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「お前は戦力外だ」と追放されたカードゲーマー、伝説級レアカードで無双する ~元クラスメイトたちは没落したけど、俺は美少女パーティーとダンジョン配信で大成功しました~  作者: どすこい。お嬢様
第一章

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第11話 陰キャグループまでもが……

「その武器は、そなたの如く軽やかな戦士にこそ最適。舞の如き連撃にて、毒を敵に注ぎ込み、時間と共にその命を蝕む。防御を重視する敵であれ、毒はその肉体を崩壊させるだろう」


 恐ろしく落ち着いた口調で、フォルトゥナは内容を物語る。

 そして、それを聞いた姫香は、その場で試すようにステップを踏んだ。


 彼女の動きは一言で表すなら軽い。まるで空気をも舞台にしているような動き。

 高いヒールを履いているにも関わらず、彼女の脚さばきは華麗だ。


 レイピアを軽く振るうと、紫の霧が軌跡を描いて空間に広がる。

 その霧に触れた空気が、微かに科学的な臭いを放つ。


 姫香は優美に微笑むと、声が封じられている口を軽快に動かし、何かを言い放つ。

 それは見るからに、歓喜の言葉を口にしている様子だ。


 その後、展開されていた魔法陣が静かに沈黙を取り戻すと共に、異空間の空気も落ち着きを見せた。

 しかし、姫香はレイピアという武器が心底お気に召したのか、何度も軽く振るい空を切るとポーズを決めたりして、まるで舞台女優のような振る舞いを晒す。


 そしてフォルトゥナは意識を姫香から外すと、感情を欠いたような眼差しを残りの生徒達へと投げる。

 その動作に慈悲や選定の神意はない。

 まるで誰かが用意した配役表に沿って、役割を割り振るように彼女は語り、与え、黙し、次々と進んでゆく。


「職業、炎術師。武器は緋の環。能力は劫火の陣――炎の魔法陣を展開し、敵を焼き尽くす術じゃ」


 フォルトゥナが人差し指を、一人の男性生徒に向けると、その者の身体が虹色の光に包まれた。

 制服が霧と化して消えて、代わりに現れたのは、深紅のローブと黒革の戦闘服。


 腰には炎の紋様が刻まれた、金属製の環が浮遊し彼の周囲を旋回している。

 装備を纏う男子生徒の姿は、まさに炎の魔術師のようだ。


「職業、重槍騎士。武器は雷裂のランス。能力、貫雷突――雷を纏った槍で敵を貫く、一撃必殺の技じゃ」


 先程の者に職業など諸々を与えた後、フォルトゥナは矢継ぎ早に、次の男子生徒に人差し指を向ける。

 指名された男子生徒の身体が光に包まれた。


 銀色の重厚な鎧が彼の身体を覆い、背中に巨大な槍が装着される。

 槍の穂先からは、蒼白い雷が迸り空間を震わせた。


「職業、夢幻弓手。武器、幻糸の弓。能力、矢継ぎの儀式――一本の矢が無数に分裂し、敵を射抜く技じゃ」


 まるで流れ作業のようにフォルトゥナは、次の男子生徒に視線を向けて指で差し示す。

 すると三人目の男子生徒が光に包まれ、緑と銀の軽装鎧が現れる。


 背中には優美な曲線を描く弓が装着され、その弦は虹色に輝いていた。

 その後もフォルトゥナの声が、機械のように淡々と響き渡る。


 それに伴い生徒たちの身体が、次々と虹色の光に包まれていく。

 柔らかくも刺すような輝きが彼らを吞み込み、制服が霧と化して空中に散ると新たな装備が、その肉体に装着されていくのだ。


 男子生徒達の装備は総じて、重厚かつ洗練されたものが多い。

 漆黒のクロークに覆われた魔術師、血鉄色の胸当てと重剣を構える剣士、金属光沢を帯びたバイザーを

 

 装備するガンナー、硬質な甲冑に覆われた騎士――いずれも戦闘的でありながら、デザインに無駄がなく、見目にも映える。


 そして職業や能力を与えられた男子生徒たちは、一軍の者たちと同様に自分に与えられた力を確かめるように、剣を振ったり魔法を放ったりして、気分を高揚とさせて白い歯を晒していた。

 だが一方で女子生徒たちは――まったく異なる意図が感じられる装備が用意されている。


「職業、踊り子。武器、風の扇。能力、魅惑の舞――舞で敵を魅了し、動きを封じる術じゃ」


 一人の女子生徒にフォルトゥナは徐に人差し指を向けると、その者の身体は瞬く間に光に包まれた。

 制服が消えていくと、彼女の顔が一瞬で紅潮する。


 その後、布地が極端に少ない衣装が現れた。

 胸を覆うのは、小さな三角形の布だけ。


 それは下から乳房を持ち上げるように支えているだけで上半分はほぼ露出している。

 腹部は完全に剥き出しで腰には薄い布が巻かれているだけ。


 太腿の付け根から脚全体が丸見えになっている。

 女子生徒は必死に胸と股間を手で隠そうとするが、装備は身体に密着しており外す事も隠すこともできない。


 肩を震わせて顔を真っ赤にして俯く。

 周囲の男子たちの視線が、彼女の露出した肌に注がれてゆく。


「職業、聖歌巫女。武器、祈りの鈴。能力、祝福の旋律――歌で仲間を癒し、力を与える術じゃ」


 女神フォルトゥナは再び別の女子生徒を指名すると、その者もまた他の人と同様に光に包まれる。

 現れたのは白を基調とした巫女装束。だが、それは通常の巫女装束とはかけ離れていた。


 胸元は大きく開き、谷間が完全に露出している。

 スカート部分には前後に布が揺れているだけで、横から見れば太腿から腰に掛けての曲線が丸見えだ。


 彼女も顔を赤くして、必死に布を引っ張って隠そうとするが、布は短すぎて何も隠せない。

 周囲の男子生徒たちの性欲旺盛な意識は、自然と露出の激しい女子生徒へと集まる。


 そしてフォルトゥナは女子生徒から視線を外すと、その後も淡々と事務の手続きを行うかのように、残りの女子生徒たちにも職業や能力を与えていく。


 すると女子生徒全員に、露出度の高い装備が与えられた。

 ある少女には、下乳を露わにする銅のビスチェが与えられ、胸部には何の防具もない。


 太腿の付け根まで露出した、ハイグレ状のレザー装備を穿かされ、太ももが大胆に剝き出しとなる。

 別の少女は背中が完全に開いたバトルドレス風の衣装に身を包まれ、腰布が風に煽られる度に下着にすら見える布地が覗いた。


 さらに別の少女は胸元が深く開いたローブを与えられ、谷間どころか乳房の大部分が露出している。

 スリットが腰まで入ったスカートは、歩く度に太腿から臀部までが見えそうだ。


 声を封じられた女子たちは、悲鳴や文句を言いたくとも何も言えない。

 ただ、その顔は真っ赤に染まり、目には涙が浮かんでいる。


 必死に手で身体を隠そうとするが、露出した部分が多すぎて隠し切れない。

 肩を震わせる者脚を閉じて座り込む者、スカートのようなものを何度も引き下ろそうとする者。


 だが装備は身体に密着しており、ずらすことも外す事も叶わない。

 それを男子たちの多くが視線で追っていた。


 恥ずかし気に目を逸らす者も居たが、あからさまに目を凝らす者も居る。

 その瞳は欲望と困惑の狭間に有り、空気は次第に熱を帯びていく。


 そして女神フォルトゥナは無表情のまま、残りの女子生徒たちに職業や能力の配布を続けた。

 その語り口は情を欠き、命を与えているはずなのに、どこか玩具を渡しているような軽薄ささえ感じれる。


 だが――不意に女神の視線がとある男子生徒に向けられた。

 それは依然として気絶している陰キャグループの一人、田中恭一である。


「職業、アサシン。武器、黒牙の双刃。能力は瞬絶連斬――影より速く、音を置き去りにする暗殺の技じゃ」


 暫し悩んだ素振りを見せると、フォルトゥナは口角を上げて、その言葉を呟く。

 すると気絶状態のまま、恭一の身体が虹色の光に包まれた。


 次の瞬間、現れたのは別人のような姿である。

 漆黒の装束が、その身体を包み下半身には緻密なレザーのベルトと、機能的なポーチが複数備わっていた。


 背中から腰に掛けては、鋭利な曲線を描く短剣が二本、交差するように装着されている。

 顔には黒い布で口元が覆われ、目元だけが露出していた。


 なにより――まるで雰囲気が違う。

 鋭く引き締められた体に、長めの前髪が影を落とし、全身から凛とした気配が滲み出ている。

 それは今までの教室の端の住民の恭一とは、まるで違う別人のようだ。

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