不運《ダレット》/政局の変幻
(不運と書いて、今回はダレットと読んで下さい。暫定主人公、)
ダレット青年は盛大に溜息を吐く、そうしなければ遣って行けなかったので或る。事の始まりは、本日の席順を決めた人物が不慣れな人間で有り。配慮に欠けた座席を指定した事からだろう、
「先輩!眞締さん、今日は体調不良を理由に欠席だそうです」そうかと頷きつつ軽く流しそうに為った先輩(議場管理下 日雇一の不適当男)は、けれど慌てて聞き返した「眞締が欠席だと、今日が本会議なのに。か?」たじろぎつつ新人は肯定した。「如何すんだよ、全く」と呟き彼は妙案を思いつく。責任追及は自分にも及ぶだろうが、不慣れな者が担当していた場合(それも新人であれば、)最悪停職にも為るまいと。「なあ、新人。御前 配置図の書き方、教わったか?」
焦っていたのに、一転意気揚々と持ち場へ去って行く男を新人は不思議な気持ちで見送った。「さて、」僕も業務に戻らなければと考え手元の画板を見下ろす。クリップには多数の資料と白紙の決裁書が挟まれていた。座席の配置図である、枠内に区域数と個人の識別情報を少し記入すればそれで通じるからと言い置き奴は立ち去った。一抹の不安を払拭出来ず、暫し睨み据えていたが秒針の進む音が刻々と時を知らせるのに。急ぎの用件だから仕方ないかと観念し、鵜且は筆を進めた。
世界の調和が狂い始める『 掟ニ背ク者在リ 故ニ、ソノ邦ハ滅ビヲ辿ル 』これは世の中の常であり必然だった。
たとえ、どのような瑣末事でもそれらは連綿と巡り事象に繋がっているのだ。たった独りの人間が責任逃れを画策し、上への報告を怠ったせいで後に戦場が展開される事など誰が望んだだろう。少なくとも中央の人間達は安寧を信じていた、(現時点でのおはなし)
Q. 問題です。この話に登場する先輩の名前を読後58秒で解きなさい、
(因みに上記一文に解答は存在致しませんので、悪しからず(笑)…)




