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ECLIPSE CHRONICLE ー エクリプス・クロニクル ー  作者: 神宮せいや
ECLIPSE CHRONICLE

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57/112

「七星将最後の戦い」

終末の戦争が始まった。


空では星喰いが世界を侵食している。


地上では世界再構築術式が発動している。


もはや後戻りはできない。


この戦いで全てが決まる。


アストレアから天空神殿エデンへ続く巨大な転送回廊。


そこでは激しい戦闘が繰り広げられていた。


轟音。


爆炎。


剣戟。


無数の光が交差する。


アリアは疾走していた。


黒い外套を翻しながら。


影そのもののような速度で。


その前へ一人の男が降り立つ。


空間が歪む。


紫色の魔法陣。


現れたのはリヴェルだった。


七星将。


空間将。


教団最悪の策士。


彼は笑っていた。


まるで全てを楽しむように。


「久しぶりだね」


アリアの表情が険しくなる。


「相変わらず気持ち悪い笑い方ね」


リヴェルは肩を竦めた。


「酷いな」


「事実よ」


空気が張り詰める。


かつて何度も交差した因縁。


幾度も戦い。


幾度も逃げられた相手。


その決着の時だった。


「終わらせる」


アリアが呟く。


双剣が輝く。


次の瞬間。


二人の姿が消えた。


爆音。


衝撃波。


空間そのものが切り裂かれる。


影と空間。


二つの能力が激突する。


リヴェルが笑う。


「それでこそだ」


アリアの瞳に迷いはない。


今までとは違う。


もう負けない。


仲間がいる。


守りたい未来がある。


その想いが彼女を強くしていた。


その頃。


別の回廊では炎が荒れ狂っていた。


ガルドが大剣を振るう。


炎牙。


その名に相応しい業火。


目の前にはゼルヴァスが立っていた。


重力将。


教団最高司祭直属の怪物。


漆黒の法衣。


黄金の紋章。


圧倒的な重圧。


周囲の床が沈んでいる。


重力そのものを支配する力。


「久しぶりだな」


ゼルヴァスが言う。


ガルドは笑った。


「そうか?」


大剣を肩へ担ぐ。


「俺はお前の顔なんて見たくもなかったぜ」


重力が落ちる。


轟音。


空間が潰れる。


普通の人間なら即死。


だが。


ガルドは前へ出る。


炎が爆発する。


重力と炎。


二つの力が正面から激突した。


ゼルヴァスが目を細める。


「愚かだ」


「知ってる」


ガルドは笑う。


「でもな」


炎がさらに燃え上がる。


「馬鹿だからここまで来れたんだよ」


咆哮。


炎柱が天井を貫いた。


別の区域。


氷と炎がぶつかっていた。


セラフィナ。


レオナ・ヴァーミリオン。


かつて同じ教団にいた二人。


氷晶と紅蓮。


真逆の力。


真逆の生き方。


「戻ってきなさい」


レオナが言う。


「まだ間に合う」


セラフィナは首を振った。


蒼い瞳は真っ直ぐだった。


「もう戻らない」


短い言葉。


だが。


その中に全てが込められていた。


「私は私として生きる」


氷晶が舞う。


氷の花が咲く。


レオナの炎と激突する。


世界が白く染まった。


その上空。


エリナが弓を構える。


翠色の瞳。


小柄な少女。


だが。


誰よりも鋭い。


矢が放たれる。


一筋の光。


数百メートル先の教団兵を貫く。


さらに次。


さらに次。


矢が雨のように降り注ぐ。


「道を開けるよ!」


元気な声。


だが。


その表情は真剣だった。


仲間達の背中を守る。


それが今の役目だった。


神殿内部は戦場と化していた。


誰も退かない。


誰も諦めない。


なぜなら。


その先にシオンがいるから。


ルナリアがいるから。


守りたい未来があるから。


その時だった。


天空神殿全体が大きく揺れる。


ゴォォォォォォォォォ――――!!


世界核が脈動した。


黄金の光。


黒い光。


二つの力が神殿全域を包み込む。


研究員達が叫ぶ。


「世界再構築術式が加速している!」


「限界突破!」


「ゼノアが世界核と融合を開始!」


全員の表情が変わる。


時間がない。


終焉神が誕生しようとしている。


アリアが剣を握る。


ガルドが炎を纏う。


セラフィナが槍を構える。


エリナが最後の矢を番える。


そして。


全員が同じ方向を見る。


天空神殿最深部。


そこにいるシオンへ続く道を。


絶対に繋ぐために。


戦いはさらに激しさを増していく。


そして運命は。


終焉神誕生の瞬間へ向かって動き始めていた。

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