第33話 混沌獣神の姿
お久しぶりです!遅くなってしまってすみません!
それと前の話の『近況報告』ですが・・・少々急いで作り過ぎたので話の内容を多少修正しました。また、機会があったら修正を入れていくつもりです。職業を『魔導王』から『大魔導士』に変更しました。
「みんなー!お掃除終わったよー!」
僕らが湖に大分近づいてきたところでラムが水から上がり、こちらに向かってブンブンっと手を振ってきた。服はあくまで擬態で作り出したものなので水で濡れていない。
「お疲れ様、レベル上がった?」
「ご主人様ー、あいつら弱すぎて全然経験値が稼げないよー」
「いや、それは仕方がないでしょ」
そもそも、サナやラムがこの階層でレベルアップするのは不可能に近い。何故なら、彼女たちが下級神級に対して此処の階層に出てくる魔物は良くてSランク上位と言ったところだろう。まあ、第60階層のトロールエンペラーはSSランク下位だったので第70階層の階層主ならSSランク上位くらいなら行くかもしれないが・・・。因みにサナはSSSランク上位なので地道にやっていけばレベルは上がっていく。
「おい!私の経験値共を全て狩り尽くしたのか!?」
「うん、ご主人様が良いって言ってたし」
「ラム!よくやりました!!これで私たちの寿命は延びましたよ!!」
サナが勢い良くラムの両肩を掴み褒める。確かに椿が強くなるのは遅れるだろうけど結局は問題の先送りでしかない気がするんだけど。
「・・・・?」
一方で両肩を掴まれているラムはサナの態度がいつもと違うので首を傾げている。ラムは椿の決意を知らないからサナがなぜこんなに喜んでいるのか理解できていないらしい。
「椿落ち着いて、君は水中での戦闘に慣れてないし、そういうスキルを持っているわけでもないでしょ」
「そ、それはそうですがっ!・・・・・・・いえ、私が熱くなり過ぎました」
椿の怒りは治めるのが楽でいいなぁ。僕以外がやってもそう簡単にはいかないだろうけど。取り敢えず、我慢したご褒美としてサナの肩に乗って頭を撫でる。
「はうぅぅぅぅ」
「それで、ラム、次の階層への入り口は見つかった?」
「うん!バッチリ見つけてきたよ!だからさっ!僕の頭もナデナデして!!」
椿が羨ましかったらしくラムが頭をこちらに出してきた。
「はいはい」
勿論、僕に断る理由はないのでその頭を撫でる。うーん、完全に髪の毛の感触を再現できてるなぁ。それにしてもこの髪型ってなかなかいないというより、僕はアニメでしか見たことが無いだよね。ラムの髪型は三つ編みだけどそれさえとってしまえば、ボーイッシュな髪型で、結構髪の毛が跳ねている。この髪型に関してもサナが情報提供したものだと思うけど・・・・・・・本当に何がしたいのかさっぱり分からない。
「あっ!ずるいですよ、ラム!そこは眷属になった順番的に私が撫でられるべきところでしょう!」
「ふふーん♪ご主人様は順番で差別したりしないもんねー?」
「まあ、少なくとも今はそんなをことする気はないかな。というより、僕はそういうの嫌いだしね」
特に前世でいじめられていた僕としては差別なんてものは以ての外だし、そんなことをする人がもし近くに居たならば即刻心を折りにかかるレベルで嫌いだ。
「ま、マスター、私は別に差別をしようとしたわけでは・・・」
僕の答えを聞いてサナがオロオロし始める。サナは差別とかではなく単に羨ましかっただけだと思うし、僕からしたら今回の件に関してはサナが慌てる必要は皆無と言っていい。
「分かってるから心配しなくていいよ。頭撫でてあげるからこっちにおいで」
「一旦やめるよ」と椿に声をかけると「ふぁい」と返事が返ってくる。それを確認してからおずおずとこちらに頭を差し出してきたサナを撫でてあげる。
「ふあ・・・ま、マスター」
「サナも頑張ってるからね」
「も、勿体ないお言葉です」
サナが顔を赤くして俯いた。サナちゃん、可愛らしいね!とっても!!うーん、『撫で技』スキル使いたいなぁ。でもそんなことしたら多分サナ立てなくなっちゃうし・・・・。煩悩退散煩悩退散。・・・淫魔を種族に入れてから何故かエロい方面へ思考がそれることあるんだよなぁ。そういえば今の僕の姿ってどうなっているんだろ?・・・確かキメラだったときは腕の肘と足の膝まで白い鱗と産毛に覆われていて、一対の龍の翼と尻尾、髪は白く頭にはちょこんっと小さい龍の角が生えていて瞳は金色だったはず。
「サナ僕の今の姿ってどうなってるの?」
「ふぇ?・・・コホン、マスターの今の姿ですか?そうですね、言葉での説明だとわかりずらいので、そこの湖で自らご確認するのが一番かもしれません。」
「ふーん、どれどれ」
そういわれては仕方がない。「よっと」という掛け声とともに椿の方から翼を広げて飛び立ち、湖の上まで移動する。・・・・何か、翼の数が増えている気がするんだけど。そんな違和感を感じつつも水面に映る自分の姿を見る。
「・・・ワオ」
そこに映った自分の姿に僕の口から驚きの声が漏れた。・・・これはかなりいろいろ混ざってるな。まずは三対の翼、上の翼は純白で所々に黄金の筋が走っている龍の翼、中央の翼は半透明で虹色に輝いている鳥の翼、下の翼が漆黒で所々に紫の筋が入っている蝙蝠のような翼となっている。
次に体、腕と足が肘と膝まで龍のものであることは変わらないが右腕と左足が白と金の鱗と産毛に覆われていて爪は白に金のラインが入っている、左腕と右足は黒と紫の鱗と産毛に覆われていて爪は黒に紫のラインが入っている。尻尾は細く先端が矢じりのようになっていてまさに悪魔の尻尾と言えるがその表面は黒い鱗で覆われていた。
最後に頭だがこちらの変化も著しい。瞳は虹色に輝き、髪は白のままだがその側頭部からは禍々しい捻じれた闘牛の角のようなものが斜め上前に延びていて、これにも紫色の筋が所々に走っている。その角の下には押さえつけられるようにして狼の耳が横に延び、頬の下の方には薄い黄金の鱗が少しだけ見えていた。
「・・・服も変わったな」
服装は身体ほど変わってはいないが変化はあった。前は白い鱗の外套と白いシャツと足首よりも少し高いくらいのズボンだったが、今は黒に紫のラインの入ったシャツと白に金のラインが入ったズボン、そしてシャツの上に襟首と袖口に黒い毛があしらわれた白いコートを着ている。
「うーん、靴も欲しいかな?」
変わってしまったものは仕方がないと早々に割り切り、自分が今まで素足で歩いていたことに今更ながら気が付いた。なんていうか鱗に覆われているせいであまり素足で歩いてる感じがしないんだよねぇ。というわけでサックっと靴も作ってしまおう。「ほい!」という掛け声とともに足に黒に紫のラインの入った靴が履いた状態になる。靴と言うよりはグリーブといたような感じのものだが。
「これで完璧じゃないかな?」
因みに刀は自分の体内にしまってある。はっきり言ってここまで強くなると武器を使う必要性を感じない。それに椿のレベリングもあるから戦闘行為自体最近はしてないし。よし、確認も終わったからもう戻るか。そして岸に向けて翼をはためかせる。・・・こう、なんていうか前世ではなかった翼を自然に使ってるのってなんか変な感じがするな。しかも、龍の翼に精霊?の翼、更には悪魔の翼ときたもので何一つ前世で実在が確認されている生物が含まれていない。
「前からそうだったけどさらにファンタジーな生き物になってるなぁ、僕」
僕はそんなことを呟きながら椿たちの元へと戻っていくのだった。




