Part9
___CountryFestival駐車場___
車連鎖的に爆発を起こし、駐車場は辺り一面火の海と化していた。
ただ一つ幸いなことがあるとすれば、避難者、スタッフ含め、一般市民が巻き込まれていないという事。
玄德は、黒ずくめの男達を一瞬にして叩きのめしてトドメを誘うとしていたが、それが叶うことはなかった。
その理由は、至ってシンプル。
邪魔が入った…ただそれだけの事、しかしその邪魔者はまるでこうなる事が予めわかっていたかのように………
こうなる事を望んでいたのかのように………
タイミングが良くその姿はこの玄德と黒ずくめの戦いを一種のエンターテインメントとして楽しんでいるように見えた。
そして、そのエンタメを最大限盛り上げるかのように車を連鎖的に爆発させ火の海にしたのだ。
「あちゃちゃ、あちゃ…あっつぅぅ……いやぁ流石ですね。和筆 玄德さん」
「貴様は一体何者だ? 見た事がない顔に、見た事がない腕章……」
「あはは、酷いなぁ。本当に分からないの? 僕の顔もこの腕章も全部分からない? 忘れてるの? 覚えてないの?」
ひょうきんな男は玄德の事を煽るかのように話すが、燃え広がった炎のが服の裾に燃え移り……
「熱ッッッッッッッ!」
一言大きな声でそう言うと急いで着ていた物を脱ぎ出した。
玄德はその姿をみて攻撃しようか迷ったが、それよりも呆れが勝ってしまったようで、いつでも仕留められるように構えてはいるものの少し油断していた。
「………」
「なんだよ」
「……」
「なんだって言ってんだよー!」
「お前…さては馬鹿だろ?」
「っなに! 俺が馬鹿だと? そんな訳ないだよ! ………そんなに訳ないだろ!」
「威勢張るなら噛むなよ」
玄德は邪魔者から視線は逸らさずに、自分と邪魔者の間に転がっている目的の黒ずくめの男達に意識を当ててる。
黒ずくめの男達はそれを察してなのか、その場を一切動かずに身体を震わせてた。
「チッ、お前の事を見てると調子が狂う。いい加減終わらせよう」
「いやぁ、熱か___った! ……危ないね急に、何すんだよ」
「何するも何も無いだろ、俺とお前は敵なんだから……ってその腕の印は!」
玄德は邪魔者の腕に印……紋章が刻まれているのを確認した。
動揺、焦り、玄德の頭の中に最悪の事態が過ぎる。
「ん? ……あ〜、破れてんじゃん。そりゃバレる訳だ………悲しいが、正体がバレてしまった以上…和筆玄德、お前とのお遊びはここで終わりだ。そこにいる皆さんもごめんなさいね? バレたんで帰ります」
邪魔者はそう言葉を残すと、周囲の炎を自身の体に集結させだした。
逃がす訳にはいかない玄德は「逃がすか!」と言うのと同時に武器を構え、弾丸を撃ち放つ。
「___っぐ!」
玄德の放った弾丸がギリギリで着弾した邪魔者は、呻き声をあげながら姿を消した。
「まさか………性蝕者が現れるとは思わなかった________奴は、もうこの世に居ないはず……」
頭に残る紋章が玄德の頭を酷く締め付けていた。
だが、そんな事を気にしない奴がこの場に三人いた。
黒ずくめの男達は考え事に集中している玄德に向かって、一斉に攻撃を開始する。
「ぐわぁぁぁ……」
「うわっ___!」
「ひっ! お前! こんな事してただ済むと思ってるのか!」
二人の護衛がやられた、黒ずくめの男は腰を抜かし尻もちを着きながら最後の最後まで大口を叩く。
「ひとつ教えてやる。今の俺なら、いやお前らの元から離れた俺なら、一人でもお前らを全滅出来ることを理解しておくんだな。
……死ね」
引き金を三回引き場を収めた玄德は、会場の変わり果てた姿を眺めながら、無線を手を取り話を始めた。




