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ようこそ、ハルミのカオスな日常へ!  作者: あじせ
家庭内混乱マニュアル:初心者版!
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102/107

第102話 午後4時56分、バケツ一杯、鯉三匹、尊厳ゼロ

【悲報】鯉を三匹買っただけなのに、なぜか池の管理者になりました。


――買った。運んだ。資格まで取った。あとは池を作るだけ。なお、二人とも「生態系」の意味は知りません。――

リビング。

 

 

静か。

 

 

扇風機。

 

 

稼働中。

 

 

ぶぅぅぅぅぅぅん。

 

 

ハルミ。

 

 

ソファ。

 

 

ごろん。

 

 

寝転がっている。

 

 

片手。

 

 

巨大な。

 

 

スイカ。

 

 

一切れ。

 

 

目。

 

 

半分。

 

 

閉じている。

 

 

完全。

 

 

休息モード。

 

 

「……あぁ。」

 

 

「なんて。」

 

 

「平和な一日……」

 

 

満足。

 

 

その時。

 

 

コンコン。

 

 

「……」

 

 

動かない。

 

 

コンコンコン。

 

 

「はーい……」

 

 

ハルミ。

 

 

ゆっくり。

 

 

起きる。

 

 

足。

 

 

ずるずる。

 

 

玄関まで。

 

 

移動。

 

 

がちゃっ。

 

 

開ける。

 

 

「……」

 

 

沈黙。

 

 

ぱちっ。

 

 

瞬き。

 

 

玄関。

 

 

そこには。

 

 

サイコ。

 

 

髪。

 

 

ぼさぼさ。

 

 

ソラ。

 

 

汗だく。

 

 

シャツ。

 

 

ぺったり。

 

 

そして。

 

 

タケル。

 

 

顔。

 

 

真っ赤。

 

 

疲労。

 

 

限界。

 

 

さらに。

 

 

もう片方の腕まで。

 

 

折れそうになりながら。

 

 

持っていた。

 

 

十二リットル。

 

 

バケツ。

 

 

その中。

 

 

巨大な。

 

 

鯉。

 

 

三匹。

 

 

「……」

 

 

そして。

 

 

三人の後ろ。

 

 

袋。

 

 

箱。

 

 

ホース。

 

 

網。

 

 

パック。

 

 

その他。

 

 

名前すら。

 

 

よく分からない。

 

 

何か。

 

 

何か。

 

 

何か。

 

 

山。

 

 

いや。

 

 

壁。

 

 

荷物の。

 

 

壁。

 

 

ハルミ。

 

 

停止。

 

 

「……タケルくん。」

 

 

「だ、大丈夫ぅぅ……?」

 

 

「ソラくんも……」

 

 

「っていうか……」

 

 

もう一度。

 

 

見る。

 

 

バケツ。

 

 

見る。

 

 

箱。

 

 

見る。

 

 

二人の。

 

 

罪人みたいな顔。

 

 

見る。

 

 

すぅぅぅぅ。

 

 

深呼吸。

 

 

「何これぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」

 

 

ソラ。

 

 

ひゅ~。

 

 

口笛。

 

 

タケル。

 

 

天井。

 

 

見る。

 

 

サイコ。

 

 

すっ。

 

 

手。

 

 

上げる。

 

 

「私が説明する。」

 

 

ソラ。

 

 

即。

 

 

「説明しないで!!」

 

 

小声。

 

 

必死。

 

 

サイコ。

 

 

無視。

 

 

「この二人。」

 

 

「池のために。」

 

 

「ほぼ。」

 

 

「店ごと。」

 

 

「買ってきた。」

 

 

「それから。」

 

 

「大沢くん。」

 

 

「池の管理講習。」

 

 

「修了証。」

 

 

「もらった。」

 

 

「あと。」

 

 

「十二リットルのバケツに。」

 

 

「鯉三匹。」

 

 

「持って帰ってきた。」

 

 

一拍。

 

 

「土曜日。」

 

 

「午後四時五十六分に。」

 

 

「……」

 

 

沈黙。

 

 

ハルミ。

 

 

口。

 

 

開いている。

 

 

ソラ。

 

 

すでに。

 

 

タケルの後ろ。

 

 

避難済み。

 

 

タケル。

 

 

バケツ。

 

 

必死に。

 

 

支えながら。

 

 

足。

 

 

そろぉぉぉ。

 

 

箱。

 

 

後ろへ。

 

 

隠そうとする。

 

 

無理。

 

 

ものすごく。

 

 

無理。

 

 

「……へへ。」

 

 

「まあ……」

 

 

「そういう日も……」

 

 

ハルミ。

 

 

ぱちっ。

 

 

一回。

 

 

ぱちっ。

 

 

二回。

 

 

「……」

 

 

停止。

 

 

完全に。

 

 

電源。

 

 

落ちた。

 

 

サイコ。

 

 

「ハルミちゃん?」

 

 

「……」

 

 

反応。

 

 

なし。

 

 

「ハルミちゃーん?」

 

 

「……」

 

 

サイコ。

 

 

肩。

 

 

つん。

 

 

再起動。

 

 

完了。

 

 

「危ないでしょぉぉぉぉぉ!!」

 

 

爆発。

 

 

「何なのこれぇぇぇぇ!?」

 

 

「いくらしたの!?」

 

 

「どのカードで払った!?」

 

 

「デビット!?」

 

 

「魚は!?」

 

 

「なんでこんな遅くなったのぉぉぉぉ!?」

 

 

小規模。

 

 

パニック。

 

 

発生。

 

 

タケル。

 

 

慌てる。

 

 

「だ、大丈夫です!」

 

 

「ちゃんと。」

 

 

「全部。」

 

 

「大丈夫……」

 

 

ソラを見る。

 

 

「だよね。」

 

 

「ソラくん……?」

 

 

ソラ。

 

 

瞬き。

 

 

ゼロ。

 

 

「も、もちろん……!」

 

 

「あはは……」

 

 

一歩。

 

 

前へ。

 

 

姿勢。

 

 

ぴしっ。

 

 

自信。

 

 

だけは。

 

 

ある。

 

 

「おばさん。」

 

 

「俺たちが。」

 

 

「店員さんに。」

 

 

『これ必要ですよ』

 

 

「って言われただけで。」

 

 

「こんなに。」

 

 

「買うと思う?」

 

 

間。

 

 

ものすごく。

 

 

嫌な。

 

 

間。

 

 

ソラ。

 

 

「……それか。」

 

 

「俺たち。」

 

 

「何も分からなかったから。」

 

 

「全部。」

 

 

「店員さんを信じたとか……」

 

 

ハルミ。

 

 

目。

 

 

見開く。

 

 

ソラ。

 

 

即。

 

 

「いや。」

 

 

「大丈夫。」

 

 

「全然。」

 

 

「問題ない。」

 

 

そして。

 

 

タケルを見る。

 

 

顔。

 

 

完全に。

 

 

『俺に合わせて。』

 

 

『頷くだけでいい。』

 

 

タケル。

 

 

こくっ。

 

 

頷く。

 

 

もう一回。

 

 

こくっ。

 

 

「……うん。」

 

 

共犯。

 

 

成立。

 

 

ソラ。

 

 

「じゃあ!」

 

 

「おばさん!」

 

 

「失礼します!」

 

 

「俺たち。」

 

 

「外で。」

 

 

「全部。」

 

 

「準備してきます!」

 

 

「あははは……!」

 

 

退却。

 

 

二人。

 

 

外へ。

 

 

笑顔。

 

 

ただし。

 

 

完全に。

 

 

引きつっている。

 

 

バケツ。

 

 

運ぶ。

 

 

鯉。

 

 

ぱしゃっ。

 

 

ぱしゃっ。

 

 

そして。

 

 

リビング。

 

 

沈黙。

 

 

サイコ。

 

 

腕。

 

 

組む。

 

 

「で。」

 

 

「ケーキ。」

 

 

「うまくいった?」

 

 

ハルミ。

 

 

まだ。

 

 

魂。

 

 

半分。

 

 

外。

 

 

「ケーキは……」

 

 

「たぶん。」

 

 

「できた……」

 

 

一拍。

 

 

「できなかったのは……」

 

 

「キッチン……」

 

 

サイコ。

 

 

「……?」

 

 

見る。

 

 

ゆっくり。

 

 

顔。

 

 

キッチンへ。

 

 

「……」

 

 

戦場。

 

 

床。

 

 

小麦粉。

 

 

ボウル。

 

 

山積み。

 

 

壁。

 

 

スプーン。

 

 

なぜか。

 

 

張り付いている。

 

 

天井。

 

 

何か。

 

 

甘そうな。

 

 

何か。

 

 

付いている。

 

 

「……」

 

 

サイコ。

 

 

ぼそっ。

 

 

「やっぱり。」

 

 

「あの。」

 

 

キッチン掃除用の。

 

 

「なんか。」

 

 

「すごそうなやつ。」

 

 

「買っとけばよかったね……」

 

 

ハルミ。

 

 

「……うん。」

 

 

敗北。

 

 

完全に。

 

 

沈黙。

 

 

二人。

 

 

疲労。

 

 

限界。

 

 

気力。

 

 

ゼロ。

 

 

魂。

 

 

ほぼ。

 

 

ゼロ。

 

 

その時。

 

 

突然。

 

 

バケツ。

 

 

水。

 

 

登場。

 

 

「ん?」

 

 

ばしゃあああっ!!

 

 

「きゃあああああ!?」

 

 

ハルミ。

 

 

びしょ濡れ。

 

 

一秒。

 

 

「……」

 

 

もう一個。

 

 

バケツ。

 

 

掴む。

 

 

ばしゃあああっ!!

 

 

「きゃあああああ!!」

 

 

サイコも。

 

 

びしょ濡れ。

 

 

二人。

 

 

「……」

 

 

すぅぅぅぅ。

 

 

深呼吸。

 

 

見る。

 

 

お互い。

 

 

拳。

 

 

ぐっ。

 

 

「よぉぉぉぉぉぉちゃ!!」

 

 

ポーズ。

 

 

完全に。

 

 

ヒーロー。

 

 

エネルギー。

 

 

二百パーセント。

 

 

回復。

 

 

「オペレーション!」

 

 

「キッチン!!」

 

 

「徹底清掃ぉぉぉぉぉ!!」

 

 

「よぉぉぉし!!」

 

 

二人。

 

 

走る。

 

 

全力。

 

 

キッチンへ。

 

 

     ◇ ◇ ◇

 

 

その頃。

 

 

庭。

 

 

ソラ。

 

 

タケル。

 

 

しゃがんでいる。

 

 

二人の前。

 

 

植木鉢。

 

 

その上。

 

 

スマホ。

 

 

動画。

 

 

再生中。

 

 

『完璧な池の作り方――完全解説【43:12】』

 

 

動画の男。

 

 

ものすごく。

 

 

穏やか。

 

 

『まずは。』

 

 

『池の生態系のバランスを。』

 

 

『確認しましょう。』

 

 

「……」

 

 

ソラ。

 

 

「生態系って何?」

 

 

タケル。

 

 

「知らない。」

 

 

鯉。

 

 

ぱしゃっ。

 

 

ソラ。

 

 

鯉を見る。

 

 

「……こいつら。」

 

 

「俺のこと。」

 

 

「見てない?」

 

 

タケル。

 

 

鯉を見る。

 

 

「たぶん。」

 

 

「俺たちを。」

 

 

「責めてる。」

 

 

「……」

 

 

ソラ。

 

 

動画。

 

 

見る。

 

 

「pH。」

 

 

「測れって。」

 

 

タケル。

 

 

「pH測るやつ。」

 

 

「ある?」

 

 

「……」

 

 

二人。

 

 

荷物。

 

 

見る。

 

 

「ない。」

 

 

動画。

 

 

続く。

 

 

ソラ。

 

 

「魚を。」

 

 

「水に慣らせって。」

 

 

タケル。

 

 

「どうやって。」

 

 

「魚を。」

 

 

「水に慣らすの?」

 

 

「知らない。」

 

 

「……」

 

 

沈黙。

 

 

ソラ。

 

 

ため息。

 

 

「タケル。」

 

 

「何。」

 

 

「もし。」

 

 

「失敗したら。」

 

 

「……」

 

 

ソラ。

 

 

真顔。

 

 

「先生の。」

 

 

「計画だったことにしよう。」

 

 

タケル。

 

 

考える。

 

 

一秒。

 

 

「……それでいこう。」

 

 

共犯。

 

 

二回目。

 

 

その時。

 

 

家の中。

 

 

遠くから。

 

 

「よぉぉぉぉぉちゃ!!」

 

 

「その壁ぇぇぇ!!」

 

 

「拭いてぇぇぇぇ!!」

 

 

「拭いてるぅぅぅぅぅ!!」

 

 

「……」

 

 

ソラ。

 

 

家を見る。

 

 

タケルを見る。

 

 

「お前の家族。」

 

 

「元気だね。」

 

 

タケル。

 

 

「……」

 

 

「まだ。」

 

 

「何も。」

 

 

「見てないよ。」

 

 

鯉。

 

 

ぱしゃっ。

 

 

ぱしゃっ。

 

 

スマホ。

 

 

動画。

 

 

残り。

 

 

三十八分七秒。






読んでいただき、本当にありがとうございます~!!♡♡


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