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第27話 新たなる仲間

「薄暗いな」


 それがプラチナスライムの体内に入った時の僕の感想だった。表面が白色に近いからか分からないけど意外とスライムの体内に光話届いていない。取り敢えず、キメラモードにしておこう。


《マスター、手早くことを済ませてしまいましょう》


「そうだね。『ソウルテイム』!!」


 スキルの発動と同時に僕を中心に球状に拡がっていく青い波動。


「何これ?」


《スキルのエフェクトのようなものです。この波動がどれだけテイムできているかを示しています》


「・・・・効果拡がるの早くない?」


 そう、この波動の拡がる速度がとてつもなく速いのだ。プラチナスライムがいくらで大きくても一瞬で広範囲に拡がっていくのでそこまで時間がかかるようには見えない。


《そうですね・・・・速度は700億光年毎分くらいでしょうか?》


「・・・ごめん、何言っているのかわからない」


《どうやら、マスターのスキルとプラチナスライムは相性が良いようですね》


「相性が良かろうがそんな速度になる理由がわからないよ」


 というか、そんな速度になるはずがない。そもそもそんな速度を出せる存在がいるとは思えない。思いたくない。


《・・・?超越神が周囲の環境を気にしなければこの60倍くらいの速度なら余裕出出せますよ?》


「バグ神たちの常識なんていらない!!」


 ・・・超越神ってチートっていうよりも単なるバグ的存在だと思う。全ステータス表示不可みたいな?最早∞とも表記できないレベルの。


《過去には超越神クラス以上の神の集団を相手に互角以上に渡り合った存在も・・・・この話はやめにしましょう》


「何そのバグの中のバグみたいな存在」


《安心してくださいマスター!!流石のマスターでも超越神クラスが限界ですから!!》


「ごめん、全く安心できない」


 誰がそんな好き好んでそんなバグ共の仲間入りをせちゃあかんのだ。『過ぎたるは及ばざるがごとし』とはまさにこのこと。


《そうですか?超越神クラスになれば俺teeeeeeができますよ?超越神クラス以上同士の戦いは基本的に御法度ですし、この世界でならどんな相手が来ても蹂躙可能ですよ?弱すぎると手加減しきれずにプチって潰したり、パーンって感じで破裂させちゃうかもしれませんけど》


「ぜっ・た・い・に・成りたくなんてない!!!」


《うーん、いい案だと思ったのですが・・・》


「上位神クラスを倒せれば良いのぼくは!・・・そういえば、椿は?」


《あー、ここはプラチナスライムの体内なのでちょっと特殊な空間になっているので、ここに念話を届かせるのには椿お姉様自身の格が足りていません》


「へぇー、それじゃあ、こっちから念話を届かせることはできるの?」


《可能です》


「それなら」

〈椿、目的は達成したからハイオーガ共殺してもいいよー〉


《マスターの経験値にしなくてもよかったのですか?》


「プラチナスライムを追いかけている間にかなりレベルも上がったしね。それに椿はここに来るまでレベル上げができてないから」


《マスターは相変わらずお優しいですね》


 こんなことで優しいって言われても・・・。椿には死んでほしくないし。


「あとどれぐらいでテイム終わりそう?」


《あと30秒程かと》


「短くない!?」


《ふむ、どうやらこのプラチナスライムはかなり臆病なようですね。『異常状態無効』スキルを持っているお陰で『暴虐と快楽の侵食』の影響を受けていないようですが、抵抗らしい抵抗はしていないようです》


 臆病過ぎじゃないかな!?普通に臆病な人でもここまでくれば抵抗すると思うけど!!?


《あっ、完了したようです》


「好感度と忠誠度は?」


《どちらも200ですね》


「スキルレベルが上がったお陰かな?」


《そのようですね》


「その割には上がり幅大きくない?」


《そのような事はございません。そもそも『ソウルテイム』は例外スキルの中でも最高クラスを誇るスキルですから》


「そうなの?」


《はい、そもそも『ソウルテイム』などというスキルが発現したのは初めてですし、『精神異常無効』スキルという最高神レベルが授けるようなスキルまで授けられる時点で規格外なのを自覚して下さい!》


「う、うん、わかったよ。そういえばもう体外に出てもいい?」


《はい、大丈夫ですよ》


 僕はサナに確認を取り、明るい方へ泳いでいく。


「ぷっはぁ!!」


「キャッ!?」


 ・・・『キャッ!?』?何故そんな声がしたのか気になり視線を下に向けるとそこにはそれはもう豊かな女性の象徴が・・・。


「・・・ご主人様、出てくるときにはひと声掛けて欲しかったよ」


 問題点はそこなのか!?


「あー、ごめんごめん。すぐに出るから」


「僕的にはずっとこのままが良いかな!その・・・ご主人様と一つに成れてるみたいだから」


 えー、何このアグレッシブな子。本当に臆病な性格なのか?


「おい!スライム!主様が出ると仰っているだろう、がっ!!」


「ひゃん!」


 椿が無理矢理僕をプラチナスライムの体内から引き抜き、僕の顔を胸に押し付ける。無論、スキルのお陰で動揺なんてものはしない。


「椿、話がしたいから一旦離して」


「・・・了解しました」


 そう僕が言うと渋々椿は僕のことを離した。それと同時に僕は空中で半回転して地面に降り、プラチナスライムのほうを向いた。


「「あっ!?」」


 僕の着地と同時になぜか大きな声を上げる二人。


「主様!?このような場所で地に足を付けるなど、御身のおみ足が汚れてしまいます!!」


「そーだよ!ご主人様!!ご主人様のきれいな足が汚れちゃう!!!」


「えー」


 そんなことで・・・いや、この話題は終わりが見えないからやめにしよう。そんなことを考えているうちにひょいっと椿が自然な動作で僕のことを抱きかかえた。そのことは特に気にせず改めて人化したプラチナスライムのことを観察する。まず、服装はへそが見えている程ラフだ。白金色の髪を後ろで三つ編みにしていて瞳も白金色だが、肌は褐色色をしている。


「何で褐色肌なの?」


「うん、サナさんと椿さんどっちも肌が白いから変えてみようかなって思って」


 ・・・・・犯人はただ一人だ。


〈サナ、ちょっといいかな?〉


《何でしょうかマスター?》


 ・・・こいつ、要件がわかっているのに惚けるつもりか。


〈『何でしょうか』じゃないよねー?〉


《・・・・マスターが見てて飽きないようにですね。》


 嘘くさい。


〈本音は?〉


《そのですね。少し色合いとかがかぶり過ぎると私の存在感が・・・》


〈そういうものなの?〉


《そういうものなのです》


 そんなことないと思うんだけどなぁ。あっ、プラチナスライムの性格のことを聞いてみよう。


〈ふーん、それなら、いいかな。そういえば、プラチナスライムの性格がかなり変わっているんだけど?〉


《ふむ、プラチナスライムのステータスを確認してみましょう》


〈了解〉


 ステータスオープン!



名前:―



 種族:エニグマスライム



 年齢:0



 性別:女



 Lv:1




 HP:10000000000000/10000000000000



 MP:100000/100000



 STR:1000000



 VIT:10000000



 INT:1000000



 MND:10000000



 DEX:1000000



 AGI:10000000



 通常スキル:『隠密』Lv9『逃走』Lv8『吸収』Lv9『分裂』Lv10『増殖』Lv1


 

 パッシブスキル:『物理耐性:極』Lv4『魔法耐性:極』Lv2『直感』Lv7『自動再生』Lv10『再生速度超上昇』Lv10『再生効果上昇』Lv10『HP自動回復』Lv10『回復速度上昇』Lv10『回復効果上昇』Lv10



 ユニークスキル:『時空圧縮』Lv5『異常状態無効』Lv-『即死無効』Lv-『瞬時再生』Lv3『万物消化』Lv8『擬態:極』Lv-



 称号:『無理げーの極み』『理不尽の化身』『最高に見える最低』『悪意の権化』『最悪の詐欺種族』『バグスライム』『忠臣』


 『エニグマスライム』:イレギュラーの介入によって作られた新たなるスライム種。種族に『エニグマ』を冠することができるのは魂の格が神域に達しているもののみだと推定される。


〈・・・・何か新種に進化してるんだけど?〉


《そうですね。如何やら新種になったことによって種族特有の過剰すぎる臆病さが無くなり、少し臆病だけどとっても明るいという本来の性格が表に出てきたようです》


「なるほど!」


「「何がなるほど何ですか(なの)?」」


「いや、こっちの話だから。そういえば名前を付けてなかったね」


「名前つけてくれるんですか!!?」


「う、うん、まあ」


「わーい、さっすがご主人様だぁ!!」


「うお!?」


 エニグマスライムは喜びのあまり僕のことを椿から取り上げ、両手で僕のことを持ったままその場で回転する。君が嬉しいのは表情でわかるから一回止まって!!!


「あわわわわわわわわわわわわわ!!」


「あははははははは!!!」


 エニグマスライムと僕とではステータスに差があり過ぎる。それにそんなにぶん回されると気持ち悪くなってくる。というか、下手するとダメージが入りかねないスピードだ。


〈エニグマスライム止まって!お願い!!〉


「えっ?あっ!ごめんなさい!!つい嬉しくって」


「う、うん。少し気持ち悪いけど大丈夫だよ」


「主様を返せ!!!」


「あっ!!?」


「もう大丈夫ですよ!」


「あ、うん、ありがと」


 椿がいつもの3倍速で動いているように見えったってことは『忠狼』のせいかな。さてと、エニグマスライムの名前を決めなくちゃな。うーん、・・・エニ?・・・マイ?・・・・エム?・・・これだと変な性癖の人みたいだな。却下。・・・・・ラム、安直だけどこれが僕的には一番しっくりくるかな。


「よし、それじゃあ、君の名前は『ラム』だ!」


「・・・ラム・・・・ムフフフフ!うん!僕はラム!これからよろしくねご主人様!!」


 こうしてラムが僕たちの新たなる仲間として加わった。


《おお!好感度と忠誠度が300%になりましたよ。流石、マイマスター!女誑しですね!!》


「そんな評価は嬉しくない!!というか悪口だから!それ!!」










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