第26話 プラチナスライムを追え③
お待たせしました!久しぶりの更新です。
「オラオラオラオラオラオラオラオアオラオラァァァ!!」
只今ダンジョン第19階層を焼却中です。しばらくお待ちください。えっ?待てない?今、魔法を並列詠唱してるから忙しいんだけど。・・・まぁ、サクッと状況を説明するとあれからプラチナスライムに逃げられ続けてついに第19階層まで来たんだけど、探すのが面倒くさくなったからキメラフォームで火属性魔法を連発している最中です。
《マスター、大分視界が開けましたのでそろそろ森への八つ当たりを止めてください。》
〈八つ当たりじゃないもん!!〉
《いえ、どこからどう見ても〈サナ!主様が八つ当たりではないと言ったら八つ当たりではないのだ!!〉・・・まぁ、それもそうですね。マスターが黒と言えば黒ですし。》
〈・・・すみません、今のは八つ当たりでした。〉
世界目録なんだからそういう常識的部分ではしっかりと公平でいてくれ!というより忠誠心と好感度が高すぎて僕=法みたいな感じになってるんだけど!?
〈・・・?主様が謝る必要は御座いませんよ?例えそれが嘘だとしても我々にとってはそれが真実なのですから!〉
《椿お姉様の言う通りです!!》
狂信者の思考回路だ!?
〈・・・・忠臣って言うのはね、その仕えている人が間違ったことをした時にはそれを正そうと行動や進言ができる人のことだから、僕に忠義を示してくれるのは良いんだけど盲目にはならないでね。〉
〈《はっ!》〉
本当にわかってるかの心配だなぁ。まあ、今はプラチナスライムのことに集中だ。あのスライムはどこかなぁ~っと!僕は辺りを見回す。すると、炭となった木々を退かして白金色の球体が顔を出し、辺りを見回して僕の存在に気が付くと、
「キュッ!」
「あっ!待て!」
次の階層への階段へ飛び込んでしまった。
〈逃げられてしまいましたね〉
「はぁ、さすがにこれが続くとなると少し辛いね」
《御心配には及びませんよマスター。次の階層は階層主が居るはずですから》
「何で?」
《階層主の部屋は一度入ると階層主を倒すまで開かない仕様になっているからです。なので、階層主さえ隔離して閉じ込めてしまえばそれこそ上位神でも破れない密室が完成します》
「なるほどなるほど、それならステータスが防御と回避に振られているプラチナスライムは絶対に突破できないね」
〈まさに袋の鼠ですね。できるだけ無残に殺しましょう〉
「そこまでする必要はないし、あのスライム相手だと無理だから」
《やれやれ、椿お姉様はもう少し頭を働かせることを覚えた方が良いのかもしれませんね》
〈・・・おい、それは私に喧嘩を売っているのか?〉
険悪ムードの二人には悪いが喧嘩は止して欲しいものだ。
「はいはい、喧嘩はそこまでだよ。早く次の階層に行こう」
《〈承知しました〉》
《それでは次の階層にいる階層主ですが、私の記憶が正しければハイオーガとオーガ×10だったはずです。》
ゴブリンから一気にレベルが上がったな。ここからが本番ってことかな?
「そのハイオーガってのは何ランクなの?」
《ランクはCランクですが、ステータスは平均800位なのでCランクの中ではそこそこ強い部類に入っていますね》
「了解。それじゃあ行こうか」
◆◆◆☆☆☆◆◆◆
「それじゃあ、本作戦の最終確認をするよー」
《〈はい!〉》
今僕らがいるのは第20階層のボス部屋前だ。どうやら、プラチナスライムはすでに部屋の中に逃げ込んでいるらしい。
《それでは、今回の作戦の概要はこうです。マスターが部屋に入ると同時にボスとプラチナスライムの間に『アースウォール』で分断し、椿お姉様がハイオーガを『シャドープリズン』で影の牢獄の中に閉じ込めます。後は密室となった部屋のなかで『ロックウォール』で行動範囲を狭くしていき、ある程度になったところで中規模範囲魔法で攻撃、プラチナスライムが『時空圧縮』スキルを一段階解除した時点で体内に突入し、『ソウルテイム』スキルを使用してください》
「ねえ、『ソウルテイム』は魂に接触しないといけないんだけど・・・そこのところ大丈夫?」
《問題ありません。プラチナスライムが膨大な経験値量を誇っているのは魂とその器が極めて大きいからです。なので、魂の大きさは大体体と同じくらいになっているので体内に入れば体は液体ですから接触が可能となっています。》
プラチナスライムさん・・・僕にとっては単なるカモじゃないかな、君。
〈つまり、主様にとって奴は絶好のカモと言う訳だな!〉
《はい、そうなります》
「だよねー。さて、それじゃあ作戦決行と行きますか!」
扉に手を掛け、少しずつ開けていく。するとそこには・・・
「ゴアァァァァ!!ガァァァァ!!(この雑魚がぁぁぁぁ!!待ちやがれぇぇぇぇ!!)」
「「「グァァァァァァァ!!!(待てやぁぁぁぁぁぁ!!!)」」」
「キュピー―――――!!!(ひえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!)」
プラチナスライムとハイオーガ達のリアル鬼ごっこが繰り広げられていた。
「へぇー、あれが本物の鬼ごっこってやつなのかぁ」
《オーガは極東にある『ナノクニ』の文字では『大鬼』と書きますから、強ち間違いではないと思いますよ》
〈むぅ?しかし、あの無礼者は実際に鬼が追いかけているのますし、『ごっこ』を付けるのはおかしいのではないでしょうか?〉
「あー、確かに本物の鬼が追いかけているのに『ごっこ』を付けるのはおかしいね」
〈一言で今の状況を表すとすると何と言えばいいのでしょうか?〉
《いや、そこは普通に『追いかけっこ』で良いと思いますけど・・・》
「うん、まあ、ええと・・・ごめん、椿になんて言ったら良いのか僕にはわからない」
〈・・・私が無知なのが悪いだけなので、お気になさらないでください〉
・・・無知とかそういう話じゃないと思うんだけど。
「さて、そろそろ始めるか。『アースウォール』!!」
ゴウっと重厚な音を立ててダンジョンの床の一部が凄まじい速度で盛り上がりダンジョンの天井にも届く断崖絶壁が出現した。
〈・・・凄まじいですね〉
《これはスキルレベルと膨大な魔力量のお陰ですよ。椿お姉様》
「キュイ!?キュ、キュ―ー!!(へっ!?あっ、出口がぁぁ!!)」
僕らが扉を開けたことによって開かれた脱出経路に向かって高速移動を始めたプラチナスライム。このまま行けば扉が閉まりきる前に出ることが出来るがそうは問屋が卸さない。
「『ロックウォール』!!」
「キュエ!?(あう!?)」
スライムなのにもかかわらずそのスピードと重さを持って密度を衝撃体制が失われないぎりぎりまで高めた石で分厚く作ったはずの『ロックウォール』にひびを入れた。・・・マジで?速度×重さ×STR-吸収される衝撃(適当)でこの威力って・・・。
「・・・よし!19階層を焼き払う前に覚えた並行詠唱で!『ロックウォール』×4!!更に駄目押しで『アースコフィン』!!!」
『ロックウォール』で動きを牽制し、その隙に土属性封印系魔法『アースコフィン』でプラチナスライムを密閉した。まあ、『魔法耐性:極』持ちだから封印は出来てないだろうけど。
「これで良かったかな?」
《はい、大成功です。閉じ込められるというのはプラチナスライムにとっては死を意味しますから、次期に出てくると思いますよ》
するとメキメキメキと大地の棺が音を立て始め、ものの数秒で鈍い破裂音を立てて粉砕され、その中から巨大なプラチナスライムが這い出てきた。
《今です!!》
「おう!!」
僕は即座に龍に姿を変えるとその巨大なスライムへ飛び込んだ。




