↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ECLIPSE CHRONICLE ー エクリプス・クロニクル ー  作者: 神宮せいや
ECLIPSE CHRONICLE:REBIRTH

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
209/305

蒼き約束

黄金の瞳が開いた。


その瞬間だった。


ゴォォォォォォォォォォォォォン――――!!


世界海全体が激しく震える。


無数の世界が揺れる。


銀色の波が荒れ狂う。


観測者であるシオンでさえ、一瞬だけ視界が歪んだ。


それほどの存在だった。


始祖。


全世界の起源。


創造主ですら生み出された側の存在。


その片鱗が目を覚ましただけで、世界群そのものが悲鳴を上げていた。


案内者が膝をつく。


黄金の瞳には恐怖が宿っていた。


「始祖の視線です……」


震える声。


「こちらを認識しました」


ノアの光が脈動する。


『覚醒率三十パーセント』


『危険領域到達』


『世界群防衛機構起動準備』


静寂。


シオンは黄金の瞳を見つめる。


不思議だった。


恐怖はある。


だが。


逃げたいとは思わなかった。


むしろ知りたいと思った。


なぜ始祖は眠っていたのか。


なぜ今目覚めようとしているのか。


そして。


なぜ自分が呼ばれたのか。


その時だった。


第五百世界が視界へ映し出される。


王都セレスティア。


平和な街並み。


復興された広場。


子供達の笑顔。


守り抜いた未来。


その景色を見た瞬間。


シオンの胸に暖かな感情が広がった。


世界海の果てにいても。


観測者になっても。


変わらないものがある。


大切なものがある。


その時。


ルナリアが再び夜空を見上げた。


月明かりの下。


静かな丘の上。


彼女は蒼い星晶を握り締めていた。


そして。


小さく微笑む。


「ちゃんと見てる?」


シオンは思わず笑う。


見ている。


ずっと見ている。


観測者になった今なら。


どこにいても見える。


その姿も。


その想いも。


ルナリアは続けた。


「私ね」


少しだけ照れ臭そうに笑う。


「待つのは得意じゃないんだ」


夜風が吹く。


銀色の髪が揺れる。


「でも」


その瞳は真っ直ぐだった。


「今回は待つ」


静かな声。


強い声。


「何年でも」


「何十年でも」


「何百年でも」


シオンの胸が締め付けられる。


ルナリアは笑った。


涙を浮かべながら。


それでも前を向いて。


「だから」


月光が降り注ぐ。


まるで祝福するように。


「帰ってきて」


その言葉は。


世界の壁を超えた。


時間を超えた。


観測者の領域へ届いた。


シオンは静かに目を閉じる。


そして。


小さく呟く。


「約束する」


誰にも聞こえない声。


だが。


確かに届いた。


ルナリアがふと空を見上げる。


蒼い流星が夜空を横切った。


彼女は微笑む。


理由は分からない。


でも。


今のは返事だった気がした。


その時だった。


世界海の彼方。


始祖の黄金の瞳が大きく開く。


ゴォォォォォォォォォォォォォォン――――!!


無数の世界が震える。


ノアの光が激しく脈動する。


『覚醒率四十パーセント到達』


『予測修正』


『残り猶予時間減少』


案内者が顔を上げる。


その表情には焦りがあった。


「間に合わない……」


シオンは振り返る。


黄金の瞳。


世界群の起源。


全ての始まり。


そして。


その奥に見えた。


巨大な扉。


世界海よりも古い扉。


創造主誕生以前から存在する扉。


その表面には一つの文字が刻まれていた。


――GENESIS。


物語の本当の始まり。


その名が。


初めてシオンの前へ姿を現した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。