東雲 イグサ
弐、次話(あくまでも青年視点)の補足(別視点?)+α
会議は滞り無く(一部を除いて)終わる筈だったが、皆の想定より外れてしまった。先程の議員の発言により明確な問題として彼等が定義される。大半の者は面倒に感じただろう、東雲 イグサもその一人だった。
因って不承不承成り行きを見守るしか無かったのだが。(それよりも彼には気に為る事が有る、)起立している人物の隣で俯く人影が。しかし当人は叱責された者では無い上、何故か震えている様に見えたのだった。可笑しいなと興味半分、心配半分で様子を窺っていた。暇序で手元の手帳に走り書きをしながら...夢中な余りイグサは注視されている事実に気付かずに居た。殆どが中枢議員周辺を気にしていたから仕方なくも有るが、
そして静寂が支配する。「キカ議員からも―」と聞こえた瞬間、イグサは少し同情した。哀れ震えていた人は議員だったのか、と。認識の阻害は一同『議員付の書記』で一致していた。(誠、哂える事に)
かたん、と椅子の引かれる軽い音と一呼吸の間。たぶん心情整理に要したのだろうとイグサは思った、口を開きかけたキカ議員をけれど遮るように野太い声を発する者が一人。
図々しくも熊のような輩が立ちはだかる様にしていた。一応、(礼儀が為ってはいないが)彼もデリアドという地方の議員だったからか視線を掻っ攫う事に成功した。(奇しくも窮地を免れた)キカ議員は呆気に取られていたが遣る瀬無い表情で席に落ち着いた。その隣では中枢議員と地方議員の両名が苛烈に言い争っている。(主にユートヴィリが、だが。)
結局恙無く、然したる問題も無くその日の会議は終了した。中盤、論争も有ったが何時の間にか中枢議員と地方議員は決着を向かえ。新人は呼び出され厳重注意を受けたようだ。議長の左右に控える一人がイグサの元へ来た、二言三言交わし離れる。進行のヘウスだ、彼は数人に声を掛けては何か了承を取り付けている様だった。その様子をイグサは少しじっと観て、顔を背けた。すると目の前にもう一人、書記のシウスが居る。
如何した事か、イグサはその顔を見ると途端に向きを変え歩き去ってしまった。
差し替えの予定は無くなった、このまま進行させて貰う。




