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ECLIPSE CHRONICLE ー エクリプス・クロニクル ー  作者: 神宮せいや
ECLIPSE CHRONICLE:REBIRTH

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世界核融合

世界核は脈動していた。


ドクン――


ドクン――


ドクン――


巨大な鼓動。


それはもはや世界の鼓動ではなかった。


シオンの鼓動だった。


世界核とシオン。


二つの存在は少しずつ境界を失い始めていた。


純白の光が身体を包む。


足元から粒子化が進んでいく。


指先。


腕。


胸。


存在そのものが光へ変わっていく。


ルナリアは震えていた。


目の前で起きている現実を受け入れられない。


ようやく辿り着いた。


ようやく終わった。


ようやく帰ってきた。


それなのに。


また失う。


また手の届かない場所へ行ってしまう。


そんなの認められるはずがなかった。


「嫌だ……」


小さな声。


シオンは振り返る。


ルナリアの瞳は涙で滲んでいた。


「嫌だよ……」


震える声。


「やっと会えたのに……」


その言葉に。


シオンの胸が痛んだ。


劇場版の別れ。


世界再構築。


忘れられた存在。


長い時間。


ようやく再会できたのだ。


本当なら。


これからだった。


一緒に笑って。


一緒に歩いて。


普通の日々を過ごすはずだった。


なのに。


運命はまた二人を引き離そうとしている。


シオンは少しだけ困ったように笑った。


「ごめん」


その一言が。


余計にルナリアを苦しめた。


「謝らないで!」


思わず叫ぶ。


世界核が震える。


感情が溢れる。


「なんでいつもそうなの!?」


涙が止まらない。


「なんで一人で全部背負うの!?」


静寂。


誰も口を挟まない。


創造主も。


終焉も。


クロノも。


ただ見守っていた。


ルナリアの想いを。


シオンは黙って聞いていた。


そして。


静かに首を横に振る。


「一人じゃない」


小さな声。


だが確かな声。


「今回は違う」


蒼い瞳が仲間達を見る。


クロノ。


アーカイヴ。


創造主。


終焉。


そして。


ルナリア。


「みんながいたからここまで来れた」


世界核が輝く。


五百回の歴史。


五百回の希望。


その全てが共鳴する。


「だから」


シオンは微笑む。


「俺は後悔してない」


ルナリアは俯く。


その言葉が優しいからこそ辛い。


納得なんてできない。


理解なんてしたくない。


好きな人が消えるのに。


受け入れられるはずがない。


その時だった。


創造主が前へ出る。


銀色の髪が揺れる。


その表情はどこか悲しげだった。


「まだ終わっていない」


全員が顔を上げる。


創造主は世界核を見る。


巨大な結晶。


新たな観測者を求める世界の心臓。


「融合は確定している」


ルナリアの表情が曇る。


だが。


創造主は続けた。


「しかし消滅ではない」


静寂。


クロノが目を見開く。


終焉も創造主を見る。


「どういう意味だ」


アーカイヴが問う。


創造主は静かに答えた。


「観測者は死なない」


世界が静まる。


「世界の外側へ移行するだけだ」


その言葉に。


シオンの瞳が揺れる。


ルナリアも顔を上げた。


創造主は続ける。


「存在階層が変わる」


「人ではなくなる」


「世界そのものに近付く」


銀色の瞳が細くなる。


「だが消えるわけではない」


希望だった。


小さな希望。


それでも。


確かな希望だった。


ルナリアは涙を拭う。


震える声で問いかける。


「また会えるの……?」


創造主は答えない。


すぐには。


答えられなかった。


それが。


どれほど難しいことか知っていたから。


だが。


シオンは笑った。


「会えるさ」


即答だった。


根拠なんてない。


でも。


昔からそうだった。


不可能だと言われても。


絶望だと言われても。


最後には辿り着いてきた。


だから。


今回も同じだ。


ルナリアは涙を流しながら笑う。


本当に。


変わらない。


どこまでも。


この人は変わらない。


その瞬間だった。


世界核がさらに強く脈動する。


ドクン――――!!


宇宙が揺れる。


創造主の表情が変わる。


終焉も顔を上げる。


アーカイヴが静かに呟いた。


「始まる」


光が溢れる。


世界核との本格融合。


最後の観測者誕生の儀式がついに始まろうとしていた。

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