第9話 エロティックな装備
「お前に授けるのは、職業――ガンマン」
フォルトゥナの宣言と共に、鈴音の制服が霧散してゆく。
糸が解かれるように、ボタン布地ベルト全てが光に変じて溶け、空気に吸い込まれてゆく。
短く切り詰めたスカートが消え、開けたワイシャツが粒子となって舞い上がる。
一瞬だけ彼女の成熟した身体が露わになった――豊満な胸、くびれた腰、長く伸びた脚。
透けるように白い肌が、虹色の光を反射して妖しく輝く。
そして新たな装備が、彼女の全身を包み始めた。
まず足元に現れたのは、黒革のガーターブーツ。
太腿の中程まである長いブーツは、ヒールが高く歩く度に軽い音を立てる。
ブーツ表面には銀色のバックルが何重にも巻かれ、太腿を締め付けるように固定されていた。
ブーツと素肌の境界からは、僅かに太腿の柔らかな肉がはみ出し、その白い肌が妖艶に映る。
次いで腰から下半身を覆う、黒いレザーのホットパンツが形成された。
だが、それはパンツと呼ぶには短すぎる。
臀部のほぼ半分が露出しており、歩く度に豊満な双丘が揺れるのが見えた。
ホットパンツの縁には銀色の鋲が打ち込まれ、ベルトループには太い黒革のベルトが巻かれている。
そのベルトの左右には、黄金のホルスターが装着された。
革製のホルスターは精巧な作りで、銃の形に合わせて形成されており、表面には雷の紋様が刻まれている。
上半身には、黒革のボディースーツが現れた。
だが、それはスーツというよりも胸と腹を部分的に覆うだけの、大胆なものである。
胸部を覆う革は、下から持ち上げるようなカップ型で、彼女の豊満な双乳を強調していた。
深いブイネックの谷間は胸の大部分を露出させており、呼吸するたびに柔らかな膨らみが揺れる。
胸の中央には銀色のバックルが嵌め込まれ、そこからは細い革紐が伸びて首の後ろで結ばれていた。
首元を締め付ける革紐が、まるで首輪のように彼女の白い首筋を際立たせる。
腹部は完全に露出していた。
くびれた腰から臍にかけての滑らかな曲線が、何の遮蔽もなく晒されている。
腰の両脇には、細い革紐が垂れ下がり、動く度に肌を撫でた。
肩から腕に掛けては、黒革のアームカバーが装着された。
肩は完全に露出しており、二の腕の柔らかな肉が僅かに揺れる。
アームカバーは、肘から手首まで覆い、指先は露出していた。
手の甲には銀色のプレートが嵌め込まれ、そこには雷の紋章が刻まれている。
そして最後に両腰のホルスターに、二丁の黄金のリボルバーが収められた。
その銃は明らかに装飾品ではない。
黄金に輝く銃身には、古代文字のような複雑な刻印が、びっしりと彫られている。
回転式の弾倉は六発装填で、その内部には淡い紫光が宿っていた。
銃口の内部からも同じ紫光が漏れ出し、触れるだけで魔力を感じさせるようだ。
グリップ部分には黒檀のような木材が使われており、そこにも雷の紋様が象嵌されている。
装備を纏う鈴音の姿は、まさに戦場の女王のようだ。
露出度の高い黒革の戦闘衣装が、彼女の妖艶な身体を際立たせている。
腰に収められた二丁の黄金のリボルバーが、鈴音の危険な美しさをさらに強調していた。
そして声が封じられているため何も言えないが、彼女の唇が僅かに動き満足げな笑みを浮かべる。
その表情には明らかな悦びと高揚が含まれていた。
「その武器、名を雷光の穿弾という」
人差し指を鈴音の武器へと向けながら、フォルトゥナは告げる。
すると鈴音は、左腰のリボルバーを引き抜いた。
滑らかな動作で銃を抜き、引き金にそっと指を掛ける。
弾倉が自動で開き、そこに彼女の魔力が流れ込んだ。
瞬間、弾倉が青白い光に包まれる。
雷の奔流。指先から銃身を伝い弾丸に流れ込む魔力は、まるで生命のように脈動していた。
弾丸の一つ一つが輝き始め、その光は徐々に強くなる。
「雷光の力を、弾丸に封じ込める術式じゃ。その発動には集中力を要するが、放たれた弾丸は雷の速度で敵を貫通し、内部から破壊する。貫通した後も、体内には雷の余波が残り、持続的な破壊が加わる仕組みとなっておる」
淡々と説明するフォルトゥナの口調は何処か楽し気だ。
だが、それを聞いて鈴音の口が大きく弧を描く。
そして彼女は銃を空に向けて発砲した。その音は雷鳴にも似ている。
空間に雷が駆け巡った。
青白い閃光が天井のない天蓋を貫き、一瞬辺り一帯が昼間のように明るくなる。
雷の軌跡は消えた後も残像として、空気に焼き付き焦げた臭いが漂う。
鈴音は微笑を浮かべながら、二丁目のリボルバーも引き抜いた。
両手に黄金の銃を持ち、手元で遊ばせるように回転させてから、ホルスターへと戻す。
「リロードの際は、弾倉に直接魔力を注ぎ込むがよい。魔力量が少ないと弾が不安定になり、誤爆もあり得る。扱いには注意せよ」
凛とした声を出しつつ視線を強めると、フォルトゥナは警告を口にした。
そして圧倒的な力を手に入れた鈴音が放つ空気は、先程までの雰囲気とは別物。
周囲の生徒たちも、圧倒されているほどだ。
あの宝条鈴音――あの一軍女子の象徴が、確かに力を手に入れたのである。
その後、魔法陣の輝きが収束し、虹色の光は徐々に消えてゆく。
そして白銀の髪を靡かせながら、フォルトゥナは静かに視界を巡らせる。
その冷ややかなとも言える眼差しが、ある少女に定められた。
「次は……お主じゃな」
彼女の指が、羽佐田麗華を指し示す。
名前を呼ばれた瞬間、彼女の身体が僅かに強張る。
だが変に怯みはしない。
麗華の大きく丸い水色の瞳は、いつもの眠そうな表情を保ったまま女神を見返していた。
「そなたに与える職業はシールダー。そして武器は大楯。防御を極し者として、戦場の最前線に立つべき存在である」
フォルトゥナは静かに言葉を続けると、空気が僅かに揺れた。
その刹那、麗華の足元から光が立ち昇る。
虹色の輝きが彼女の全身を包み込み、その輪郭を神々しく縁取った。
制服が音もなく解け、光と共に消滅する。
ふわふわとしたブラウスが粒子となり舞い上がり、フリルの付いたスカートが消えていく。
一瞬だけ彼女の華奢な裸身が露わになった――控えめながらも形が整えられた胸、細くくびれた腰、白く滑らかな肌。
次の瞬間、麗華の体に現れたのは、戦士としての新たな姿だ。
まず足元に、白と水色が混ざり合う、ニーハイブーツが現れる。
太腿の中程まである長いブーツは柔らかな革でできており、ところどころに銀色の装飾が施されていた。
ブーツの上部には白いフリルがついており、太腿との境界を可愛らしく飾っている。
だがブーツから露出した太腿の白い肌は、その可愛らしさとは裏腹に妖艶だ。
次いで下半身を覆う装備が現れる。
だが、それは殆ど布が無いに等しい。
腰には白と水色のベルトが巻かれ、そこから前後に布が垂れ下がる。
前面の布は腰から股間を隠す程度の短さで、太腿の付け根かがほぼ完全に露出していた。
後ろ側の布も同様に短く、臀部の膨らみが半分以上見えている。
布の縁には銀色のレースが施され、動くたびに左右に揺れた。
上半身には白と水色のボディーアーマーが装備される。
だが、それは鎧というよりも胸と肩を部分的に覆うだけの露出度の高いものだ。
胸部を覆う装甲は控えめの胸の形に合わせて整形されており、下から持ち上げるように支えている。
胸の谷間は完全に露出し、アンダーバストから腹部に掛けては何の遮蔽もない。
くびれた腰、平らな腹部、臍――すべてが剥き出しだった。
肩には丸みを帯びた装甲が装着されているが、二の腕は完全に露出している。
腕は白い革の篭手が装備され、肘から手首まで覆う。
手の甲には銀色のプレートが嵌め込まれ、指先は露出している。
首元には白と水色のチョーカーが巻かれ、そこから細い鎧が垂れ下がり胸の装甲に繋がっていた。
髪は依然としてツインテールのままだが、それぞれの毛束に銀色のリボンが結ばれ動く度に、きらきらと光る。
そして背中に、巨大な楯が背負われた。
その楯は麗華の小柄な身と比較して、圧倒的に巨大である。
縦は彼女の身長ほど、横幅も彼女の肩幅の倍はあるのだ。
楯の表面は白と水色が混ざり合う金属で出来ており、まるで氷と雪を固めたような美しい輝きを放つ。
中央には複雑な魔法陣が刻まれ、その周囲には雪の結晶のような紋様が無数に描かれている。
縁には銀色の鋲のような装飾が施され、その重量感は一目で尋常でないことが分かった。
そして彼女は声が封じられている事から喋れないが、口元が僅かに動くと艶やかな笑みを浮かべる。
麗華は片手で楯の縁をなぞりながら、その可愛らしい顔にある種の誇らしさと、確信に満ちた危険な雰囲気を晒す。
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