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ECLIPSE CHRONICLE ー エクリプス・クロニクル ー  作者: 神宮せいや
ECLIPSE CHRONICLE:REBIRTH

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世界樹最上層

世界終了まで――


残り四日。


世界は静かに死に始めていた。


海が消える。


空が崩れる。


大地が光になる。


人々はまだ知らない。


終焉が目前まで迫っていることを。


だが。


世界そのものは理解していた。


だからこそ。


空は泣いていた。


白い粒子が雪のように降り続けていた。


それは世界の涙だった。


世界樹アルファ。


その最上層へ続く光の道を。


シオン達は進んでいた。


オメガは後方に残った。


最後の管理者として。


世界終了術式の侵食を抑えるために。


彼は最後に笑った。


そして言った。


「行け」


「お前達が最後の希望だ」


その言葉を残して。


光の中へ消えていった。


今。


前へ進む者は六人。


シオン。


ルナリア。


クロノ。


創造主。


終焉。


そして。


管理者の王アーカイヴ。


誰も言葉を発しない。


静かな時間だった。


やがて。


光の道が終わる。


その先に見えた光景に。


ルナリアは息を呑んだ。


「……綺麗」


それしか言葉が出なかった。


世界樹アルファ最上層。


そこは。


宇宙だった。


無数の星々が浮かんでいる。


銀河が流れている。


未来が光となって漂っている。


過去が記録となって瞬いている。


世界の全てがそこにあった。


歴史。


生命。


記憶。


希望。


絶望。


全てが一つになっていた。


まるで。


世界そのものの心臓。


創造主は静かに呟く。


「ここが世界核だ」


空間の中心。


そこには巨大な結晶が存在していた。


惑星ほど巨大な純白の結晶。


脈動している。


生きている。


ドクン――


ドクン――


ドクン――


世界そのものが呼吸していた。


クロノが絶句する。


「これが……」


「世界核……」


創造主は頷く。


その表情はどこか悲しそうだった。


「全ての命の始まり」


「全ての可能性の源」


「全ての世界線を維持する心臓」


銀色の瞳が揺れる。


「そして」


創造主の声が重くなる。


「エンド・リライトの最終目標地点だ」


静寂。


その瞬間だった。


世界核に黒い亀裂が走る。


バキッ――


ルナリアが息を呑む。


終焉が目を細める。


アーカイヴの表情が変わった。


侵食。


既に始まっていた。


世界核の八割以上が黒く染まっている。


世界終了術式は完成目前だった。


創造主が静かに告げる。


「時間がない」


その時。


シオンの黒星晶が激しく脈打つ。


ドクン――


ドクン――


ドクン――


異常な反応だった。


今までで最も強い共鳴。


世界核が呼んでいる。


何かを。


誰かを。


シオンはゆっくり前へ歩き出した。


すると。


巨大な結晶の奥で。


何かが動いた。


ルナリアが目を見開く。


クロノも絶句する。


黒い影。


人型。


そして。


蒼い瞳。


その姿を見た瞬間。


シオンは足を止めた。


なぜなら。


そこにいたのは。


自分だったから。


黒髪。


蒼い瞳。


黒い外套。


エクリプス・ブレイド。


全て同じ。


鏡写しのような存在。


だが。


決定的に違うものがあった。


その瞳には。


絶望しかなかった。


創造主の顔色が変わる。


終焉も驚いていた。


アーカイヴが静かに呟く。


「まさか……」


黒いシオンがゆっくり顔を上げる。


そして。


笑った。


壊れたように。


寂しそうに。


悲しそうに。


「ようやく来たか」


静かな声。


シオン自身の声。


しかし。


どこか違う。


その存在から放たれる気配は。


終焉すら超えていた。


世界核が震える。


宇宙が震える。


未来が震える。


そして。


黒いシオンは静かに告げる。


「俺はネメシス」


蒼い瞳が輝く。


「五百一回目の黒星王だ」


世界が止まった。

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