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気づけば全部の死亡フラグをへし折っていた転生悪役令嬢ですが何か?  作者: 柚木(ゆき)ゆきこ@書籍発売中
第四章 ラクロワ領ラクリス編

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幕間 ダンジョンの最奥

「バルザス様、魔力の反応が消えました」

「ち、失敗か。ざまぁねぇな」

 

 ラクリスダンジョンの地下。五十階層よりも更に深層。

 空洞の部屋の中にガタイの良い男とローブを着た男が立っていた。

 部屋の中心にはまるでオプジェのように飾られている赤い球。二人はその前に陣取り、赤い球の上に浮かんでいる映像らしきものを見てため息をつく。その映像にはデスピオンを倒した場所が映っていた。


「ありゃー、図体だけがデカくなった紛いモンだな……強さは元のヤツと変わらねぇ」

「せめて魔法を使えれば良かったのですが……知能がないからでしょうか?」

「凶暴化はするが、それだけって感じだな」


 バルザスと呼ばれた男は、頭を掻いた。


「しっかしなぁ、こんな研究でいいのか? 失敗ばかりじゃねーか」


 バルザスは手に持っている青い球へと視線を向ける。その青い球の左半分は割れていた。そう、マリが拾った欠片くらいの大きさに——

 ローブを着た男はバルザスの言葉に、声をあげて笑う。

 

「失敗があるからこそ、研究ですからね」

「ならいいんだが……移動するコッチの身にもなってほしーぜ、全く」

「それは本当に助かっていますよ。私は武力を持ち合わせておりませんから」


 じろりと睨みつけているバルザスをものともせず、男は嫌味を受け流す。隣にいたバルザスは大きく息を吐いた。

 

「あー、わかったよ。研究者サマの話は俺にはわからんからなぁ……」

「恐縮です」

「ほめてねーよ」


 そう言いながら、バルザスは両手を頭の後ろに置いて天井を見ていたが……不意に何かに気がついたのか、男に呼びかけた。


「いくぞ」

「……また来ます」


 男は赤球にそう声をかけると、バルザスと一緒に消える。その数秒後、現れたのは。


 ——腰まである銀の長い髪を三つ編みにした男性だった。

 

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