第22話 死が一番近い場所ゆえに娯楽は多い
そして、その多くが特に女性たちが驚くほど、露出度の高い服装をしている。
通りの角には、豊かな金髪を三つ編みにしたエルフの女性が立つ。
長身で均整の取れた肢体。
身長は優に百七十センチを超えているだろう。
その身体を包むのは、軽装の革鎧――だが、その露出度は常識を超えていた。
胸部を覆う革の装甲は、下から乳房を持ち上げるように支えているだけで、上半分はほぼ露出している。
深い谷間が完全に見え、呼吸するたびに豊満な双乳が揺れた。
装甲の縁には金色の装飾が施され、その中央には緑の宝石が埋め込まれている。
腹部は完全に剥き出しだ。
引き締まった腹筋、くびれた腰――すべてが白い肌のまま晒されている。
腰には細い革のベルトが巻かれ、そこから短い布が前後に垂れ下がっているだけ。
太腿の大部分が露出しており、長く伸びた脚が目を引いた。
足元には黒革のロングブーツ。
太腿の中程まである長いブーツは、ヒールが高く、歩くたびにカツカツと音を立てる。
ブーツから露出した太腿の白い肌が、妖艶に光っていた。
腰のホルスターには複数の短剣が揺れており、彼女が冒険者であることを示している。
だが、その露出度の高さは、明らかに男たちの視線を集めることを意識したものだ。
彼女は笑みを浮かべて通行人を見やる。
その目元には、化粧のような魔法刻印が刻まれており、瞳は淡い緑色に光っていた。
エルフ特有の長い耳が、髪の隙間から覗いている。
その少し先には、獣人の女性がいた。
猫のような耳と尻尾を持つ彼女は、青銀のスリットドレスを着ている。
だが、そのドレスは驚くほど露出度が高かった。
胸元は深く開き、谷間どころか乳房の大部分が露出している。
ドレスは胸の下で結ばれているだけで、下乳が僅かに覗いていた。腹部は完全に剥き出しで、くびれた腰のラインが強調されている。
スカート部分は腰から垂れ下がる布で、前面には長いスリットが入っていた。
そのスリットは腰まで達しており、歩くたびに太腿から腰にかけての曲線が丸見えになる。
後ろ側も同様で、臀部の丸みがはっきりと分かった。
足元には踵の高い魔導靴。
黒い革でできた靴は、歩くたびに金属音を鳴らす。
細い足首から伸びる長い脚が、ドレスのスリットから艶めかしく覗いていた。
顔立ちは人間に近いが、猫耳がピクリと動くたびに、通りの男たちの視線が彼女に集まる。
尻尾も揺れており、その動きがまた妖艶だ。
彼女は酒場へと吸い込まれていく。
さらに、鍛冶屋の前にはドワーフの女性がいた。
筋肉質で小柄――身長は百五十センチほどだろうか。
だが、その身体つきは驚くほど女性らしかった。
彼女は鍛冶屋用の革エプロンを着ている。
だが、そのエプロンは胸と股間を隠すだけの最小限のもので、ほぼ全身が露出していた。
張りのある豊満な胸が、エプロンの縁から溢れそうになっている。
横から見れば、乳房の側面が完全に見えた。
背中は完全に剥き出しで、筋肉質ながらも女性らしい曲線が美しい。
腰から下も、エプロンが前面を隠すだけで、横と後ろは露出している。
引き締まった臀部と太腿が、浅黒い肌のまま晒されていた。
足元には頑丈なブーツを履いているが、それ以外はほぼ裸に近い。
大槌を担ぎながら歩く彼女の身体には汗が滲み、その筋肉が動くたびに光を反射する。
額にはバンダナを巻いており、灰色の瞳が鋭く光っていた。
街の一角には、明らかに冒険者とは異なる、派手な装飾と色気を纏った女たちが出入りする建物もある。
その建物は愉悦の館と名付けられており、暗紅色の石材と艶めかしい意匠が外観に施されていた。
三階建ての建物は、窓が多く、そのほとんどに半透明のカーテンが垂れ下がっている。
カーテンの向こうには、女たちの影が揺れていた。
入口からは、妖艶な音楽と香の匂いが漂っている。
甘く、どこか官能的な香り。通りがかる男たちを誘うように、呼び込みの女たちが手を振っている。
彼女たちの服装は、さらに露出度が高い。
胸をほぼ完全に露出させた者、腰から下が透ける布だけの者、全身に薄い布を纏っただけの者――いずれも、明らかに男を誘惑するための装いだった。
「これが……ダンジョン内の街ってやつか……?」
悠真は思わず言葉を漏らす。
「まずは我が部下達が、この街を案内しよう。そして貴様らには、この世界の雰囲気というものに慣れて欲しい。詳しい話や魔法などの特訓は後日行う!」
鋭い視線を悠真たちに向けると、ラヴィニアは踵を返し、一人何処かへと歩き去っていた。
その背中には一切の迷いがない。
「それでは案内を始める。無論、質問があれば随時受け付けよう」
レオノーラが一歩進み出て、一行に向かって毅然とした声を張る。
そして案内が始めると最初は街の北端にある防具店からだ。
分厚い革鎧や魔力を帯びた金属製の甲冑、更には皮膚を露出することにより魔力通過を効率化するという、奇妙な意匠の軽装備まで取り揃えられている。
「おい、これ、ただのエロ装備じゃねぇか……」
一人の男子生徒が引きつった笑いを浮かべながら呟く。
彼が手に取ったのは、布地の面積が極端に少ない黒いレオタードのような装備だ。
「え、逆にありじゃね? 痴女ぽっくて」
横から覗き込んだギャル系の女子が悪びれず笑う。
続いて一行は食料品店街へ。
煙を上げる串焼き肉、香ばしいチーズを乗せた黒パン、果実酒の匂いが通りに充満していた。
「うわ、マジ腹減った。ねぇ、何か食ってもいい?」
「我慢しろ。食事は夜だ」
レオノーラが凛然と静止すると、一部の生徒たちは不満げに唸るが、それに従う。
さらに道を進むと、通りの一角には派手な看板が並ぶ一角がある。
煌びやかなネオンのように魔石が点滅し、そこでは露出度の高い服装をした女性たちが客引きを行う。
「は、はいぃ……! な、なにこのお店……!?」
地味目な女子が頬を赤らめ目を逸らす。
「うーん、やっぱ異世界にもそういうのがあるんだなぁ。エルフの子、まじで美人じゃん。……つーか、なんで服が紐だけなんだよ、最高かって!」
一人の男子が両腕を組みながら、表情を緩ませて何度も頷いていた。
そしてクラスメイトたちの前では、猫耳を生やした褐色肌の娼婦が手招きしている。
獣人族の多くは性感帯が敏感であるらしく、サービスの質が高いとの評判だとレオノーラは冷静に説明した。
「……やっぱ、なんかこの街、なんかおかしくないか?」
彼女の説明に理解が追いつかず、頭が痛み悠真は独り言を吐く。
「この街は死と隣り合わせの者たちの唯一の楽園。生きていることを実感するため、悦楽に走る者が多い。……そう考えれば、理解はできるだろう」
彼の言葉を聞いてレオノーラは即座に反応を示すと、そういう娯楽系が多い理由を語る。
そして一行は薬草店、武具の修理工房、さらには配信関連の魔道具を扱う店を見て回った。
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