第2話 クラス内カースト制度
――次に、クラス内のグループ分類。
第一は、いわゆる”陽キャ”グループ。
その中心的存在は、桐生樟葉。
身長百七十センチ、色素の薄い銀髪――光の加減で淡く輝く、無造作なミディアムヘアは寝癖のようなラフさを残している。
長めの前髪が目元に掛かり、片目が隠れがちな雰囲気を醸し出す。
その奥に覗く瞳は赤から深紅系の色をしており、鋭さと怠さが同居した不思議な魅力を放っていた。
常に余裕のある薄い笑みを浮かべて見下すような視線を周囲に送る。
顔立ちは整っているが、どこか不良っぽい雰囲気が漂う。
白目の肌には影のある色気があり、体形は細身ながらバランスが良く、見た目以上に運動神経が良さそうだ。
肩幅は狭すぎず、だらっとした立ち姿が板についている。
動作は雑そうでいて無駄がなく、フード付きの軽装を好む服装センスも相まって『軽薄そうで目立つ』『何も考えてなさそうなのに中心に居る男』という印象を強く与えていた。
サッカー部所属で、常に周囲を馬鹿笑いの如く、騒がしく巻き込むタイプ。
彼に目を付けられた陰キャは、もれなくパシリにされる運命を辿る。
『おーい、昨日言った焼きそばパン、忘れてねぇだろうな?』そう言いながら樟葉は、何度も悠真を購買部へと走らせてきた。当然、代金は悠真の自腹である。
そして、お次は佐々木奏恵――彼もまた一軍の男子に属する者だ。
中性的で整えられた顔立ちは、全体的に柔らかく親しみやすい雰囲気を纏う。
明るめの茶髪から金色に掛けての髪色は、軽く整えられたショートからミディアムヘアで、前髪が目元に掛かる程度に自然と流されている。
細めで優し気な眉の下には、やや垂れ目の琥珀色から蜂蜜色の瞳が輝く。
視線が合うと穏やかで安心感を与えるが、どこか計算高さを感じさせる不思議な目だ。
鼻筋は通っているが主張しすぎず、薄い口元は常に微笑を浮かべているようにも見える。
白めの肌は清潔感があり、細身でしなやかな体型には、無駄な筋肉がない。
身長は百七十ほどで、立ち姿は力が抜けていて自然体。
一軍らしく流行を押さえた服装は、派手過ぎず清楚よりのスタイルを好んでいた。
第一印象は『優しそう』『人当たりが良い』『近づきやすい』だが、よく見ると感情の奥が読み取れないタイプである。
恋愛対象が同性であることを隠しているが、その気配に気づいている者も少なくはない。
彼の眼差しは時折、樟葉へと向けられ、何かを訴えるような色を宿していた。
そして女子側では宝条鈴音が、特筆される存在だ。
派手さと可愛さを併せ持つ目を引く美少女――第一印象は『明るい』『うるさそう』『でも華がある』という言葉に集約される。
深みのある赤からワインレッド系の髪色は、艶のあるロングヘアで毛先が軽く跳ねており動く度に揺れた。厚めの前髪は目元を強調する形に整えられている。
大きくやや吊り気味の目には、赤みがかった金色の瞳が輝いていた。
感情が顔に出やすく、楽しそうな時は分かり易く輝くのが特徴的である。
くっきりとした眉は表情豊かで、小さな鼻筋と相まって、幼さの残る顔立ちを作り出していた。
口元はよく笑い、口角が自然と上がっており、揶揄うような笑みを浮かべる事が多い。
健康的な白さの肌、女性らしくメリハリのある体型は、くびれがはっきりとしており、存在感が強い。
百六十程という平均的な身長ながら堂々とした立ち姿と、自信満々の歩き方で一軍らしく派手めの服装――明るい色合いや装飾が多く、目立つでデザインを好み、それらを完璧に着こなす。
クラスの中心に自然と立っているタイプの外見だ。
しかし、その美貌の奥には強烈な選民意識と、陰キャへの蔑視が宿る。
『うわ、またあの陰キャ、カードいじってる。きも……』その一言だけで悠真の心は冷たく締め付けられるような痛みを覚えるのだ。
そしてお次は――羽佐田麗華である。
彼女は一軍女子内でも特に過激な存在。
全体的に幼くて可愛らしい外見――第一印象は『ゆるい』『ぬけてそう』『でも目立つ』という印象だ。
淡い水色と白色が混ざり合う空のような髪は、ツインテールに纏められて、ふわっとした軽い髪質が動く度に、ぴょこぴょこと揺れる。
少し短めの前髪からは額が見え、大きく丸い目には明るい水色系の瞳が輝いていた。
いつも少し眠そう、もしくは間の抜けた表情を浮かべており、薄めの眉がそれに拍車をかける。
小さく主張しない鼻、常に開き気味の口元は、ぼやっとした笑顔を作り出していた。
白く清潔感のある肌、細身で華奢な体型――胸や腰の主張は控えめである。
身長は百五十八程で平均よりやや低めで、立ち姿は力が抜けていて姿勢はあまりよくない。
可愛い系やポップ系を中心とした服装は、フリルや明るい色を好み『守ってあげたくなる系の一軍女子』という見た目を演出していた。
しかし、その可愛らしい外見とは裏腹に、気に入らない相手に対して『○○菌』という言葉を常用する差別的態度で知られている。
『触ると感染るって。うちら、免疫ないから無理』物理的接触を嫌う、その姿勢から悠真に物を頼む事はない。
だがそれが『優しさ』ではないことを彼自身が一番理解していた。
そして最後は天原姫香である。
彼女の第一印象は『育ちの良さが一目で分かる』――全体的に上品、華奢、高貴な雰囲気を纏う。
艶のある黒から紫がかった黒髪はロングヘアで、毛先まで丁寧に手入れがされており軽く内巻き、または緩やかなウェーブを描いている。
整えられた前髪からは額が少し見えお嬢様としたハーフアップ、またはリボンや装飾で纏めたクラシカルなスタイルを好んでいた。
大きめだが切れ長の瞳は、深い赤紫のワインレッド系の色をしており、常に相手を値踏みするような視線を送る。
長い睫毛が、はっきりとしており、細く整った眉は感情が読み取りにくい。
すっと通った鼻筋、薄めの唇は微笑むと、何処か嘲りを含んでいた。
白く陶器のような肌、細身で均等の取れた体型には、無駄な肉が一切ない。
身長は百六十二程で平均より高めで、常に背筋が伸びた立ち姿、音がしないほど静かさを持つ。
そして彼女はお嬢様口調で、自分より格下の相手に罵倒を浴びせ、時には靴を突き出して『舐めなさい』と言うその行為は、もはや言葉の暴力を通り越した支配の一形態である。
――それから第二は陰キャグループだ。
田中恭一、その男は背は低く眼鏡をかけ、漫画研究部に所属。
藤島透、その男は長髪気味で、文庫本を常に持ち歩く読書家。
佐伯廉、その男は痩せ型で、オンラインゲームに命を賭けている。
森永航、その男はぽっちゃり型で、二次元アイドルに全財産を閉じている。
野島誠司、その男は理系の秀才で、平成中期のアニメグッズを収集するのが趣味。
彼らは比較的に仲が良く、静かな結束力を持っている。
だが、その輪の中に悠真――カードゲームの少年は含まれていない。
――そして第三のグループ。
東雲悠真のみが属するカテゴリである。
カードゲームに全てを捧げて勝敗に一喜一憂する生活。
傍から見れば厄介なオタクの最たるもの。
だが悠真にとって、それは生き様そのものだ。
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