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「お前は戦力外だ」と追放されたカードゲーマー、伝説級レアカードで無双する ~元クラスメイトたちは没落したけど、俺は美少女パーティーとダンジョン配信で大成功しました~  作者: どすこい。お嬢様
第五章

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第16話 最後に現れる、アイツらが

(──でも今は、そんなことはどうでもいい)


 静かに悠真は息を吐いた。今この瞬間、目の前に仲間がいる。共に戦える。それだけで充分だった。

 そして絶対なる覚悟を決めた六人が、一斉に武器を引き抜いた。


 ホウキの太刀が鞘走りに輝き、アウラの銃が構えられ、アイリスのレイピアが冷たい光を放つ。

 シャルルの長杖に緑の魔力が灯り、シュンリンの硬質な爪の拳が握り締められる。


 悠真は、デッキケースからカードを一枚引き抜き、前へと構えた。

 六人が横一列に並んで、鉄製の扉の前に立つ。


 その瞬間だった。

 どこからともなく、声が聞こえてくる。


「──問おう、旅人たちよ」


 低く、重く、空間そのものが震えるような声だった。

 どこに発生源があるのか分からない。壁からか、天井からか、あるいは扉の奥からか。


「汝らは真に、この先へ進む確固たる意志を持つか。この扉の向こうに待ち受けるは、紛うことなき地獄の具現。このダンジョンの頂点に君臨せし最強の存在が、汝らを待ち受けておる。命を賭してなお、前へ進む覚悟があると申すか」


 不吉な声が、六人の覚悟を試すように、ゆっくりと空間に染み渡っていく。

 悠真たちは顔を見合わせた。


 一瞬の間が生まれる。

 そして――――


「「「「「「もちろん!」」」」」」


 六つの声が、完全に重なって響き渡る。

 その瞬間、六人は申し合わせたわけでもないのに、それぞれが独自の、しかしどこか様になったポーズを決めていた。


 悠真は片腕を前に突き出しデッキケースを掲げ、ホウキは太刀を天へと向け膝を僅かに割り、アウラは銃を肩に担いで胸を張り、アイリスはレイピアを斜めに構えて顎を上げ、シャルルは長杖を地面に突き立てて長く細い耳を立て、シュンリンは両拳を前に突き出して足を大きく開く。


 静寂。声からの返答は、なかった。

 しばらく待っても、何も聞こえない。


「……あれ」


 静かに悠真は呟いた。


「返事が……ないな」

「ないですわね」


 金色の狐耳をアイリスが小さく動かす。


「……そもそも、あの声は何だったんだ」


 猫耳を傾けるアウラ。


「ダンジョンの演出?」


 長く細い耳をシャルルが揺らす。


「それにしても俺たち、ちょっと勢いで返しすぎたな……」


 悠真が前髪を掻く。


「いや、最高だったろ」


 赤いツインテールを揺らしてシュンリンが笑う。


「あのポーズは何だったんだ……。咄嗟にやってしまったが……」


 ホウキが切れ長の黒い瞳を細める。


「なんかこう……なった」


 答えになっていない答えを悠真が返す。

 全員が苦笑した。


『六人のポーズ最高すぎる』

『あの声なんだったんだ?』

『全員息ぴったりすぎだろ』

『絶対クリアしてくれ頼む』


 コメントが流れてゆく。


「……まあ、いい。あの声が何だったにせよ、やることは変わらない。行くぞ」


 気持ちを切り替えるように悠真は、真っ直ぐに漆黒の扉を見据えた。

 全員が頷いた。武器を構え直す。


 六人が同時に、力強い一歩を踏み出した。

 その瞬間だった。


「──待て」


 声が背後から聞こえる。悠真の足が止まった。

 それは聞き覚えのある声。だが、この場所で聞くとは思っていなかった声だ。

 ゆっくりと振り返ると、通路の奥に、複数の人影が見える。


「……なんで、お前らが」


 悠真の声が、低く漏れた。

 その人影たちは──彼がよく知る顔ぶれだった。

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