戦力差と反省点
【更新時間変更のお知らせ】
いつも読んでくださり、本当にありがとうございます。
現在、3作品を並行して執筆しております。
できるだけ安定して更新を続けられるよう、更新時間の変更と執筆時間の確保のため、土日をお休みとさせていただくことにしました。
急な変更となってしまい、大変申し訳ございません。
**『バハムート宇宙を行く』**
月曜日~金曜日 8時更新
**『バハムート宇宙を行く ノアの歩み』**
月曜日~金曜日 12時更新
**『魔王と勇者 ~我、異世界転生した!~』**
月曜日~金曜日 20時更新
土曜日・日曜日はお休みとさせていただきます。
変更したばかりにもかかわらず、再度の変更となり申し訳ございません。
より良い作品をお届けできるよう頑張ってまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
「じゃあ、次は今回の戦闘を振り返っていこうか」
「え~~! 嫌だ! もう解散でいいだろ!」
さっそく文句を言い始めたマイを気にする様子もなく、ギールはそのまま話を続ける。
今回は、テリーもマリーも娘に加担することはなかった。
戦闘が終わったあとの検証が重要だということを、二人もよく理解しているからだろう。
ギールが端末を操作すると、部屋の中央に大きなホロディスプレイが展開された。
そこへ今回の戦闘宙域が立体的に浮かび上がり、戦艦やRFなど、各艦・各機の動きが記号によって視覚化されていく。
「細部までは再現しないよ。全部表示すると見づらいからね。青い四角がボガード。味方のRFは見分けやすいよう、機体ごとに色分けしてある。敵はすべて赤。大きい四角が大型戦艦、中くらいの四角が中型戦艦。三角がRFで、丸がドローンや戦闘機だよ」
ギールはノアへ説明しながら、戦闘記録を呼び出していく。
青い中くらいの四角が、ボガード。
対する赤側は、一つの大きな四角を後方に置き、その前方に七つの中くらいの四角が展開していた。
ジャイ・アン海賊団の艦隊だ。
戦闘記録の再生が始まると、それぞれの記号がゆっくりと動き出す。
ノアは黙ってその動きを目で追った。
一見すると、艦隊を組んでボガードを包囲しようとしているようにも見える。
だが、よく見れば動きには統一性がなかった。
ある艦は先行しすぎ、別の艦は大きく遅れている。互いの射線を考えているようにも見えず、隊列と呼ぶにはあまりにもばらばらだった。
それでも、ボガードに対して二方向から攻め込もうとしていることだけは、かろうじて読み取れる。
ノアは動き続ける赤い記号を眺めながら、少しだけ眉を寄せた。
「敵艦は先頭から順番に、マーク1、マーク2、マーク3と番号を振っている。最後のマーク8が旗艦だね。まずはボガードから攻撃を開始。マーク1と2を撃破。命中率は約70%といったところだね」
ギールの説明に合わせ、ホロディスプレイ上の戦況が動き始める。
青い中くらいの四角で表示されたボガードから、複数の攻撃軌道が線となって伸びていく。
その線の多くが、敵艦隊の先頭を進んでいた赤いマーク1とマーク2へ到達した。
命中。
直後、二つの赤い四角がホロディスプレイ上から消えていく。
「その後、お互いに発艦」
ギールの言葉と共に、ボガードを示す青い四角から、最初にピンク色の三角が勢いよく飛び出した。
ショットキル。
続いて、白い三角のアルカノヴァ。
黒い三角のノワール。
そして最後に、緑色の三角で表示されたヤマトが、順番にボガードから離れていく。
一方、敵艦隊からも動きがあった。
残った赤い戦艦群から、大量の赤い丸と三角が次々と飛び出してくる。
赤い丸は、戦闘機やドローン。
赤い三角は、敵のRF。
それらは瞬く間に戦闘宙域へ広がり、味方側を数で包み込むように展開していった。
「最初の二隻を落とした後の簡易換算で、俺たちが21。それに対して敵は145だね」
ギールの言葉を聞き、ノアは思わずホロディスプレイを見つめ直した。
数字だけを見れば、圧倒的な戦力差だった。
「ノアは今回が初めてのデブリーフィングだから、一応、俺たちが普段使っている簡易戦力値の計算方法を説明しておこうか。大型戦艦が15、中型戦艦が10、RFが二、戦闘機やドローンが一。LOシリーズは今までチームにいなかったし、比較できるデータもないから、今回は仮に五として計算しているよ」
ギールはそう言いながら、ホロディスプレイ上に簡単な一覧を表示する。
「ただし、これはあくまで単純な計算だよ。パイロットの技量は含まれていないし、搭載している武装の違いなんかも考慮していない。純粋に艦種や機体種別を基準にした、おおまかな戦力値だね」
「そうなんですね」
「ギール! いいから進めろって!」
マイは飲み切ったジュースのコップを、テーブルへ叩きつけるように置いた。
「マイ。また割ったら、お仕置きよ」
その瞬間、マリーがすっと目を細める。
柔らかな口調だった。
だが、その視線を受けたマイはすぐさま大人しくなり、肩を落としてしゅんとする。
「……はい」
その変わりようを横目で見ながら、ギールは苦笑しつつホロディスプレイへ向き直った。
「はいはい、注目。で、ショットキルが一気に敵陣を突っ切って、中央を綺麗に開けていく。その後、アルカノヴァがさらに突破口を広げ、残った敵をノワールとヤマトが処理していく」
ギールの説明に合わせ、ホロディスプレイ上の戦況図も動いていく。
ピンクの三角が敵陣を貫き、その後ろを白い三角が追う。
そこから戦線が左右へ押し広げられ、残された赤い記号が、黒と緑の三角によって次々と消えていった。
それと同時に、画面の端へ表示された敵の戦力値も、目に見える勢いで減少していく。
「そして最後は、ボガードが突っ込んで旗艦からデータを回収。とどめはアルカノヴァ。あとは残った敵を掃討して、今回は終了」
画面の端に表示されていた敵の戦力値が0になると、戦況図の再生が止まった。
ギールは全員を見渡しながら、軽く両手を広げた。
「さて、反省点はあるかな?」




