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ベル・クライフの成り上がり  作者: エイト
ベル~幼少編~
18/24

お別れ(後編)

「ほれ、おきんかい。何時まで寝とるつもりじゃ。」


その声で俺は目を覚ました。目の前には半年前にあった爺さんがいた。


「ついに来たか。てことはこれで俺の人生が終わりか。あれ?そういえばあの後どうなったんだ?」


爺さんは何か言いずらそうな顔になる。


「言いづらいんじゃがの・・・・。」


俺はあの後のことを教えてもらった。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ベル視点


兄ちゃんが魔法を放った後気絶してしまったため、僕は魔力切れの体で森の中を歩いていた。はやくセバスさんとルシアのとこに行かないと。

疲労により襲ってくる眠気と戦いながら森の中を歩いていく。

すると後ろの方から足跡が聞こえてきた。やばい。30人くらいいるよ。

走って逃げる。しかし朝がもつれてうまく走れずこけてしまう。

そこに山賊がやってきて、僕を囲む。


僕はまたみんなで集まるんだ。

だから死ぬわけにはいかないんだ。


剣を振り回しながら敵に向かって切りかかった。

複数の剣が僕めがけて迫ってくる。それをすべて躱し、正面の敵だけを切り倒していく。背中や腕に躱しきれなかった攻撃をくらう。体中が傷だらけになりながら正面の敵だけを倒していく。しかし相手の数の圧倒的な力に敵わず、10人くらい倒したところで剣をお腹に突き刺され倒れる。


痛い。苦しい。寒気が全身に走る。


敵の山賊たちは僕がもう動けないことを確認すると僕をを抱えて連れ帰っていく。

僕は死の恐怖というものを始めて感じた。山賊たちは街にもどるまで簡単な止血だけして僕を町まで連れていく。痛みで意識を失うことができない。

そして、町につくと山賊のボスのような奴の前に捨てられるように放りなげられた。


「君がベルくんか。なるほど、レイナが言っていた通りかなりの実力の持ち主のようだね。」


金髪の青年が話しかけてくる。


「私の名前はアレックス。一応この国の騎士団隊長を務めさせてもらっているよ。よろしくね。で、聞きたいことがあるんだけど君の家族はどこに行ったのかな。今のところ君のお姉さんしか捕まっていなくてな。教えてくれないかい。」


アレックスは自己紹介をすると家族の行方を聞いてきた。


「誰が教えるか。それよりリリ姉はどうした?」


傷の痛みにこらえながら聞き返す。


「そうか残念だよ。あぁ、君のお姉さんだけどどうやら捕まえるときに相当抵抗したらしく私の部下が殺しちゃったみたいなんだよ。本当は生かして捕まえる予定だったんだけどね。」


えっ?・・・そんな・・・リリ姉が・・・死んだ?

嘘だ。そんなはずない。だって・・・朝まで普通に生活してたんだ。そんなわけない。こいつは嘘を言ってるんだ。

リリ姉の死を否定している僕を見てアレックスはにやけながら部下に命令する。


「おい、こいつを拷問して家族の場所を吐かせろ。それが終わったら、奴隷として売ってしまえ。もうこいつに用はないからな。」


アレックスの部下に連れられ小屋に閉じ込められる。

そして目の前にいかつい顔をした男が現れる。何か布に包まれたものを持っていた。


「こうなりたくなかったらおとなしく家族の場所を吐くんだな。


男はそういうと俺の前で布をほどく。すると血で真っ赤になったリリーの首が現れた。


「うわあああああああああああああああああ。」


リリ姉の首を見て僕の精神が狂う。涙を流しながら、ただただ叫ぶ。

どうしてこんなことになった。なんで僕たちがこんな目に合わなきゃいけないんだ。なんで。なんで。なんで。なんで。

そうだこいつらのせいだ。こいつらがみんな悪いんだ。殺してやる。殺してやる。こいつらみんな殺してやる。

そんな気持ちが僕の心を満たしていった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「という状態じゃ。いま、ベルというものはかなりやばいところにおる。このままだとまずいことになる。実はわしが来るのはもう数日後の予定だったんじゃが、早めに終わらせた方がいいと思っての。」


俺は爺さんからこれまでのいきさつを聞いた。


「そんな・・・リリーが・・・。おい、爺さん。大体の事情は分かった。つまりベルの精神を助けるためにもさっさと俺と合体しろと言うわけな。」


「いや、大体はあっているが助けるというのはわからんな。前に行ったがこんなことは初めてじゃから合体した後どうなるかはわしもわからん。だから助かるかどうかは正直何とも言えんのじゃ。ただ、そうしないと彼の精神が狂ってしまうから、いましかないということじゃ。」


「そうか。なあ爺さん。最後にベルの意識をここに連れてくることってできるか?」


「それぐらいなら大丈夫じゃ。今呼ぶからちょっと待っておれ。」


そういうと爺さんは急に消えていった。そして再び現れた時、爺さんの隣には大声を上げて叫びながら泣いているベルの姿があった。俺はベルに近づくと、包み込むように抱きしめた。


「兄ちゃん・・・リリ姉が・・・リリ姉が・・・。」


「わかってる。全部聞いているよ。つらいよな。」


「どうして兄ちゃんはそんな落ち着いてられるの?あいつらが憎くないの?殺してやろうって思はないの?」


ベルが相当病んできていると感じた。少し急ぐか。


「ベル、よく聞け。世の中っていうのは残酷なものなんだ。人間いつ、どのタイミングで死ぬかわからない。俺たちはそんな世界でいるんだよ。それでも俺たちは生きていかないといけないんだ。今はわからないかもしれないけど、いつか分かるときがくる。だからそれまで必死で生きていくんだ。たとえ一人になったとしても。ずっと黙っていたけど、今日で俺は消えてしまう。今日でお別れだ。」


「どういうこと?」


「実は俺はこの世界にいてはいけない存在なんだよ。この世界で悪い影響を生じるらしい。だから、今日で俺の意識はベルに吸収される。爺さんはどうなるかわからないといったが、俺の人格は消えてなくなるだろう。つまりこれからはベルという人物は正真正銘一人になる。これからはべるひとりだ。」


「そんな・・・。リリ姉に続いて兄ちゃんも僕から離れていくの?みんな僕を置いてどっかに行ってしまうの?なんで僕ばっかりこんなことに。」


ベルは取り乱す。俺はベル腕に力を入れ力強く抱く。


「それは違うぞ、ベル。たしかに俺の意識は消えてしまう。でも俺はお前の中に居続ける。決してお前を置いていくわけじゃない。俺はいつもお前のそばにいる。だからもし俺のことを思い出したくなったら、首にかけているペンダントを見ろ。それで俺のことを思い出してくれ。」


「・・・・・・・。」


ベルが、しゃべらなくなった。


「おいまずいぞ。今ので意識が完全に飛んでおる。さっさとやらんまずいぞ。」


爺さんがあわてて言ってくる。


「わかった。なら早くやってくれ。俺の伝えたいことはもう全部言った。」


「わかった。最後にわしのせいでこんなことに巻き込んでしまってすまなかったな。この通りじゃ。」


爺さんはそういうと頭を下げる。


「なんやかんやで楽しかったからいいよ。最後はつらかったけどな。」


「そう言ってくれると助かる。お詫びにならないかもしれないがベルには少しわしの力を分け与えておこう。これで一人でも十分生きてられるだろう。では始めるかの。」


俺の体から光の粒がベルに流れていく。体がだんだん透けて行っている。


「ベル。これからは自由に生きるんだ。いままでありがとうな。」


そういい、俺は少し微笑むと消えた。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「アレックス隊長、ベルというガキですがどうやら壊れてしまったみたいです。」


「そうですか。仕方ありませんね。奴隷商にでも売っておきなさい。」


その後ベルは男たちに連れてこの町を出るのであった。


やっと第2章終わりです。

とりあえず最初の方の詰め込みすぎたところを変更させていきます。

なので次の更新は少し間隔があくと思いますが更新した時はよろしくお願いします。

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