



大きな箱だった。


中には。


『ピポとゼリーのほし』の仲間たちの、小さなロボット。



キャラクターに、そっくりだった。



しかも。



歩く。


話す。



沈黙。



情報も。


興奮も。



ハルミ一人の心臓には、多すぎた。



「うそおお!?すっごい!!サイコ、最高!!」


「へへ、いいでしょ!?」



「月城さん、電池も買いましたよね……?」


イズミが、箱を縁側へ運びながら聞いた。


「買った!」


サイコが、頭をかいた。


「というか、家にあったのを何本か持ってきた……!」


「……」


「イツキくんは、使えるって言ってた!何かあったら、あの人のせいだから!」



遠く離れた場所で。


イツキの耳が、むずむずした。


だんだん、赤くなっていた。



『誰か、俺の噂してる!?』



イズミは、縁側へ向かった。


この家の誰も、好きではないことをするために。


あるいは。


できないことを。



説明書を読む。


ロボットの初期設定をする。


電池を入れる。



一方、ハルミは。


ゼリーに、ものすごく集中していた。



サイコが流した音楽は、少し怖かった。


軍事訓練のBGMみたいだった。



テレビでは、まだニュースがついていた。


アナウンサーが、天気を伝えていた。



その横で。



「鍋のふた、どこ!?」


「どうして床にゼリーがあるの!?」


「誰、私のスプーン動かしたの!?」


「自分で動かしたでしょ」


「あっ」



サイコは、まだ一袋目の風船と格闘していた。


肺の空気が、もう残っていなかった。



風船を膨らませながら。


サプライズパーティーにとって、とても大事なことを聞くことにした。



「ハルミちゃん」


「何!」


「みんな、何時に来るの?」



ハルミが、止まった。



ここが。


輝く時だった。



ゆっくり、振り向く。


エプロンを、整える。


咳払い。



仕事のできる人の、姿勢。



「こういう予定にしました」



敬意を払った、沈黙。



「招待客は、十一時から十一時半の間」



縁側のイズミが、手を止めた。


顔を、上げる。



「アイコちゃんとヒナちゃんは、メイちゃんと一緒に十二時」



沈黙。



想像上の、劇的な風。



「……」


「……筋が通ってる」


イズミが言った。


「……すっごく、筋が通ってる」


サイコが続けた。



ハルミが、笑った。


「私、人事の仕事してるんだから」


「だよね」


「会議の時間くらい、決められるから」


「最低限だね」


「私の段取りを尊重して」



その後も、三人は頑張って働いた。


一生懸命に。



五分間だけ。



「あああ、沸騰しすぎてる!!」



鍋が、ぐつぐつ。


ゼリーが、あふれる。


色も、怪しかった。



ハルミが、かき混ぜようとした。


粉を、こぼした。


「ダメ、ダメ、ダメ――」


「青い粉、どこ!?」



沈黙。



「……青、なくした」


「色って、どうやってなくすの!?」


「分からない!!」



冷蔵庫を、開けた。


止まった。



「……入らない」



沈黙。



「……何も、入らない」



サイコが、後ろへ来た。


「……いくつ作ったの?」


「……分からない」



イズミも、来た。


「……どうして容器が五十個あるの?」


「みんなに、いっぱい食べてもらうため!!」



沈黙。



「……どうする?」


サイコが聞いた。



ハルミが、考えた。


玄関を、見た。


二人を、見た。



「……私たちの救世主のところへ行こう!」



場面は、飛んで。



サクラおばあちゃんの家の前。



こんこんこん。



「サクラさーーーーん!!」



ドアが、開いた。



サクラが、顔を出した。


穏やかに。


優しく。



三人の、疲れ果てた女性を見た。



日曜日。


朝、九時二十分。



手には、容器。


大量の、容器。



「……おはよう、みんな!」


「助けてください」



五分後。



ゼリーは、整然と並んでいた。


冷蔵庫は、いっぱいだった。



平和。



「本当にありがとうございます、サクラさん!!」


ハルミが、お辞儀をした。


「可愛いメイちゃんのサプライズパーティーのお手伝いなら、喜んで。また、いつでもいらっしゃい」


サクラは、落ち着いて答えた。



ドアが、閉まった。



沈黙。



「……また来るね、私たち」


イズミが言った。


「絶対、来る」


サイコが、息を切らしながら認めた。

ここまで読んでくださってありがとうございます!♡


少しでも楽しんでいただけたら、下の☆から評価していただけると嬉しいです!

ブックマークも、続きを書く励みになります~!


(´▽`)


キャラクターデザインやイラストは、Pixivにも投稿しています!

よかったら、ぜひのぞいてみてくださいね♡


Pixiv:

https://www.pixiv.net/en/users/121622272


それでは、また次のお話で!♡

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