表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ECLIPSE CHRONICLE ー エクリプス・クロニクル ー  作者: 神宮せいや
ECLIPSE CHRONICLE

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
69/85

「終焉へ抗う者」

観測者領域は崩れ始めていた。


白い空間に無数の亀裂が走る。


星喰いの侵食。


最初の世界を滅ぼした災厄が。


ついに記録そのものを喰らおうとしていた。


だが。


シオンは立ち止まらない。


白き記録者の後を追い続ける。


知るために。


終わらせるために。


そして。


自分自身の真実を。


二人は神殿最深部へ辿り着く。


そこには一枚の巨大な鏡があった。


いや。


鏡ではない。


記録結晶だった。


観測者領域最大の記録媒体。


世界そのものを映す禁忌の結晶。


男は静かに手を置く。


「見る覚悟はあるか」


シオンは迷わない。


「ここまで来たんだ」


男は小さく笑った。


どこか安心したように。


そして。


結晶が輝く。


世界が変わる。


映し出されたのは。


滅びゆく世界だった。


何度も見た光景。


燃える空。


崩壊する大地。


泣き叫ぶ人々。


だが。


今までと違う。


そこにいた。


黒い翼を広げた少年。


黒星王。


シオン自身だった。


シオンの瞳が揺れる。


映像の中の自分は傷だらけだった。


それでも立っている。


世界の終わりへ向かって。


そして。


その隣には。


ノクスがいた。


今と同じ顔。


今と同じ瞳。


今と同じ不器用な笑顔。


二人は並んでいた。


何度も。


何度も。


何度も。


違う世界。


違う歴史。


違う運命。


それでも。


必ず二人は並んでいた。


共に戦い。


共に傷付き。


共に終焉へ立ち向かっていた。


「ノクス……」


シオンが呟く。


男は頷いた。


「気付いただろう」


映像が変わる。


百回目の世界。


二百回目の世界。


五百回目の世界。


千回目の世界。


どの世界でも。


ノクスはシオンの隣にいた。


敵として。


仲間として。


ライバルとして。


親友として。


立場は違う。


だが。


最後には必ず並んでいた。


シオンは息を呑む。


男は静かに言った。


「お前達は偶然じゃない」


世界が揺れる。


記録がさらに深くなる。


そして。


映し出される。


最初の世界。


星喰いが生まれる前。


まだ平和だった時代。


そこに二人の少年がいた。


シオンとノクス。


いや。


正確には違う。


彼らの原型。


最初の魂。


最初の存在。


世界が生まれた時から存在していた二つの魂。


一つは希望。


一つは抗う意志。


男の声が響く。


「世界が何度再構築されても」


「魂だけは消えなかった」


シオンの心臓が強く脈打つ。


ドクン。


黒星晶が共鳴する。


男は続ける。


「だからお前は選ばれた」


映像が変わる。


無数の世界。


無数の終焉。


その全てで。


シオンだけが立ち上がっている。


誰も覚えていなくても。


誰も知らなくても。


何度失敗しても。


何度死んでも。


それでも立ち上がる。


なぜか。


その答えがそこにあった。


「お前は観測者に最も近い存在だからだ」


世界が止まる。


シオンは言葉を失う。


男は静かに見つめる。


「俺の後継者」


その言葉に。


全てが繋がった。


黒星晶。


観測者領域。


記録。


終焉。


再構築。


そして。


自分自身。


男は微笑む。


悲しそうに。


どこか誇らしげに。


「何千回も見てきた」


「何千回も失敗した」


「それでも」


蒼い瞳が真っ直ぐ向く。


「お前だけは諦めなかった」


その時だった。


轟音。


観測者領域が大きく揺れる。


星喰いの侵食が加速する。


白い空が黒く染まる。


男の表情が変わる。


「来るぞ」


シオンも振り返る。


遠く。


闇の向こう。


巨大な影が見えた。


星喰い。


終焉そのもの。


ついに観測者領域の中心へ到達しようとしている。


だが。


シオンの瞳はもう迷っていなかった。


知ってしまったからだ。


自分が何者なのか。


何のために戦ってきたのか。


そして。


何を守るべきなのか。


男は最後に言う。


「次で終わりだ」


静かな声。


だが重かった。


「終焉神ゼノア」


「星喰い」


「世界再構築」


「月の継承者」


その全てが一つへ収束する。


そして。


世界を救う方法も。


その代償も。


ついに明かされる。


運命の時は近い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ