第22話 職業の種類と転職条件
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「主様?どうかなされましたか?」
椿の声を聞いて漸く僕の脳は活動を再開した。自分達が悩んでいる中、本人には悪いがこの中で一番頭が悪い奴が問題を容易く解いたら誰もが度肝を抜かされ、思考停止に陥ると僕は思う。(超主観的)
「・・・・椿、どうやってこの仕掛けを見つけたの?」
《失礼ながら私も椿お姉様が見つけるとは夢にも思いませんでした。どうか見つけた方法を教えてください!》
「本当に失礼な!?・・・・はぁ、事実だし此処は怒らないでやる。主様それでは私が見つけられた理由を説明させていただきます。見つけられた理由として大きいのは『音』ですね。」
音?普通にしてて聞こえるほど大きな音は壁からしてなかったと思うんだけど?風の音かな?
「『音』って風の音のこと?」
「はい、そうです。」
《なるほど、椿お姉様はマスターと違って『聴覚強化』スキルを使い続けていますから、今の所スキルの恩恵のみに頼られているマスターよりも聴力がすぐれているんですね。》
「パッシブスキルにもそういうのがあるんだ。」
《ええ、ですから直感に関してもマスターより椿お姉様の方が当たりますし、良く働きます。》
「本当かっ!?」
《はい、良かったですね椿お姉様。斥候としてご主人様の役に立てますよ。》
「やった!!」
「・・・・侍は本来斥候役じゃあないんだけどなぁ。」
《いえいえ、そんなことはありません。侍は何かと相手の気を読んだり、気配を察知するのが得意ですから斥候役としては申し分ないので前衛と斥候を両立したりもすることもあります。》
「へぇー、侍って優秀なんだね。不得意なことってないの?」
《不得意なことですか・・・・そうですね、不得意というかデメリットとしては魔力量、MPの成長度が全戦闘系職業の中で最も低いことでしょうか。ただ、『魔断』スキルという対魔法用の特殊技能スキル―まあ、エクストラスキルのことなんですけど、これを取得できる唯一の基本職業ですし、ステータスの成長度も全体的に見れば上位職業にも引けを取りません。それに侍の転職条件に合う人は中々居なくて転職は難しくその希少性なども含めて当たりの職業として知られています。》
「因みに忍者はどうなの?」
《忍者もレア職業ですね。『忍術』スキルの中でも『変わり身の術』はMPの消費も少なく、範囲系の大技でもない限り無傷で相手れの攻撃をかわすことができる超強力な技として知られています。この世界の忍者の認識は接近戦も出来て魔法と同じことが出来る盗賊の超完全上位互換職業といったところです。あと、こちらも基本職業として数えられていますがステータスの成長度だけならば上位職業に匹敵しています。》
「ふーん、上級職業は何なのか教えてもらえる?」
《上位職業はそれぞれの基本職業が50レベル以上かつ条件を満たすことで転職が可能になります。但し、上位職業が圧倒的に強いわけでもありませんから基本職業だからと言って必ず勝てないわけでもありませんが、やはり成長度などを見ると上位職業に軍配が上がりますね。しかし、職業レベルは当然ながら基本職業よりも上がりにくいです。》
「そこの所は当たり前と言えば当たり前だね。」
「私としては侍の上位職業が知りたいのだが。」
《侍の上位職業は職業レベル100で就くことが出来る『剣豪』だけですね。これが侍が上位職業にステータスの成長度において引けを取らない理由の一つです。》
「他のは上位職業がもっとたくさんあるってことか。」
《はい、上位職業は無数にありますのでその数だけ条件があるため、未だ発見されていない職業も多数あると考えられています。》
「サナ、剣豪の転職条件は何か教えてくれないか?」
《剣豪の転生条件は以下の三つですね。①『侍』の職業レベルが100であること。②『刀術』スキルのレベルが9以上かつそれに見合った技量があること。③武人としての心得をしっかりと理解し身に着けていること。》
「むぅ~・・・サナ武人の心得がさっぱり分らんから教えてくれ!」
《お任せ下さい椿お姉様!!このサナがお姉様を立派な武人にして見せます!!》
「ああ、少し無理な内容でも構わん!今の私が最速で剣豪になれるように鍛えてくれ!!」
凄いやる気だ。でも無理はあまり良くないよなぁ。う~んやる気を削ぐ訳にもいかないし・・・少し釘を刺すくらいで留めて置こう。
「無茶をし過ぎないでね。」
「はッ!承知いたしました!!」
《任せて下さいマスター、そのくらいの調整は朝飯前です。》
サナに任せれば問題ないか。
「あっ、椿に変なこと教えちゃだめだよ。わかった?」
《・・・・・承知いたしました。》
「その間は何なの?なんだか心配になってくるんだけど?」
《ご安心下さいマスター。マスターに命令されたからには決して破りませんので。》
それなら安心安心・・・・・・かな?・・・・・やっぱり不安だ。
「・・・・・絶対に守ってよ。」
《・・・・・・・・信用されていませんね。》
「お前は少し自らの行いお帰り見てみろ。主様が信用なさらないのも無理はない。」
《椿お姉様酷いです!》
「人を批判する前にまず自らを改めようね!?」
《納得いきませんがマスターがそう仰るならそう致します。》
こういう時だけ忠誠度が高いことが役に立つな。椿は「そうであろうそうであろう!主様が間違っているはずがない!!」と盲目的なことを言っていた。僕の記憶が正しければ真の忠臣は使えている主の間違えを指摘できる人だったと思うんだけど。・・・・臣下として大丈夫なのかな?
「もし・・・もしなんだけど、僕が間違っていたら止めてくれる?」
「・・・?無論、その時が来たら止めますが・・・・。」
《ええ、私も椿お姉様と同じく全力で止める所存です!》
椿は何の話だか分からないようで首を傾げた。何だ心配のし過ぎだったかな?これなら問題ないか。あとは下の階層に行ってからの行動方針だけど・・・階層の環境ががわからないとなぁ。
「主様突然そのような質問のなされてどうしたのですか?」
椿が屈んで僕の様子を窺ってくる。む、胸元が・・・・って今更感半端ないな。だって、移動の間あれの間に挟まってたんだよ?ほら今更でしょ?これも『冷静沈着』スキルのお陰かな?何ともまあ成長したものよ僕!
「ああ、ちょっと気になっただけだよ。ところで、次の階層についてサナは何か知っていることはない?」
《次の階層ですか?確か・・・強いて言うなら『森』でしょうか。》
「森!森と言ったか!?それならば私にお任せ下さい!このダンジョンに入る前は森に棲んでいましたから!!」
「本当に!?それなら・・・・でもどれくらい木があるのかによって環境は変わってくるからなぁ」
僕は顎に手を当て考える仕草をする。
〈(く~う、主様が真剣に考えているお姿も可愛らしい!!)〉
《(激しく同感です椿お姉様!!ああ、早くスキルレベルを上げて肉体を構築したい!!こんなの見せられるだけなんて生殺しです!!!・・・・・椿お姉様!マスターを襲って下さい!!)〉
〈(なっ!?そ、そんなことが出来るわけがないだろう!!?謀反か!!!?)〉
《(違いますよ!?性的にって意味です!!マスターも男の子です!美人でナイスバディな椿お姉様に誘われれば嬉しくないはずがありません!!)〉
〈(おっ、お前とい、いう奴は!?何を考えている!!?)〉
さっきから念話でこそこそと椿とサナが喋っている。僕に聞かせたくないのだろうか、何を喋っているのかわからない。森の規模は考えてもしょうがないからサナに聞いてみよう。一応念話で。
〈サナ、話しているときに悪いんだけどこれから先の森ってどんな感じなの?〉
《へっ?申し訳ありませんマスター!ついついマスターの可愛らしさにやられてしまい説明するのを忘れていました!・・・・第11階層の森ですが、しっかりと手入れが行き届いている感じですね。光を遮断して薄暗いということはありません。》
おお、流石『世界目録』きっちり把握してるんだね。それにしても可愛らしさってそんなに可愛らしいか僕?
「それならば大丈夫そうです。何と言っても私が居た森は薄暗く濃い霧で覆われていましたから。」
「そっか、なら任せようかな。」
「はっ!承知いたしました!」
そんなに固くならなくても良いのに。椿の固い態度についつい苦笑いを浮かべてしまう。
「それじゃあ先に進もうか!」
「《はい!!》」




