第31話 新しい種族と職業とスキル
サナが職業を進化させ終え、僕はやるべきことを整理していた。ハイオーガの死体処理はラムが僕が出てくる前に食べてて、椿はまだ進化するレベルじゃないから。えーと、僕の進化もやったし、あとは・・・・あっ、新しい種族を決めるのが残ってた。新しい種族を加えれば、レベルもリセットされるし、あのレベル100万とかいう頭のおかしい数字の一つをレベル1に戻せる!
「サナ、レベルリセットしよう!」
「了解しました。しかし、スキルポイントなどは使用しなくてもよろしいのですか?ステータスとは違い『限界撤廃』の影響を受けませんから、これ以上は無駄になってしまいますよ?」
「あー、ステータスポイントは兎も角、スキルポイントは使おうかな」
「それでは、そのようなスキルをご所望ですか?」
どんなスキルかぁ。どんなスキルが良いんだろうなぁ?うーん、決める前に今手に入る最大のスキルを聞いとくのは悪うないかも。
「今のスキルポイントで手に入るスキルを教えて」
「かしこまりました。・・・こちらです」
・イレギュラースキル『循環概念』 99999999ポイント
へぇー、意外だなぁ。こういうのは『創造』とかみたいなスキルか『絶対』か『無効』が付くスキルだと思ってたけど。『概念』は良いとしても『循環』はなぁ。まあ、鑑定してみるか。
『循環概念』:『循環』の概念を操る超越神級スキル。『循環』とは即ち、『生』と『死』、『破壊』と『創造』、『繁栄』と『衰退』、そして『無限』を表している。なお、このスキルは最高神にすら真の終わりを告げることも可能なスキル。このスキルに近い権能はシヴァ神の『破壊概念』などが挙げられる。
このスキルの使用には神力が必要となる。魔力での代用は効くが神力の約10000倍以上の魔力が必要である。
バグ神級スキルでした!いやー、無いわー、バグ神のスキルとか無いわー。・・・・超越神の皆様方これは消して貴方様たちを貶している訳ではございません!!ただ、皆様方のようなスキルは自分には早いかと思いましてですね。・・・・嵐は過ぎ去ったみたいだね。さっきはほんっとうに焦ったぁ。急に背筋が凍るというよりもう『死』って感じの殺気が飛んできたんだもん。生きた心地がしないよ。流石『全知全能』といっても過言ではないスキルを持っている神々が属する一団だね。まさか、自分の管轄していない世界の人の思考が読めるとは。やっぱり、バグと評したのは間違いではなかったようだね!
「主様どうかされたのですか?顔色が悪いですよ」
「ご主人様の顔白いよー。大丈夫?」
「マスター、何か問題が起きたのですか?」
如何やら、かなり顔に出ていたらしい。僕の中で最も信頼するユニークスキルの『冷静沈着』さんを貫通してさらに無意識のうちに顔にまで出てしまうなんて流石です。最早、褒めたたえることしかできない。この恐怖を克服するためにもこのスキル取ろうかな。
「サナ、このスキルにするよ」
「へっ?」
サナには珍しく間抜けな声を出した。余程僕の選択が意外だったのだろう。
「だから、『循環概念』スキルにするって」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
サナが驚愕の声をこの部屋に響き渡るほどの大きさで発した。ぐお!パッシブスキルの『五感超強化』スキルのせいで耳がっい、痛い。大きな声で隙ができるなんて、今後の課題だね。まあ、椿はそのケモ耳を手で頭に押さえつけて塞いでいるけど。
「サナ!うるさかったぞ!!」
「申し訳ございません!マスター、椿お姉様!!あまりにも意外だったもので」
「まあ、確かに僕が絶対に嫌がりそうなスキルだもんねこれ」
「では何故お選びになられたのですか?」
「い、いや、ちょっと、身の危険を感じて、ね」
「身の危険、ですか?」
「主様の身の危険だと!?何処にあったのですか!!?」
「えー、ご主人様って僕と同じ種族持ってたよね?それで身の危険を感じるっていうのはちょっと想像できないかな?」
まあ、相手が超越神じゃなかったらなぁ。
「気にしなくて大丈夫だよ。もう過ぎ去ったから」
「それなら良いのですが・・・。さて、いつまでも気にしていては埒がありませんね。それでは、マスター、このスキルを取得してよろしいんですね?」
「うん」
僕の目の前から選択画面が消え、何か力が流れ込んでくるのを感じた。驚いたな、こんなにはっきりと力が流れ込んでくるのを感じるのは初めてだ。それだけ大きな力ってことなのかぁ。使いどころを考えないとなぁ。
「では次に新しい職業を選択しましょう」
「うん、それじゃあよろしく」
再び僕の前に選択画面が現れる。
・剣士
・騎士
・弓使い
・格闘家
・戦士
・暗殺者
・神官
・錬金術師
・薬師
・破壊神
・創造神
・混沌神
・自宅警備員
「ごめん、突っ込まさせてくれないかな!?」
何故、当たり前のごとくニートの代名詞たる自宅警備員が職業欄に並んでいるんだ!?僕は今だけでも3つも同時に職業に就いているのに自宅警備員が職業選択欄に入る理由がわからないんだけど!!?
「マスター、それでどれにいたしますか?」
「そして華麗にスルーされた!!?」
「独り言だったのではなかったのですか?」
「そりゃあ、それで間違っていないけど!!」
「わかりました。次回からはしっかりと独り言だろうと反応するようにいたしますので」
「いや、これまで通りスルーで良いよ」
流石にいちいち反応を返されるっていうのも疲れると思うし。
「あはははははは!ご主人様とサナさんのやり取りおもしろーい!!」
「主様を笑いの種にするな!!」
椿の拳がラムの後頭部に振り下ろされ、ゴッと鈍い音を立てる。
「もー、椿さん、僕の頭に何するんだよー!割れちゃったらどうするのさ!」
「はぁ、割れるどころか痛くも痒くもないだろうが」
「まあね♪」
「こいつ・・・!!」
なんか椿とラムが喧嘩みたいのを始めたけど、ラムの方は本気じゃないみたいだし、どちらも怪我をしなさそうだから放置して大丈夫かな?さてと、今は職業選びに集中だ。そういえば、神系統は分かるんだけど、薬師と錬金術師が新しく加わった理由は何だろう?
「サナ、何で今になって薬師と錬金術師が選択肢に加わってるの?」
「それは私のせいですね。」
・・・・・???
「サナのせい?」
「はい、私がマスターにソウルテイムされる前に行ったことなのですが、薬師や錬金術師は知識と材料がないとスキルのレベルは上がらず、職業レベルもレベル21以上の解放条件を達成出来ずに止まってしまい、何の役にも立たないからです。その他の生産系職業も同じですね。現に今も生産系職業はこの二つ以外は表示していません。」
「なるほどね。でも、何でこの二つは表示したの?」
「それは今後、椿お姉様のレベル上げでマスターはしばらく戦闘に参加せずに後方で待機しているだろうと『未来演算』で導き出されたからです。」
そう言われた瞬間僕は驚きの表情を浮かべた。
「驚いた、当たってるよ。『未来演算』スキル凄いね」
本当に驚いた。まさか、イレギュラーの僕の行動も演算で予測できるのか!運命に左右されないから予知系スキルの影響は受けないけど、演算とか予測なら僕の未来の行動が可能性としてわかるのか。戦闘になったら、予測系には注意を払うべきかな?
「ありがとうございます。それと生産系職業は対象のものを生産するだけで経験として魂の器に武術の訓練よりも刻まれやすく、魂の器の昇華―レベルアップがしやすくなっています。」
「へぇー、それで僕が新しく選べる職業の数は?」
「3つの職業が上位職になりましたから、『職業複数選択』スキルのレベルが4になっていますから、3つ選ぶことが出来ます。」
それじゃあ、2つは薬師と錬金術師で確定として、残り一つは・・・・ん?盗賊が職業選択欄にない?
「サナぁ職業選択欄の中に盗賊がないんだけど?」
「ああ、盗賊は今の所必要ないのでこちらで外させていただきました」
「了解」
それじゃあ、残り一つは騎士にするか。
「ほい、ほい、ほいっと」
選択肢の中の騎士、錬金術師、薬師を選択。
「選択の完了を確認しました。では、次にいよいよ種族選択に移らさせていただきます」
「よし、どんと来い!」
・人族
・エルフ族
・ダークエルフ族
・ドワーフ族
・獣人族
・竜人族
・巨人族
・その他の亜人族
・魔族
・悪魔族
・精霊族
・龍族
・魔獣
・その他の魔物
・キメラ
・不死族
・霊獣
・神獣 New
・龍人
新しいのが2つ入ってるけど龍人って竜人と何が違うんだ?
「あのさ、竜人族と龍人の違いを教えてほしいんだけど」
「承りました。と言っても簡単な話で竜人族は弱い龍が人の姿のまま生活し始め、そのまま龍としての力が衰えた者たちで龍人は龍とその他の種族のハーフです。」
「なるほど。で、今回は確か『種族複数選択』のスキルレベルが10になってたから、追加で9選べるはずだよね?」
「いえ、レベル10になると特典としてもう一つ枠を手に入れられるので10種族新たに選べるようになっています。しかし、今回は1種族だけ選択するべきだと思います。」
「何で?」
「はい、理由としましてはレベルリセットが可能なのがこの種族選択のみだからです。今後の成長のためにもレベルリセットの機械は取っておくべきだと思います。」
「わかった、そうしよう。それで、サナ的にはどの種族がおすすめ?」
「私としましては悪魔族のインキュバスを推薦します!」
「えっ?」
インキュバス?インキュバスって言ったの今この子。インキュバスってあれだよね?あのサキュバスの男バージョン。確かライトノベルとかでもそこまで戦闘力が高い悪魔族としては淫魔に属してるインキュバスは弱いていうか最弱レベルなような覚えもあるんですけど?実際に七大罪の悪魔王の中で『色欲の悪魔王』が最弱だし。
「私は別に考えがなくインキュバスを推薦したわけではありません!」
「へぇー、言ってごらん?」
「はい、まずこれからテイムしに行く『色欲の悪魔王』は淫魔族です。」
「そうだね」
「つまり、精神系統の異常状態に高い体制があるものと考えられます!」
「それで」
「そこでこちらも淫魔族であるインキュバスになり、テイムの時間の短縮を狙います!!」
手を胸の前で握りしめ力説したサナ。言っていることは間違っていないように聞こえるが僕は『混沌獣神の権能』と『異常状態の邪眼』を持っているから全くもって必要ない。すなわち、完全にサナの私利私欲のための意見と言うことだ。
「それで本音は?」
「『色欲の悪魔王』なんてものは今やマスターの敵ではありません!と言うか最早全ての悪魔王が敵ではないと言っても過言ではないでしょう!!そう、今回の種族選択で何を選ぼうとマスターの勝利は変わらない!!ならば!淫魔族であるインキュバスを選択してもらい!!『房中術』スキルを取得してもらいかつ!インキュバスは幼児からでも性交が可能となっているため!マスターの息子様が立ち上がすのです!!想像しただけで・・・はぁはぁ♡興奮が止まりません!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ。
「却下で!」
「マスタァァァァァァ!!!!お慈悲をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「駄目なものは駄目です」
「マスタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
サナはいつもは何でもできるスーパーメイドなのに、何でエロのことになるとダメな風に暴走するかなぁ。止める方向に暴走してくれた方がまだいいんだけど。
「うるさいぞサナ!!私を殺す気か!!!」
「うーん、今のは僕にも聞いたかも・・・」
よし、種族は神獣にしよう強そうだし。よし、選択。
「えっ?」
神獣を選択したはずがインキュバスに急に変わり、そのまま完了してしまう。
「サナァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
「てへっ!」
そのまま僕の意識は闇へと落ちていく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・謀反じゃない?
「ううう、私の耳が耳がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「あわわわわわわわわわわ!椿さんが!椿さんが!!メディックメディィィィィィィィック!!!」
「うるさぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」




