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「お前は戦力外だ」と追放されたカードゲーマー、伝説級レアカードで無双する ~元クラスメイトたちは没落したけど、俺は美少女パーティーとダンジョン配信で大成功しました~  作者: どすこい。お嬢様
第一章

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第6話 泣き出すクラスメイトたち

「いやぁ、ぎりぎりで思い出せてよかったよかった。このままお前達をユグ=リオニアに飛ばしていたら、一時間も経たないうちに魔物の晩飯になっておったぞ。あはははっ!」


 その笑いは朗らかであるはずなのに、どこか狂気めいていた。

 場の空気は、ひんやりと凍り付いてゆく。

 それを聞いて、口を封じられた生徒達は、次第に反応を見せ始める。


 天原姫香は、紅潮した頬を青ざめさせ口元を震わせて、その場にへたり込んだ。

 宝条鈴音は、肩を抱いて自らを必死に抱き締めながら、泣き声を漏らす。

 桐生樟葉は、強気な顔を作ろうとしていたが、口元が引きつっているのは明らかだ。


 佐々木奏恵が、(樟葉)の背中を撫でて支えるように寄り添うも、その手も僅かに震えている。

 そして担任である荒川千秋も、また他の者と同様に顔を青ざめさせながら立ち尽くすが、胸元で握られた両手が震え、無意識に足を擦り合わせていた。


 更に周囲からは、鼻を啜り上げる音が、あちこちから聞こえてくる。

 その中には嗚咽が抑えきれず、漏れる者も当然いた。

 しかも未知への恐怖に精神がやられたのか、ついに失禁してしまい足元に水溜まりを作る女子生徒の姿もある。


 そして陰キャと称されるグループは、依然として失神状態のようで、誰一人起き上がらず地に横たわっていた。

 だが女神フォルトゥナは微笑を浮かべながら、そんな生徒たちの醜態を眺めている。

 その目には同情の色も、興味すらも浮かんでいない。


「いいか? 今からお前達には”職業(ジョブ)”と呼ばれる特殊な力を、我が自ら授けていく。ユグ=リオニアではこの力がなければ、ダンジョン攻略はおろか、日常生活すら困難じゃ」


 フォルトゥナの声は低く、真剣な眼差しで語り掛けた。


「まあ、女達ならまだ娼婦としての道があるかもしれんがな」


 一拍の間、彼女は敢えて言葉を切り、沈黙を作り上げた。

 そんなフォルトゥナの言葉に、女子生徒たちは一斉に息を呑む。

 怒りと屈辱に燃える目、絶望の色を堪えた目、そしてすでに諦観すら浮かべた目。反応は様々だ。


「対して男は……何の価値もない」


 冷酷にフォルトゥナの言葉は、男性生徒たちへと突き刺さる。


「戦う力が無ければ奴隷として扱われ、道楽貴族の遊び道具として殺されるのが落ちじゃ」


 それは決して脅しなどではなく、彼女の目からは明らかに事実として語られていた。

 異世界で生き残るには、力を持つしかないのだと。


 だがそんな中、ただ一人、東雲悠真だけは冷静だった。

 ――いや、正確には冷静を装っている、というべきか。

 彼の目は、ゆっくりと異空間全体を、見渡していた。


 顔色に大きな変化はなく、ただその瞳の奥で冷静に、情報を整理している。


(これは……ラノベとか、そういうジャンルでよく見る”異世界転移の前段階”ってやつに似ているな)


 ラノベや深夜アニメに関心がある、カードゲーマーの悠真の思考は、素早く冷静だった。


(女神フォルトゥナと名乗る存在が現れて、俺達に異世界での生存を語っている。しかも、この空間……確実に現実のものではない。恐らく、ここで無理に騒げば、彼女の意思一つで、簡単に俺の命は終わりを迎える……)


 彼は息を一つ吐き、ほんの少しだけ目を閉じる。


(だが……直ぐに帰れないのは普通に困るな。駅前のカードショップで、予約してた新弾のボックス、近々取りに行く予定だったのに。それに好物のチーズ牛丼も……しばらくは食えそうにないか)


 そんな事を心中にて思いつつも、悠真はフォルトゥナの姿を見つめた。


(にしても……あの女神フォルトゥナという女性……あれは紛れもなく本物。俺達の生殺与奪を、完全に握っている時点でも、それは確かなこと。なにか下手に出れば、即ゲームオーバー。ここは、慎重に対応しないといけない)


 冷や汗のようなものが額から頬を伝い流れ落ちていく、こそばゆい感覚を受けながらも悠真は静かに事の行く末を見守る。


「さて……まずは、お前からじゃな」


 フォルトゥナが視線を向けたのは、一組の担任――荒川千秋だ。

 女神が人差し指を掲げ、その指先が淡い金色の光を放ち始める。

 やがて、それは虹色の光へと変化し、千秋の身体を包んでゆく。


 彼女の小柄な体が光に包まれる。

 千秋は服の上からでも分かるほどに震え、口を開いて叫ぼうとしたが――声は出ない。

 魔法により口が封じられているからだ。


「お前に与える職業は治癒術師。そして能力は――”メディカリスト”。癒しと支援の系統に属する能力じゃ。攻撃手段は持たぬが、味方の生命を繋ぎ止める重要な役割を担うことになる。だが一人では何も出来ぬ。戦闘に出れば即座に命を落とすであろう」


 そうフォルトゥナが言うと同時に、虹色の光が一層強く輝いた瞬間、千秋の身に異変が起きた。

 まず彼女が身に付けていた衣服が光の粒子となり溶けていく。

 下着までも同様に消失し、一瞬だけ彼女の裸身が露わになった。


 二十六歳の成熟した女性の身体――小柄ながらも女性らしい丸みを帯びた胸、くびれた腰、柔らかそうな太腿。


「っ”――――!」


 驚愕の声のようなものを漏らしながら、千秋は慌てて身体を隠そうとするが、次の瞬間には新たな装備が彼女の身を覆い始めた。


 まず胸部に白い布が巻き付く。

 しかし、それは胸を覆うというよりも、下から持ち上げて強調するような形状だ。


 布は胸の下半分を支えているだけで、上半分はほぼ露出している。

 深い谷間が完全に見え、呼吸する度に柔らかな膨らみが揺れた。


 肩から腕に掛けては白い袖が現れたが、肩そのものは剥き出しのままである。

 腰から下には白を基調とした布が現れた。

 だが、それはスカートというよりも、前後に垂らした布といった方が正しい。


 前面の布は膝上まであるものの、両脇は完全に開いており、太腿の付け根から脚の曲線が丸見えになっている。


 後ろ側の布も同様で、歩く度に臀部の丸みが覗いた。

 腰には細い金色の装飾帯が巻かれ、そこから小さな鈴のようなものが、いつくも下がっている。


 動く度に軽やかで可憐な音を立てた。

 太腿には白いニーソックスのようなものが装着されたが、それは膝上までしかなく、太腿の大部分が剥きだしである。


 足元には白いサンダルが現れた。

 最後に千秋の黒髪に白い飾りが添えられ、手元には金色の装飾が施された杖が握られる。


 杖の先端には、緑色の宝石が輝いていた。

 光が収まり彼女の体から虹色の残光が抜ける。


「っ”!……っ”!」


 千秋は自分の姿を見下ろし顔を真っ赤にした。

 胸元の大胆な露出。太腿が丸見えの布、動く度に揺れる身体――どれもこれも教師としての彼女には耐え難いものなのだろう。


 千秋の表情は困惑と恐怖、そして羞恥に満ちていた。

 唇は震え、喉は声を押し殺し、目には未だ消えぬ疑念が残されている。

 両腕で必死に胸元を隠そうとするが、腕で押し上げられた胸は、かえって谷間を強調してしまう。


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