第44話 世界樹の樹海にて
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期末考査が近づいてきたのでしばらく更新できません。
こんにちは、荒木晴人です。ただ今、モフモフの中に埋もれながら移動中です。椿さんの大きいだけあって超モッフモフ。何で椿の乗ってるかって言うと、第一の理由として僕以外のメンバーが僕に地面を歩いてほしくないから。第二の理由としては椿が進化するまで戦闘は椿に任せることになったから。ざっとこんなもんかな。そもそも、世界樹の樹海にはエルフの結界が張ってあるから魔物はほとんど餓死した死体くらいしかない。椿は良くあの洞窟までたどり着けたな。
「嗅覚で何とかしたのではないでしょうか?エルフの里に近づかなければそこまでこの迷いの結界は強力ではないですから」
〈はい、私は洞窟から濃い魔物の臭いを感じ、そちらに赴きました。忌々しいことにこの森では方向感覚が狂いますから、辿り着くのも大変でした〉
「椿さん、確かにこの迷いの結界が部外者にとって厄介なものなのは認めますが、あまり忌々しいなどと言わないでいただきたいのですが・・・。一応、我々エルフ族の生存競争に勝つために考案されたものですから」
〈むう、それは失礼をしたな〉
「でも本当にこの結界って高性能よね。私たち悪魔の目でも霧が邪魔して視界は悪いもの。まあ、公爵級までになるとほとんど迷いの結界としての意味はないけれど」
えっ、悪魔の視界も邪魔できるって確かに凄いな。某異世界転生ものに登場する見通す大悪魔は霧なんてお構いなしなのだろうか?あっ、でもバ○ルさんは公爵級か。あの世界に悪魔の王っているのかな?
「それはそれとしてこの森広くない?」
「まあ、樹海と呼ばれるくらいですから普通に歩くと世界樹の里から樹海の森まで半年くらいかかるようですね」
「わぁー、広ーい!!・・・僕、一人だったら迷子になるかも」
「それは初めての奴なら誰でもなるような気がするぞ?」
まあ、幾らラムが頭弱いからってラムだけが迷子になるわけじゃないからね。僕の場合、精霊神であるお陰か方向感覚はバッチリだよ。それにしても、風属性魔法で結界を張ってるから分からないけど、流れていく風景の速さを鑑みるに新幹線よりも速く走っているんじゃあないだろうか?
いや、上に乗ってる僕のことを気にせずに走れば音速を超えて走ることもできるんだろうけど・・・環境破壊になるだろうから音速以上は許可制にしてある。
「それだけ広いなら、如何やってエルフは樹海の外まで出てるんだろ?流石にこれだけ広いと完全に閉鎖的な国になりそう」
「樹海の外に出るならば、最低でも精霊魔法の中級者試験に合格しなければなりませんね。精霊たちが心配して迷いの結界で里に戻されてしまうので」
「迷いの結界ってエルフ族にも通用するんだね」
「はい、精霊の意思が関与した時のみですが・・・。精霊神様も同じことが出来ますよ?」
「いいわね!やりましょう、ご主人様!!」
「いや、やらないよ!?」
いや、そんな顔をしてもやらないからね!?逆に何故やると思ったんだ君は!?僕はそんな意地悪くないよ!全くもう!
流れ行く景色を見ながら、椿の上で代わる代わるサナたちに抱っこされる僕。僕たちを乗せてる椿の狼モードは本当に大きい。バスの三倍くらいの身体が大きい。しかも、隠密が高レベルだからこの巨体で動いても誰にもばれないのだ!そんな椿が通れるレベルの感覚が開いてるこの巨木だらけの樹海もすごいけど。平和、平和。
さてと、移動中に残ってるもので錬金や調薬するか。えーと、材料の確認は面倒くさいな。よし、取り敢えず、幾つか適当にぶち込んじゃえ!
「そい!錬金!!」
ボンッ!錬金窯が小爆発を起こした。失敗、かな?・・・いや、何か中に真っ黒な物体が残ってるし、成功かな?まあ、鑑定すればいいだけの話だよね。
『ダークマター』:謎の物体。良く分からないが可能性を秘めている、かも・・・しれ・・・・ない?
「最後の方で自信なくすのはやめよう!?」
アイテムとしてのランクも分からないなんて、本当に使えないただの謎物体じゃないか!!・・・いや、説明文に書いてある通り可能性があるかもしれないんだし、希望を捨てないでおこう!
「むぅ、私が知らない物体がこの世にあるとは・・・世界目録として不甲斐ない限りです」
〈そうか?私はサナの知らない物を創り出した主様がすごいと思うのだが〉
「うんうん、僕もそう思うよ!だからさ、サナさんが気にすることは何もないと思うんだけど」
おー、仲間同士の励まし相っていいものだね。いつもそんな感じで過ごして欲しいよ・・・。だけど、当然のごとく僕のことを持ち上げるのはやめてくれないかな?えっ、口に出せって?その後、めちゃくちゃ面倒くさくなるよ?それでもいいの?面倒くささはある素晴らしい世界の水の駄女神教レベルだけど・・・本当にいいの?
「ねえ、ご主人様。悪魔の前で分かりやすい考え事をするのはお勧めしないわ。付け込まれるかもしれないから」
「えっ!?・・・そんなに僕ってわかりやすいかな?」
「はい、精霊神様は色々と表情に出てしまうタイプのように思われます」
「うわぁ、マジかー」
僕はついつい頭を抱えてしまう。・・・分かりやすいのってこういうところだよね。感情を表に出さないスキルってどんなのかな?『交渉術』、『詐欺』・・・・これくらいしか浮かばないな。うーん、戦闘系をある程度修めたらにしよう。
「マスター、『交渉術』スキルならば既に取得しているはずですが」
「え?・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ」
そういえばリリアナが持ってた気がする。ということは吸収したから僕がそのスキルも持ってるのか!でも、如何やって育てるんだろ?ここにいる面子は僕のお願いなら何でも聞いちゃいそうだし・・・都市に着いてから考えよう。
「・・・・忘れるって酷くない、ご主人様?」
「いや、それは・・・・えーと・・・・・」
「ふっ」
「ちょっと、アリシアちゃん。鼻で笑うってどういうことなのかしら?」
「いえ、そのままの意味ですが?」
「「・・・・・・・・・・・」」
無言の睨み合いを始めちゃったよ、もう。仲が悪いなーこの二人。まあ、元々は敵対してて片方は封印された悪魔王、もう片方は封印した張本人かつ悪魔王に魅了状態にされられたエルダーエルフだもんね。仲が悪いのは仕方がないことなんだろうけど・・・・仲良くしてくれないかなぁ。
あっ、そうだ!これ使えば『交渉術』上がるかな?うーん、どちらかと言えば仲裁って感じだけど、仲良くしてくれない?ってお願いするわけだから交渉と言えば交渉になる気がする。やるからには相手の顔を見ないとね。まあ、僕の体系だとしたからのぞき込むみたいになっちゃうけど。
「ねえ、二人とも仲良くしてくれない?」
「「ッ!わかりました!」」
あれー?何か一発でうまくいちゃったんですけど。しかも、鼻のところ押さえて下向いちゃったし。やっぱり、都市に行ってからじゃないと『交渉術』のスキルレベルは上がりそうにないね。
何か、サナとラムも鼻のところ押さえてるんだけど。・・・・ラムのは擬態だから意味ないよね?それとも『極』までになれば人間と機能は変わらなくなってるのかな?今は大変そうだからあとで聞いてみよう。
「(ねえ、アリシアちゃん。上目遣いのご主人様がまた見たいからたまにでいいから一緒に演技の練習をしない?)」
「(・・・・精霊神様を騙すのは心苦しいですが・・・・・・・考えておきましょう)」
うん?何か内緒話かな?よく聞き取れなかったけど仲良くなってくれて一安心だね!さてと、目的地にはまだまだだし、ひと眠りしようかな。
モフモフの毛と心地よい光に包まれながら僕は昼寝を開始した。なお余談だが、誰が僕を膝枕するかで皆が揉め始めて寝てから数分後には起きることになった。




