第10話 次々と与えられる装備と能力
「そなたの能力は――鉄壁防御」
人差し指を彼女の楯に向けながら、フォルトゥナは説明を行う。
だが、その説明を行うと同時に、大楯が低く唸りを上げた。
地面から立ち上がるようなエネルギーが、麗華の足元から盾へと流れ込んでゆく。
「発動の際は、楯を構え、両脚を地に固定する。その状態にて意識を集中すれば、大楯は全ての攻撃を受け止め、そなた及びその背後の者たちに一切の害を及ぼさぬ。物理、魔法を問わぬ完全防御――それがこの技の真髄なり」
フォルトゥナが、淡々と能力の話を続けていくと、唐突に楯が煌めき始める。
薄く青い光が全体を覆い、その中心にあった魔法陣が、鮮やかに浮かび上がった。
雪の結晶のような紋様が回転し始め、楯全体が氷のように輝く。
麗華は、ゆっくりと右脚を前に出し、大楯を構えた。
小柄な体に不釣り合いなほど、巨大な楯を彼女は軽々と持ち上げる。
その動作には無駄が無ない。腰を落とし両脚を踏みしめ意識を集中させた。
太腿が露出した脚に力が入り、筋肉が僅かに浮き上がる。
白い肌が緊張で紅潮し、汗が一筋太腿を伝い流れ落ちた。
瞬間、楯が唸り強烈な防御陣が展開される。
青い光が空間を包み込む。風が巻き上がり周囲の空気が圧倒された。
生徒達たちの間に、ざわめきが走る。
結界の中心に立つ麗華は静かに目を閉じると、気分を高揚させているのか白い歯を見せた。
「防御を極めるには、攻撃の基礎なり。其方は戦場において、仲間を守る礎であれ」
彼女の様子に満足げに微笑み、そんな言葉をフォルトゥナは口にする。
そして楯の光が収束してゆく。重厚な空気が解け、時間が再び流れ出す。
そんな中、フォルトゥナの瞳が僅かに動き、視線が一人の少女に注がれた。
そう、天原姫香にである。女神は彼女の名を呼ばない、ただ視線を送るだけで告げた。
「そたなに与える職業は――戦記姫」
フォルトゥナの言葉が空間全体に響いた瞬間、姫香の足元に魔法陣が広がり、その紋様が虹色を帯び渦を巻くように蠢き始める。
「武器は――聖剣ヴァイオレット。毒を纏い、舞う剣。その刃に斬られた者は、ただ死を待つのみ」
人差し指を彼女に向けつつ、フォルトゥナは重々しい声で呟く。
そして雷鳴のような衝撃が、地面から天井まで駆け抜けた。
「能力は猛毒の舞……軽やかなる肢体を活かし、舞のごとき連撃により毒を撒き散らすもの。中級程度の身体強化を含み、そなたの素早き動作にさらなる鋭さを与える」
両腕を組みながら、フォルトゥナは淡々と、その技の説明を語り始める。
だが、その説明が終わると同時に、姫香の身体を包み込むように虹色の光が立ち昇った。
それは純粋なる神性の顕現でありながら、どこか艶めかしく見る者の心に不穏な期待を抱かせる。
制服が一瞬で霧のように崩れ、彼女の白く滑らかな肌が露わとなった。
細身で均等の取れた体型、無駄な肉が一切ない美しい肢体――白く陶器のような肌が虹色の光を反射して妖しく輝く。
そして、新たな衣装がその肌に現れる。
最初に現れたのは、艶やかな黒革のニーハイブーツだ。
太腿の上部まで達する長いブーツは、ぴったりと脚に密着しその曲線を強調している。
ヒールは細く長く、十センチ以上はあろうかという高さだ。
ブーツの太腿部分には紫のレースアップが施され、まるでコルセットのように肌に食い込んでいる。
レースの隙間からは、白い太腿の肉が僅かに覗いていた。
ブーツの縁からは、むっちりとした太腿が露出し、その白い肌が妖艶に光っている。
腰部分には紫の薄布が巻かれていた。
だが、それはスカートと呼ぶには短すぎ細すぎる。
前面は股間を辛うじて隠す程の、三角型の布でサイドは完全に開いていた。
太腿の付け根から腰骨にかけての曲線が丸見えである。
後ろ側も同様で臀部の丸みがほぼ完全に露出しているのだ。
腰のベルトには金色の鎖が何本も垂れ下がり、歩く度に軽い音を立てて太腿を撫でる。
布の下には紫のレース地の下着が透けて見えた。
さらに驚くべき事に太腿には、黒いガーターベルトが巻かれている。
細い革紐が太腿に食い込み、白い肌を一層際立たせているのだ。
ガーターの留め具は金色で、紫の宝石が埋め込まれている。
上半身を覆う装甲は、もはや防具というよりも、身体を飾る為の装飾品だ。
胸を覆う部分は極めて、小さなメタルビキニのような形状をしている。
黒い金属製のカップは、胸を下から持ち上げ、豊満な膨らみを強調していた。
カップの面積は小さく、乳房の上半分がほぼ露出している。
深く開いた谷間からは、柔らかな双乳の内側が覗いていた。
カップの縁には、紫の宝石が連なり、呼吸するたびに光を放つ。
カップ同士を繋ぐ部分は細い金色の鎖だけで、胸骨の部分が完全に露出していた。
そこから、さらに細い鎖が伸び、首元のチョーカーに繋がる。
まるで首輪と鎖で拘束されているかのようだ。
胸部は完全に剥き出しである。
くびれた腰に平らな腹に臍、そして白く滑らかな肌が、何の遮蔽もなく晒されているのだ。
肋骨の下から腰骨にかけて、金色の鎖が何本も這うように巻かれており、動く度に肌の上を滑る。
肩部分には小さな紫の肩当があるだけで、二の腕や腋や背中など大部分が露出していた。
腕には黒革のロンググローブが装着され、膝上から指先まで覆う。
グローブの表面には紫のレースが編み込まれ、まるで高級娼婦のような艶めかしさを醸し出している。
背中には短い紫のケープが垂れ下がっているが、それは腰までしかなく背中の大部分と臀部は露出したままだ。
ケープの裾には金色の刺繍で、毒蛇の紋様が描かれている。
首元には太めの黒革のチョーカーが巻かれ、中央には紫の大きな宝石が埋め込まれていた。
そこから細い金色の鎖が四方に伸び、胸の装甲肩当て背中のケープに繋がっている。
まるで姫香の全身が鎖で縛られているかのようだ。
髪は依然としてロングヘアのままだが、ハーフアップに結ばれた部分には紫と黒のリボンが結ばれ、そこには毒々しく光る宝石が埋め込まれている。
そして最後に彼女の右手に、一振りのレイピアが出現した。
細身で優美な剣。刀身は漆黒で、まるで夜の闇を切り取ったかのように光を吸い込む。
その表面には紫色の霧が這うように立ち昇り、刃全体が毒に覆われていることが一目で分かる。
柄は深緑の革で巻かれ、手に吸い付くような握り心地を約束しているかのようだ。
鍔は金色で毒蛇が絡み合う紋様が彫られている。
刃の根本には古代のルーン文字が刻まれ淡い光を放つ。
そして完成した姿を見て、悠真を含めて周囲の生徒たちは息を呑んだ。
姫香は、もはや一般の女子高校生ではない。
戦場の女王――いや、毒の女神とでも呼ぶべき存在に変貌していた。
ほぼ全身が露出した黒と紫の装備は、彼女の白く滑らかな肌を際立たせ、高貴でありながら淫靡な雰囲気を漂わせている。
長い黒髪が背中に流れ、切れ長の赤紫の瞳には、冷たく傲慢な光が宿った。
手に持つレイピアからは紫の毒霧が立ち昇り、姫香に死神のような危険な美しさを与えている。
彼女の声は封じられて何も言えないが、それでも唇が僅かに動くと、その口の動きには胸酔と満足が滲んでいた。
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