↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ECLIPSE CHRONICLE ー エクリプス・クロニクル ー  作者: 神宮せいや
ECLIPSE CHRONICLE:REBIRTH

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
183/233

世界樹への扉

光だった。


五百人の黒星王達が承認を告げた瞬間。


オリジン・アーカイヴ全体が眩く輝き始める。


第一世界。


第二世界。


第三世界。


そして第四百九十九世界まで。


五百回の歴史。


五百回の希望。


五百回の願い。


その全てが一つになっていた。


シオンの胸の黒星晶が激しく脈打つ。


ドクン――。


ドクン――。


ドクン――。


今まで感じたことのない力だった。


強さではない。


破壊でもない。


誰かを守りたいという願い。


誰かを救いたいという想い。


五百回積み重ねられた意志そのものだった。


ルナリアは眩しそうに目を細める。


「綺麗……」


思わず漏れた言葉。


それほどまでに美しかった。


五百人の黒星王達は光になり始めていた。


もう役目を終えたのだ。


希望を託し終えたのだ。


第四百九十九世界の黒星王が微笑む。


「やっと終われる」


その表情は穏やかだった。


絶望に飲まれていた頃とは違う。


本当に救われた人間の顔だった。


シオンは黙って見つめる。


言葉が見つからなかった。


代わりに。


静かに頭を下げる。


それだけで十分だった。


黒星王は小さく笑う。


「それでいい」


そして。


光になった。


一人。


また一人。


歴代の黒星王達が消えていく。


だが悲しみはない。


消滅ではない。


継承だった。


託されたのだ。


未来を。


希望を。


願いを。


全て。


最後の黒星王へ。


その時だった。


ゴォォォォォォォォォォン――――!!


再び鐘の音が鳴り響く。


今までより大きい。


今までより重い。


世界終了術式。


エンド・リライト。


その進行がさらに加速していた。


クロノの顔色が変わる。


「まずい!」


空間に時計が浮かぶ。


残り時間を示す巨大な時計。


針が進んでいる。


異常な速度で。


創造主が目を細めた。


「予定より早い」


ルナリアが振り返る。


「どういうこと!?」


創造主は空を見る。


その表情は険しかった。


「世界樹アルファの侵食速度が上がった」


終焉も静かに頷く。


『私の力ではない』


低い声。


『誰かが加速させている』


空気が変わる。


シオンが顔を上げる。


誰か。


終焉以外の存在。


創造主の瞳が細くなる。


そして。


静かに呟いた。


「オメガか」


その名前を聞いた瞬間。


アーカイヴの表情が初めて変わった。


ほんの僅かに。


銀色の瞳が揺れる。


クロノが息を呑む。


「まさか……」


創造主は頷く。


「最後の管理者だ」


静寂。


ルナリアが眉をひそめる。


聞いたことのない名前だった。


だが。


アーカイヴの反応を見るだけで分かる。


危険な存在だと。


創造主は静かに説明する。


「管理者には王がいる」


「アーカイヴ」


銀色の瞳が閉じられる。


「だがもう一人いた」


空間に映像が浮かぶ。


純白の法衣。


銀色の瞳。


アーカイヴによく似た男。


しかし。


その瞳には狂気が宿っていた。


「管理者オメガ」


創造主の声が重くなる。


「世界終了計画を最も支持した存在だ」


ルナリアの背筋に寒気が走る。


映像の男は笑っていた。


人類の滅亡を。


世界の終焉を。


喜ぶように。


「なぜ……?」


ルナリアが呟く。


創造主は答えた。


「疲れたからだ」


静かな声。


「何万年も失敗を見続けた」


「何万年も絶望を見続けた」


「そして結論を出した」


映像のオメガが空を見上げる。


銀色の瞳に光はない。


「世界は救えない」


創造主が続ける。


「だから終わらせるべきだと」


静寂。


誰も言葉を発せない。


理解できてしまうからだ。


五百回。


いや。


その何倍もの失敗。


その果てに希望を失った存在。


それがオメガだった。


その時だった。


オリジン・アーカイヴ中央。


世界樹アルファへ続く光の道が開く。


巨大な階段。


天へ伸びる光。


創造主が振り返る。


「行こう」


シオンを見る。


ルナリアを見る。


クロノを見る。


終焉を見る。


そして。


アーカイヴを見る。


「世界樹アルファで全てが決まる」


その言葉と共に。


光の道がさらに広がる。


世界再生計画。


その本当の戦いが始まる。


世界終了まで残り五日。


そして。


世界樹アルファ最上層では。


最後の管理者オメガが。


静かに彼らを待っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。