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転生幼女、教団はじめました。 ~新しい家族とのんびり暮らしたいのに、最強の聖女様と崇める信者たちが放っておいてくれません。世界を救うとか本気ですか?~  作者: 有郷 葉
アフターエピソード

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46 覚醒

〈ホーリーショット〉の理屈としては、これまで放ってきた魔力弾に聖霊達を込めて発射するというもの。長々と書かれているのは、魔力の形成や聖霊の誘導に関するコツの部分だった。

 きっと大切だから長々と書かれているんだろうけど、私はもう魔力弾を作れるし、聖霊達も「いつでも発射していいよ!」と主張してきている……。


 思い返せば、私は〈ヒール〉もあまり苦労せずに習得できた。神官の人達が苦戦している〈ヒールワイド〉だって司教さんに教わって数時間だったし。

 これは親和性の高さのおかげなのかな。そういえば、セレノアさんも火霊魔法を沢山習得していて、上位クラスのオリジナル魔法も簡単に作っていたね。今更ながら、私達二人は魔力に精霊にと、とても恵まれているみたいだ。


「……なんか、頑張って修練している人達に申し訳ない。とりあえず、だるさもほとんどなくなってきたし〈ホーリーショット〉を一回撃っておこうかな」


 と目の前に魔力弾を作りはじめると、聖霊達が我先にとどんどん中に入っていく。


 キィィィィィィン。


 えー、どうしてそんなに発射されたいの……。

 まあ、遠くの山にでも向かって撃つか。


 キィィィィィィン。


 ……本当にどんどん入っていく。まさか、あんな所まで届いたりしないよね、一番初歩の攻撃魔法だし。でも万が一ということもあるかも? もし登山している人がいたら……。

 私はかざしていた手を魔力弾ごと上空に方向修正。改めて〈ホーリーショット〉を撃った。


 ズドンッ! と放たれた聖なる弾丸は私の想定以上の大きさで、もはや砲弾と呼べる代物だった。浮かんでいた雲に巨大な穴を開け、空の彼方に消える。


 ……一番初歩の攻撃魔法がなんて威力。方向修正してよかった……。

 いやいや、どう見ても中位以上の破壊力がありそうだったよ。間違いなく私の魔力の質と親和性の高さによるものでしょ。これは私の攻撃魔法、黒い悪魔級の敵にしか使いどころがないような気がする。


 思いがけず、ずっと戦闘で魔法を使わなかったセレノアさんの気持ちを知ることになった。

 さらに、私は彼女同様の能力を得たことにも気付く。聖霊達がこちらに接近する複数の人間の存在を教えてくれた。

 まずはいつかのように全力で駆けてくる二人。トレイシーさんとミーティアさんだ。


「ルーシャ様ー! 今すごいの撃ちませんでしたか!」

「さっきのは〈ホーリーショットⅢ〉ですよね! こんなに早く習得できるとはさすがルーシャ様!」


 叫びながら到着した参謀達は息も切れ切れだった。呼吸を整える彼女達に「今のはただの〈ホーリーショット〉だよ」と伝えると、シンクロして同じ笑みを浮かべる。


「「ほほう、それはそれは」」


 ずいぶんと嬉しそうに二人で感心したのち、トレイシーさんがここにやって来た経緯を話し出した。どうしても新たな聖霊魔法を覚えてほしくて私を探していたところ、セレノアさんがこの場所を教えてくれたので全力疾走してきたのだとか。


「ミーティアとルーシャ様をお守りする手立てを考えていたのですが、やはりルーシャ様ご自身に強くなっていただくのが一番、という結論に達しまして」

「ああそう……。本当にちゃんと考えた?」


 私が呆れながらそう言うとミーティアさんが胸を張る。


「実際に大正解だったではないですか。ルーシャ様の攻撃魔法は素晴らしい威力でした」


 ついさっきこの参謀達に少しだけ感心した時間を返してほしい気持ちになった。


 完全に言葉を失っている間に、私に接近してきていたもう一組が到着。

 テルミラお母さんが司教さんと一緒にゆったりと飛んできた。


「とうとう覚醒したようね、ルーシャ。昨日の戦いで自分の力のなさを痛感していたから、今日かもしれないって思っていたわ」


 腕組みをしながらのお母さんの言葉に、司教さんも同意して頷く。


「真の聖女様の誕生ですじゃ。聖霊魔法に関してはもはや右に出る者はおりますまい。わしはずっとこの時を待っておりましたぞ!」

「そっか、二人共、私本来の力を知っていて目覚めるのを待ってくれていたんだね。……そっちから教えてくれればよかったんじゃないの?」


 私の抗議にテルミラお母さんは人差し指を立てて横に振り振り。この人、さっきからなんか師匠面していて癪に障るな。


「ルーシャ自身が本気にならなきゃしょうがないでしょ。ともかくこれであんたは最高の精霊特性を得たわ」


 それがどれほどのものか今一つピンと来なかったのでお母さんに説明してもらった。

 精霊の適性をAからEの五段階で評価した場合、その属性の才能がすごくあると言われる人でAに当たるらしい。お母さんの風、レイエルの水、キアの地、オーゼスさんの火、などはそこに含まれるとのこと。で、その基準でいくと、私の聖とセレノアさんの火はSSランクなんだとか。(SじゃないのはそれほどAとの開きがあるということみたい)

 通常はありえない適性だけど魔力の質の高さが影響しているかも、と司教さんが言った。


 なお、聖霊の適性に関して、司教さんはB、トレイシーさんとミーティアさんはD、に該当するとのことだった。

 参謀の二人が愕然とする横で、やはり私はまだ納得がいかなかった。


「じゃあやっぱり昨日のうちに教えてくれたらよかったんじゃ? そうすれば、巨大鹿とももっと楽に戦えただろうし」


 指摘するとテルミラお母さんは目を伏せる。


「……正直、こんなに簡単に覚醒するとは思わなかったのよ」


 ……確かに、あまりのあっけなさに私も驚いた。覚醒した実感も全くないし……。





今月下旬に書籍の情報開示が。

こちらでも、キャラ達の容姿が分かる何かを公開するかもしれません。


ルーシャ

「ん、今月下旬? 今日が19日だから……、もういつ開示されても不思議じゃない!」

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