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迷路の迷路  作者: 畠山葵
3/7

終着

12年という月日の中で、彼は充分愛情もくれていた。

だから私は夢を見るように恋してたのだろう。

何度、彼の前で体長を崩した事か。

その度に優しく看護され、居心地が良かった。


家に帰っても父親は何もしてくれない。

どんなに具合が悪くても、遠い掛かり付けに行くか冷蔵庫に有るものを口にして、寝てるのが精一杯だった。


彼と居ると蝶よ華よと愛でてくれ、身体を拭いてもらったり食事を与えてもらったり、病院への付き添いや心遣いが身にしみていた。

家族にもこんなに優しくないと言ってくれていた。


そんな彼は突然、実家で家業を継ぐと居なくなってしまった。

連絡は取れてももうそこには居ない。

別れ話は引っ越す二週間前に言われた。

その時も話し合ったが、彼は思い出を1つ作って満足したのだろう。

空っぽになった心はがさがさし出してコントロールが利かなくなっていった。

あれだけ夢中になれた仕事も苛々して、次々と積み重ねたものを壊していってしまった。

気づけば居心地の悪い空っぽの私が、繰り返し呼び出されては叱責を受けていた。

仕事だけのダメ出しだけではなく、化粧をしなくなったこと、お洒落をしなくなったこと、窮地に立たされると挽回する事よりも泣き沈む事を激しくなじられた。


咳が止まらない、熱が出る、身体に赤くカサカサの斑点が出る、思いやる言葉より傷つける言葉を探してる、素直な反応が出来ない、お腹は空かない、夜は眠らない、体重は減り意識も朦朧としていた。

客観性を失い主観的にしか、物事も人も判断できなくなり逃げるように辞めてしまった。

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