再会①
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今日一日で、何年分も力を使い果たしたような気がした。
それでも、なんとか彼女の婚約者の内田雅人さんを見つけることが出来たので、私はホッとしていた。
まあ、一番ホッとしていたのは、ずっと青い顔をして縮こまっていた祐介なんだけど……(笑)
真澄さんは、久しぶりに会えたのだからと……このまま彼女のいる祐介の部屋へ同行することになった。
祐介は、どうやら私と真澄さんの事が凄く気になっているようだった。
「私の光さん」なんて…真澄さんが言ったので、きっと誤解してるんだろう。
わざわざ訂正するのも面倒なので、私は弁解もせずにこのまま放っておく事にした。
色々と私が一人で考えていたら、内田さんが小声で聞いてきた。
「由紀は大丈夫なんでしょうか? きっと…僕のこと恨んでると思うんです。長いことあの場所で動けなくなっていたことを由紀はわかってくれるのか……すごく僕は心配なんです」
もう、死んでるんやけど…この内田雅人さんってめっちゃ細身で長身のイケメンで生きてる頃はきっとモテモテやったと思うねんけど……中身が少し残念すぎる。
気が弱いし、お坊ちゃん的なオーラが漂っていて私が一番苦手なタイプだ。
私は怒鳴りたい衝動をこらえて、イライラする気持ちを抑えるのがやっとだった。
「大丈夫ですよ! 会って事情を話せば由紀さんはわかってくれるはずです! 生きてる間に結婚は出来なかったけど…これで二人一緒に向こう側へ渡って幸せになれるんですからしっかりして下さい!」
必死に引きつる顔をなんとか抑えて…私が作り笑顔で話してると、助手席に座っている真澄さんが肩を震わせてクスクスと笑っていた。
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きっと、私の顔をバックミラーで見ていたんだろうけど……私は気付いていないふりをして内田さんを宥めていた。
祐介のマンションに着いて、私たちはすぐに祐介の部屋へ向かった。
部屋へ入ると、祐介が言っていた通りのめっちゃ可愛い彼女さんが待っていた。
「由紀ちゃん! 遅くなってごめん!」
内田さんは由紀さんに走り寄り、土下座して謝っていた。
「何があったかは全部この人たちから聞いたよ! 僕のせいで由紀ちゃんが自殺してしまったなんて……本当にごめん!」
由紀さんは、急な事で言葉が出ない様子だった。
「僕は、あの日…結婚を反対する両親に絶縁を告げて、結婚指輪を持ってマンションへ向かっていたんだ。それがあの交差点でトラックが突っ込んできて…そのまま死んでしまったらしい」
何だか……ドラマでありそうな話の展開だと、私は二人を見守りながら心の中で少しドキドキしていた。
すると、由紀さんは両膝を付いて内田さんの両手をしっかりと握りしめていた。
「雅人さん。やっと、やっと…来てくれた」
そして、二人は暫く見つめ合ってから…しっかりと抱き合っていた。
「十年も二人は苦しんで来たんですからね。向こう側へ渡ったら今度こそ幸せが待っているはずです」
師匠が二人を見て言った。
私もそう心から願って由紀さんに言った。
「では、由紀さんは私に憑依してこの経文を悔いる思いを込めて書き写して下さい」
由紀さんは頷くと……私に憑依して悔いる思いをすべて込めて書き留めた。
その後、すぐに師匠の実家の神社へ向かいお焚き上げを済まして、二人が向こう側へ渡るのを見届けて時計を見たら午前二時を過ぎていた。




