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【完結】クリムゾン・コート・クルセイド Vol.Ⅱ ”平和たる軍靴"  作者: アイセル
第五章 Face/Off

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対峙―②―

当作品の無断転載、AIを含めたあらゆる二次利用を禁止します!!

Do not reupload / use my writing for any purposes, including for AI!!

 ロックに狙い付けた白い人型――氷を司る"コーリング・フロム・ヘヴン"――の眼に、突如として金(・)色(・)の(・)竜(・)巻(・)が映る。


 ロックの背後の金色の竜巻が、白い人型の軍勢を蹂躙した。


 竜巻の中心にいたのはサミュエル。


 "報復の車輪《クウィレ・ド・イーオラウ》"。


 放電衝撃波で巻き上げた砂塵で、竜巻を作る"疑似物理現象"である。


 サミュエルの作った砂塵が、氷人形とペアを組む"政声隊"を飲み込んでいった。


 三条がロックの他にサミュエルとの視界を認め、目じりが僅かに動く。


 彼女の眼が据えるのは、龍之助。


――マズい!!


 龍之助と拳を初めて交えた時に食らった"命熱波(アナーシュト・ベハ)"への封印がロックの脳裏に浮かんだ。


 仕組みは不明だが、三条はその"引き金(トリガー)"を引ける。


 彼女の目に映る龍之助は、一平と交戦していた。


 龍之助の矛槍型"命導巧(ウェイル・ベオ)":"セオリー・オブ・ア・デッドマン"の電気分解で作った水の刃を穂先に載せ、一平を狙う。


 槍の突きと薙ぎ払いにより、水の軌跡が一平からの追撃を避けた。


 対して、一平が"爆衝烈拳《ドーン・ナ・セーイジェ》"による衝撃破を纏った拳で、龍之助に迫る。


 ブルースとサキに目を向けると、"政市会"の陣地の真ん中にいる"スコット決死隊"のオーツに向かう。


 ブルースが、二刀流の"ヘヴンズ・ドライヴ"を逆手に持ち替え、両肘からの肘鉄砲を"政市会"会員に放った。


 一人目が衝撃で吹っ飛ぶと、ブルースは掛かってきた二人目を左蹴りで迎撃。


 二人目がよろけたところを羽交い絞めにして、逆手の"ヘヴンズ・ドライヴ"の三日月型の刃を喉元に突きつけた。


 人質を取られる場面に出くわしたことない、"政市会"会員の戦意を削いでいく。


 それでも戦(・)意(・)を(・)失(・)う(・)ど(・)こ(・)ろ(・)か(・)、ブルースの行動を好機と見る者もいた。


 後続のサキが、ブルースを狙う"政市会"会員へ"ブライトン・ロック社"と"ワールド・シェパード社"による共同プロジェクトで作られた"命導巧(ウェイル・ベオ)":"フェイス"の刃を煌かせる。


 蒼白い片刃から放たれた指向性熱力(エネルギー)弾の衝撃が、会員を吹っ飛ばした。


「"命導巧(ウェイル・ベオ)"の使い方は、申し分なし!!」


「ブルース、前を見て!!」


 サキの腕前を褒めるブルースに、公園の足場が爆発。


 オーツによる分銅型"命導巧(ウェイル・ベオ)":"アンダー・プレッシャー"が、ブルースの足元に着弾する。


 オーツの側にあった片割れの分銅が、サキへ襲い掛かった。


 サキが、躊躇わずに"フェイス"からの熱力(エネルギー)を分銅へ撃つ。


 弾かれた分銅は、目標(ターゲット)を失った。


 主の方へ戻ると、


「小娘……!!」


 苦々しく呟く、オーツに、


「彼(・)ら(・)が(・)来(・)る(・)の(・)で(・)少しの辛抱ですよ」


 どこからか現れた鍛冶 美幸が、オーツの背後で言う。


「サキ、訓(・)練(・)じ(・)ゃ(・)な(・)く(・)て(・)――」


「本(・)番(・)だ(・)よ(・)ね(・)!!」


 そういって、サキ達と"スコット決死隊"の戦いの幕が上がった。


 しかし、龍(・)之(・)助(・)の(・)眼(・)で、全ての戦況がひっくり返る。


 龍之助の影響も不明だが、無傷では済まない。


 止めようとするもロックの前に氷の"コーリング・フロム・ヘヴン"使いが立ちはだかるが、


「テメェ、ア(・)イ(・)ツ(・)の(・)顔(・)と似ているが!!」


「そういうお前は間崎か? ……弟から聞いてるぜ!!」


 その中の一人で、額が広く眉の薄い男が、氷の右拳をロックに放つ。


 "ブラック・クイーン"の"籠状護拳(バスケットヒルト)"で、ロックは拳打を受け止めた。


「どう聞いた?」


「"ビ(・)ー(・)ル(・)腹(・)"、"刺(・)青(・)"、"加(・)齢(・)臭(・)"を手始めに"不(・)愉(・)快(・)を(・)煮(・)詰(・)め(・)た(・)ヤ(・)ク(・)ザ(・)崩(・)れ(・)"が腹(・)芸(・)か(・)ら(・)"看看兮(かんかんのう)"を覚えたことくらいか?」


 ロックの吐き捨てた言葉に、間崎が怒りで震える。


 その硬直を狙って、ロックは右の蹴りで、間崎の出した左膝を狙った。


 間崎が、その攻撃を受ける。


 ロックは"籠状護拳(バスケットヒルト)"越しの右で、怯んだ間崎の顎(チン)を狙った。


 しかし、間崎の左の拳打(パンチ)が速い。


 ロックは間崎の攻撃を避けるため、背後に下がった。


 間崎の背後の三条と目が合う。


 彼女の微かに笑った笑みが、ロックへの勝利を確信している様だった。


 だが、それは、三(・)条(・)の(・)思(・)惑(・)が(・)大(・)き(・)く(・)逸(・)れ(・)る(・)。


 "政声隊"を蹂躙する風の中から、飛び出したシャロン。


 彼女が、薄桃色の風となり、三条の眼の前を跳躍。


 "滑輪板(スケートボード)"に乗り、三条に急襲を仕掛ける。


 体重と重力加速度を乗せた"滑輪板(スケートボード)"が、三条の視界を覆った。


 三条を護る様に石碑から出た大きな両手が、シャロンに応戦。


 彼女を覆う大きな両手の甲が、シャロンの攻撃を阻んだ。


「龍之助ってヤツにある"眼(・)"使いたかったら、使ったら? ア(・)イ(・)ツ(・)の(・)視(・)界(・)に(・)入(・)る(・)者(・)す(・)べ(・)て(・)が(・)タ(・)ー(・)ゲ(・)ッ(・)ト(・)だから、あ(・)の(・)位(・)置(・)か(・)ら(・)な(・)ら(・)、ア(・)ン(・)タ(・)も(・)十(・)分(・)範(・)囲(・)だ(・)け(・)ど(・)ね(・)!!」


 シャロンの笑みに、掌に覆われた三条の口元がわずかに歪む。


「加えて……"命熱波(アナーシュト・ベハ)"も標的に入るなら、お前の分け与えた"コーリング・フロム・ヘヴン"も十分、"命熱波(アナーシュト・ベハ)"だ! シャロンの能力は"命熱波(アナーシュト・ベハ)"由来じゃないから、タイマンしたら、さあどうなるだろうね!?」


 サミュエルの駆る"金色の竜巻"が"政声隊"の黒シャツ達を蹂躙し、標的を三条に切り替えた。


 シャロンが三条から離れると、"金色の竜巻"を消す。


 その時の熱力(エネルギー)の残りで、跳躍。


 三条の真上から、"パラダイス"の散弾銃の上に畳んでいた鎌を起立させ、サミュエルが振りかぶった。


 ロックは、"ブラック・クイーン"で"頂砕く一振り《クルーン・セーイディフ》"による分子強化をした刃で、間崎に立ち向かう。


 瞬間的に地上で最硬度を持つ刃が間崎の両腕の氷の拳を一度に割り、衝撃で吹き飛ばした。


 その勢いで、ロックは駆ける。


 "駆け抜ける疾風(ギェーム・ルー)"で加速し、三条に"ナ(・)ノ(・)強(・)化(・)さ(・)れ(・)た(・)刃(・)"を振るった。

 

 しかし、それは銀色の影に阻まれる。


 周囲の闘争を受けて輝く、"花(・)鎧(・)"。


 ロックは、その者の防いだ刃に向け、呟いた。


「"花葬"……!!」

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© 2026 アイセル

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