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ECLIPSE CHRONICLE ー エクリプス・クロニクル ー  作者: 神宮せいや
ECLIPSE CHRONICLE:REBIRTH

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残された五日

鐘の音が響いていた。


ゴォォォォォォォン――――。


世界そのものが鳴らしている警鐘。


終焉への秒読み。


その音は王都セレスティアだけではない。


世界中へ響いていた。


空に広がる白い亀裂。


崩れ落ちる大地。


消滅していく海。


弱まり続ける風。


誰もが理解していた。


世界の終わりが近い。


エンド・リライト。


管理者が発動した世界終了術式。


発動まで残り五日。


その事実はあまりにも重かった。


オリジン・アーカイヴ。


世界誕生以前の領域。


創造主。


終焉。


五百人の黒星王達。


全ての真実を知ったシオン達は静かに立っていた。


誰もすぐには言葉を発せない。


情報が多すぎた。


真実が大きすぎた。


五百回繰り返された世界。


創造主と終焉。


黒星王計画。


そして。


世界を救う最後の方法。


全てを受け止めるには時間が必要だった。


だが。


その時間すら残されていない。


創造主が静かに前へ出る。


銀色の髪が光に揺れる。


その瞳は穏やかだった。


「まず伝えなければならないことがある」


シオン達が顔を上げる。


創造主は空間へ手を伸ばした。


すると。


光の地図が現れる。


巨大な世界地図。


セレスティア全土。


そして。


その中心に存在する一つの光点。


ルナリアが目を見開く。


「ここは……」


創造主は頷く。


「世界核だ」


静寂。


誰もが息を呑む。


世界核。


世界そのものを維持する中心。


神話でしか語られなかった存在。


創造主は続ける。


「エンド・リライトは世界核を書き換える術式だ」


光の地図が変化する。


世界中へ広がる白い線。


管理者達が張り巡らせた術式。


世界そのものを書き換える巨大法陣。


「あと五日で世界核へ到達する」


創造主の声は静かだった。


だが。


内容は絶望的だった。


到達した瞬間。


世界は終わる。


歴史も。


未来も。


人類も。


全て消える。


クロノが拳を握る。


「止める方法は?」


創造主はシオンを見る。


その瞳には期待があった。


「ある」


短い答え。


だが。


その一言だけで空気が変わる。


ルナリアも顔を上げる。


ゼロ達から受け継いだ希望。


それが無駄ではなかったと証明する言葉だった。


創造主は地図の中心を指差す。


そこに現れたのは。


巨大な光の塔だった。


世界の中心。


空と海の境界。


誰も到達したことのない領域。


「世界樹アルファ」


その名が告げられた瞬間。


クロノの顔色が変わる。


「まさか……実在したのか」


創造主は頷く。


「全ての世界線が収束する場所」


「全ての可能性が始まる場所」


「そして」


銀色の瞳が細くなる。


「世界再生計画の中枢だ」


シオンは静かに聞いていた。


世界再生計画。


タイトルにもなっている言葉。


だが。


まだその全容は分からない。


創造主はゆっくり振り返る。


終焉を見る。


そして。


シオンを見る。


「この世界を救う方法は二つある」


空気が張り詰める。


誰も動かない。


誰も息をしない。


創造主は続ける。


「一つは」


「終焉を消すこと」


終焉が目を閉じる。


それは今まで五百回試された方法だった。


そして。


全て失敗した。


創造主は首を横に振る。


「だが、それでは意味がない」


「世界は再び歪む」


「同じ悲劇を繰り返す」


静寂。


その答えは既に分かっていた。


だからこそ。


五百回目は違う。


創造主は最後に告げる。


「もう一つの方法」


その瞬間。


シオンの黒星晶が輝いた。


ドクン――。


創造主が微笑む。


「世界そのものを再生することだ」


世界が震える。


ルナリアが息を呑む。


クロノが目を見開く。


終焉が顔を上げる。


そして。


創造主は静かに宣言した。


「これより五日間」


「世界再生計画を開始する」


その言葉と共に。


世界の未来を懸けた最後の旅が始まる。


残された時間は五日。


辿り着くべき場所は世界の中心。


世界樹アルファ。


五百回積み重ねられた希望は。


ついに世界そのものを救う戦いへと歩み出した。

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