↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の胸に響く君の鼓動  作者: チームつちのこ
二章 見上げる空

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/20

16話 適正

「僕の……適正」

 そう呟きながら、ペンタ師匠を見つめる僕。


「まずは先程みたいに、魔力を感じる所からかの」

「難しく考えず、やってみなされ」

 そう促され、僕は再び自然体で魔力を感じ取る為に、自身の感能力を高めてみる。



 コツを掴んだからか、先ほどより鮮明に魔力とやらを感じ取ることができている……気がする。


 すると、自身の周りに色のついた風の様なものが纏わりつく。


「収納魔法は、収納していた物質を出す感じでしたが」

「今度は魔力そのものを手のひらの上に出す、といったイメージですかな」

「それが魔法ですじゃ」

 ペンタ師匠が丁寧に魔法の使い方を解説してくれる。



「……なるほど」

「魔力そのものを出すイメージ……」

 僕は右の手のひらの上に、さっき感じた魔力の流れを集める……イメージをする。


 すると、右手の上に野球ボール程の魔力の球?らしきモノが集まって来た。


「へぇ〜」

「これが魔法」

「でも、これペンタ師匠みたいに水とかじゃ無いんだね」

 僕の手の上にあるのは、野球のボール程度の大きさのシャボン玉?にしては割れる気配もないし、どこかに飛んでいく感じでもない。


「ほう……」

「通常であればこの時点で、適正のある属性の色が強く出るものですが……」

 ペンタ師匠はそう言いながら、僕の出した魔力の球を見つめる。



「……色」

 同じ様に、僕もその球を見つめる……が、薄いシャボン玉の様で、特に何色?と問われても無色か透明か、といった感じである。



「これは、何色なんですかね……」

「もしかして、色か薄い?」

「つまり魔法のセンスが薄い……?」

 ある程度のことを浅く広く覚えて来た僕は、一つの事を深く追求して来なかった。

 つまり器用貧乏になっている……そんな自覚はあるが、まさか魔法のセンスまで影響してくるとは。


 まぁ、魔法なんて使う予定も無かったし、仕方が無い。



「ふむ、火の適正ならば……暖色系」

「水や氷ならば、寒色系」

「風は緑系や、土系統は茶色など、基本的な属性ならば、そういった色が鮮やかに出るはずですが」

「この感じ……」

 ペンタ師匠が、僕のシャボン玉を見ながら考えている。



「ふむ、あれですな」

「無属性ですじゃ」

 ひとしきり考えていたペンタ師匠が、僕の方を見てそう言う。



「……無属性」

「つまり、無個性的な?」

 なるほど、魔法適正が無かったって事か。

 少々残念だが、収納魔法は一応使えたので良しとしよう。

 僕はそう思い、自分を慰める。



「基本属性とは違い、珍しい属性ですが」

「魔法が使えないという意味では無いですじゃ」

 少々落ち込んでいる感じの僕を、励ましてくれるペンタ師匠。



「それで……」

「無属性って、どんな事が出来るの?」

 水とか炎なら分かりやすくイメージ出来るが、無属性となると何が出来て何が使えるのか、さっぱりである。



「ふむ、無属性……」

「こればかりは、人によって違いますから」

「ワシにも分かりませぬ」

 ペンタ師匠でも分からないとなると、ますます自分の魔法適正に自信が無くなってくる。



「先程したように、魔法の感能力を高めてみて」

「自身から浮かび上がってくるイメージを、感じてみるしか無いですじゃ」

「ワシは、それが水と氷でしたのでな」

 ペンタ師匠はそう言って、水の球を出したかと思うとそれを氷にして見せる。


 イメージか……確かにペンギンのイメージは、水と氷で間違いないと思う。


 僕の中のイメージ……良く分からないが、何事もひとまずやってみますか。


 そう思い僕は手を前に出して、手のひらを上にしたまま魔法の感能力を高める。


 

 なんとなく目を瞑った方が集中しやすいかと思い、目を閉じた状態で自分の魔法をイメージしてみる。



「……」

「……ぅ〜む」

 といったものの、火とか水とか風とか分かりやすいイメージでは無く、無属性?と言うこともあり、僕は悩ましげな顔をしながら頑張る。



「……ん?」

 すると、心の中なのか奥なのかぼんやり何かが見えて来る。


 それは白くて細い。


 そして長く、どこかに繋がっている感じはするが、先は見えない。



「……糸?」

 なんとなく糸の様なモノは見えた……が、目を開けてみても白い糸が具現化されている訳でもない。


 物質として現れていない……のに、なんとなく感じたり見えてる様な気がする。


 ただ、糸そのものの気配というか……それを感じる感覚だけはある。


 この感覚、覚えがある。

 物を落とした時や、探し物を頼まれた時の探している感じに似ている。


 どこにあるか分からないものを、細い糸を頼りに手繰り寄せていく感覚。

 何故か僕は、そういう落とし物や無くしたものを探して欲しいと頼まれる事が、ままあった。


 自分が無くした訳でもないのに、感覚を頼りに探すと不思議と見つかる。

 そんな事をしていたら、探し物を頼まれる様になった……という感じだ。



「これが僕の、能力?」

 ちょっとした探し物が見つかる能力……なのかな?


 火や水、風といった分かりやすい能力と違って、地味な力とも思えるが……以外に便利かも?なんて思える。


 それは僕自身の能力だから、そう思えるのかもしれない。



「どうやら、感じ取れたようですな」

「あとは、おいおい慣れていけばいいですじゃ」

「ユウ殿の魔法適正は、ちゃんとありましたぞ」

 そう言ってくれるペンタ師匠。

 うん、優しい。



「なるほど……これが能力、というか魔法」

 そう言いながら自分の右手を見つめる……と、



「あれ?」

 再び糸が見える……というか、感じる?


 どこからか長い糸が伸びていて、自分の右手の小指に結ばれているのに気付く。


「赤い?」

 さっきまで感じたり、探し物をしていた時に見ていた糸は白色だった。


 だけど僕の右手の小指に結ばれ、どこかに伸びているその糸は赤色だ。


 白とは違う色もあるんだ……と思いながらその糸を見つめる。

 ふ〜む、色によって効果とか見つけるものの種類が違ってくるのかな?なんて考えを巡らせながら、その糸がどこに繋がっているのか気になってきた。


 ゆっくりと揺れる、その赤い糸の行く先を目で追う僕。



 ゆらゆら……



 ゆらゆら……



「魔法、使えたみたいで」

「よかったわね、ユウ」

 目で追っていた先から、そんな声が聞こえてくる。



 その声は……カティアだ。

 魔法の練習で集中していたからか気づかなかったが……縁側に座り、僕とペンタ師匠の様子を見ていた様だ。


 さっきは顔を赤くして急に部屋から出ていったりして、なんだか心配したけれど、どうやら普段のクールキャラに戻っているようで一安心だ。



 そんな事を考えていると、先程まで見ていた赤い糸の先が、カティアの方に行っている事に気付く。


 自分からの距離が離れると、ぼんやりして鮮明には見えなくなるみたいで、なんとなくの方向しか分からない。


 それでも僕の右手の小指に結ばれてる赤い糸が、カティアの方向に向かって……ゆらゆら揺れている。



 なるほど、この赤い糸はカティアと繋がっているのかな。


 でも赤色って何だろう。

 赤色と言えば警告とか……って、そんな訳無いし。


 赤色……赤い糸……


 ん?



 右手の小指に結ばれた赤い糸?


 それが……カティアと繋がっている!?


「ぇえぇぇ!?」

 思わず変な声を上げてしまった僕。



「どうしたのよ、急に」

 その赤い糸は、カティアには見えていない様で……変な声を上げた僕を訝しげに見つめる。



「ぁ、いや」

「何でもないよ……」

 慌ててそう返答する僕。


 それでも動揺は隠しきれない。


 だって、赤い糸って……それはつまり、


 


 運命の人!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。