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時を止めるFランク能力者、冒険者学院で無双する~Sランクの方達、俺は目立ちたくないんです~  作者: 兎曇
閑話(日常パート)※話の本筋とは関係ないので読まなくても良い
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第二十話 集いし猛者たち

「ククク…ジョウぅ

お前、わたしの性格をまだ理解(わか)ってないんじゃあないの?」


エレナはルシアを掴んだまま、俺のズボンのポケットを指し示す。


「…は?」


俺は困惑しながらも自身のポケットを探る。


(…ッ!?)


俺のズボンのポケットには小石サイズの魔石が入っていた。


「!?まさかッ!!」


「ハハハハハッ!!

そうよ、ジョウ!!

アンタに忍ばせたその『魔石』を元に、私の雷魔法で追跡してこの『場所』を特定したって訳ッ!!」


「さて…」


エレナは視線を俺から、ルシアに向けると


「魔族は残滅だァッーーーーーーー!!」


怒気迫る形相で叫んだ。


バリバリバリバリ


エレナが自身に電荷を溜めだす。


(ダメだ…この店もろとも吹き飛ばす気だ…!!)


―だったら!!

時を止めて奴からルシアたんを奪取して、時間を稼ぐしかないッ…!!



「時よ止まr‥」


俺が時を止めようとしたその時―


ヒュオッ…


急激に周囲の気温が下がる。


(…この気配はッ!!)


カツン、カツン


冷えた空間の中、突き刺すような足音だけが響く。


「通報があった場所は”ここ”ですか?」


その場に居る全員の視線を引き付け

氷のような表情を崩さず、ピンッと背筋を伸ばして美しく立つその姿は


生徒会長でありSランク第二位

『レイナ・クリスティア』だった。


(この流れどこかで見たな…)


―いや、そうじゃあねぇ!!

なんでレイナ生徒会長がこんな所に!?


まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい…!!


夜中に外出、それにこんな店に居る事…


レイナにバレたら、ただ事じゃあ済まねぇ…!!

良くて拘束して地下室へ連行…最悪『退学』って可能性もある…!!


(お、落ち着け…状況を整理するんだ…こんな時こそ冷静に立ち振る舞うんだ…!!)


入り口にはエレナと捕まえられてるルシア。

そしてその先に、何人かの生徒を引き連れてエレナを見つめるレイナ。




思考を落ち着かせようと呼吸を整える

しかし―

冷や汗や身体の震えが止まらない。


(大丈夫だ。まだレイナには見つかっていない…!!

とりあえず物陰に退散だ。)


近くの瓦礫に身を潜めようとしたその時―


ドガンッ!!


何かがこちらに向かって飛んできた。


「うわっ!?」


(何だ…!?)


それはエレナに投げ飛ばされたルシアたんだった。


「…ッ!?ルシアたんッ!?」


ルシアはボロボロになりながら俺の手を掴む。


「…じょ、、、、ジョウ、、、さん、、、」


ルシアは浅い呼吸の中、何とか声を絞り出し俺の名を呼ぶ。


「ルシアたんッ…!!」


(エレナ…アイツ…

分かっててコッチに飛ばしたのか…?)


影に身を潜めながらエレナを見る。


「!!」


(嘘だろ…!!)


ピンク・サンドイッチ

その入り口でエレナとレイナがお互い睨み合っていた。


(まさか…エレナ、アイツ

Sランクと戦(や)り合おうってんじゃあねぇよな!?)




ビリリ…


エレナの身体から威嚇するように電気がバチバチ弾ける。


「生徒会長が一体なんの用よ?

いくらSランクといってもわたしの獲物を横取りさせる訳にはいかないわよ」


挑発するようにレイナににじり寄るエレナ。


「はぁ…エレナちゃん。

前に約束した事忘れたの?」


ため息をつきながら、頭を押さえるレイナ。

その溜息が店に飾っている花に触れた瞬間、凍り付いた。


「…は?あの演習場から生徒会室に連行された時の日のアレ?

アハハ!!

あれはお前とは約束してねーよ。」


ベーと舌を出しながらエレナは否定する。


「こんな事ならティアナを連れてくるべきだったわね…」



(なんだ…意外と話が通じてるようで良かったぜ。)


「んで、どうすんだよ?生徒会長?引くの?」


「エレナちゃん、確かにあなたの『雷魔法』は学院でも類を見ない練度です。

―ですが、むやみやたらに打ち込むのは危険だと言いましたよね?」


レイナはやれやれといった態度で答える。


「へぇ~…ところでさぁ

幾度となく邪魔が入ったけど、一回Sランクってモノと戦(や)ってみたかったのよねぇ?」


ニヤリと笑いながらエレナがレイナを見る。


おいおい俺が安堵したのも束の間…

やっぱりコイツ、戦(や)る気だったんじゃあねぇか!!



「エレナちゃん、引きなさい。

これからこの場所は我々、生徒会に預からせて貰うわ。」


レイナは姿勢を正し、冷徹に答える。


バリリ…


「いーや無理だね!!

今、わたしの興味はこの淫魔(サキュバス)達を駆逐する事からSランクへと移った!!

さぁ、構えろッ!!」


バチバチバチ!!


エレナから再び、目を瞑りたくなる程の眩しい電流が迸る。


「…やれやれですね。」


レイナは後ろに控えている生徒達に下がるよう手で合図を送る。


「エレナちゃん…一度お灸を据えてあげます。」


「あ?お灸だ?全部焼き切ってやんよッ!!」


『雷』と『氷』


二つの魔力がこの店に溢れ出し、混ざり合い

異常な空気を作り始めた。

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