Part7
___CountryFestival 会場ドーム内___
剣と剣のぶつかり合いは白熱、激化しドーム内の壁や床、天井までにも傷が着き始めていた。
襲撃者の男は息が切れかけていて、限界が近い事が見るだけで判断できる。
一方で華蓮は、相手の攻撃を必要最低限の動きで弾き、いなし回避し続け息が切れるどこかリラックスすらしていた。
「はぁ…はぁ…ムカつく野郎だな、飯塚華蓮」
「そうか? 私からすればあんたの腕がなかなかに良いから危機を感じてるよ?」
「危機を感じてる奴が息も切らさずになんで笑ってられてるんだ?」
「それは、使ってる筋肉や体力の差だろ? それに私とあんたの戦い方はまるっきり違うんだから、比べる方がおかしいと思うよ」
華蓮の平然とした態度に襲撃者の男は怒りが募る。
剣を握る手に無意識に力が入り、柄の木が軋むような音が微かに聞こえる。
ただ、それに気づいているのは華蓮だけだった。
「あんたはその大きく長い剣を力いっぱい振り回すスタイルで、私はこの細剣を使いここぞと言う時に仕留めるカウンタースタイル、土俵が違う」
「はぁ…ならなんで、そんなちっぽけな武器で俺の攻撃が弾けるのか教えてもらっていいか?」
華蓮の言うことに納得はしている様子だが、ひとつ気になったことがあったらしく、その内容として長く大きいしっかりとした剣から繰り出される攻撃を細く弱々しく見える剣に防がれている事や壊れる様子がない事に対して疑問を抱いていた。
「そこは、実力差だ。それにあんたのそれは作られたものだろ?」
「あ゛? 何言ってんだ? コイツを作らないと使う事なんて出来ねーだろ? ……馬鹿なのか?」
「ん? 何を今更、私は馬鹿だぞ? 賢いなら今ここでこんな事してないって話」
「チッ…いちいち受け答えがムカつく野郎だな」
「うぐっ……やっぱりあいつに似てきてるのか、私は」
「なに、ボソボソ言ってんだよ!」
襲撃者の男は痺れを切らし再度力任せの攻撃を乱雑に華蓮に浴びせた。
しかし、その速度は先程よりも素早く常人の目には捉えることが出来ない程速度が増していた。
例えるなら、それこそ銃弾等をイメージしてもらえると分かりやすいだろう。
だが、男の限界を超えた攻撃を前にしても華蓮は涼しい顔をしているのだった。
「___貴様はここで! 殺す! ……………」
男は刀身に力を込め飯塚華蓮の命を絶つ為に、自身最大の攻撃技を放った。
凄まじい気迫がドーム内を包む。その規模や威力は野生動物なら一瞬で恐怖で動かなくなってしまうであろう。
そして、相手は一寸の動きもする事が出来なくなってしまった。
「…………」
「言ったでしょ、私はカウンタースタイルだって」
襲撃者の男対飯塚華蓮の戦いに勝利を納めたのは、飯塚華蓮だった。
華蓮は細剣を仕舞いながら、ボソッと呟いた。
「やっぱりあんたは、腕が立つな。ラストのあの攻撃は上手く使えば一撃必殺になりうる可能性があったぞ」
華蓮は氷塊の中に閉じ込めらた男に向かってグータッチをしてその場を後にした。
氷塊は華蓮が離れていくと自然に消滅していく。何も無かったかのようにまっさらに、人が氷漬けにされていたなんて分からないほどに……
「思ったよりふざけすぎたかな。はぁ…変なところあいつと似てきちゃったか仕方ない、早く広場に行こう、さっきの爆発が気になりすぎる。
鶴見達がいるとはいえ、人手は多い方がいいかなら」
華蓮はドーム内から会場外中央広場に向かって走って移動した。
自分を見つめている影の存在に気づきながらも……




