5話「最強...故に最恐」
試験当日になった。
試験内容は一騎討ちや筆記試験などではなく、「バトルロワイヤル」とのことだった。
ルールは簡単でSランクからEランク順で倒した時のポイントが分けられる。そのポイント次第でクラスに上がれるかが決まるらしい。
殺しはなしだが逆に言えば殺し以外は何でもやっていいとの事。
俺は少しばかりワクワクしていた。
てっきりEランクの雑魚と戦わせられると思っていたが幅広いランク帯と戦えるらしい。
それと驚いたのが...
「お前参加すんのか」
「当たり前だよ。君が参加するのに私だけ参加しないのはおかしいだろ?」
そう答えるミーヤ。
別におかしくはないと思うが....
実際コイツは警戒しとかなければいけない。俺の異変に気づいているどころか俺がアイルじゃ無いこともバレかけているからな...
「でも今回はバトルロワイヤル。下手したら高ランクの奴と出会したりするかもしれないんだぞ?」
「そうなった時は...まぁなんとかしてみるさ」
「お前は能力を覚醒させているのか?」
「いいや?でもなんとかなるさ!」
「ほんとか...?」
あまりにも緊張感のない会話に周りがザワザワし始める...
今俺たちは無人島に向かっている。
どうやらバトルロワイヤルは無人島でやるようで期間は3日間...もしくは一定数が脱落すれば終了との事。
....もはや同時にサバイバルもやれと言われてるような気がする。
そういえばSランクの奴らはこの試験を受ける意味などあるのだろうか?正直それ以上の上がないのであれば参加しなくてもいい気がするが....
そんな事を思っていると
「おい、無能王子じゃねーか!」
不意に俺に向かってそんな事を言われた。
「本当だ、あの無能がなんでここに居んだよ」
「嘘!!あの無能が?」
「イカサマで先日の試合に勝ったからといって調子に乗ってるのか?」
その貶すような笑い声たちは段々と広がっていった。
「ーーー」
正直ここにいる奴らを全員殺してやってもいいが、それじゃあ後々めんどくさいことになる。
...ムカつくけど
それに俺は大人だしな...
そん不愉快な声たちに耐えていると
「皆さん、そろそろ到着しますのでしっかり着地をしてくださいね?」
その数秒後、突然教師はそんな事を言うと俺たちはその浮遊感に包まれた。
床が突然空いたのだ。
「だからこのためのパラシュートなのか」
飛行機に乗る前に緊急用のパラシュートを渡されていた。だがこれは緊急用ではなく試験の一環といったところか...
「別に付けてもいいが...」
それじゃあ面白くない...
空から放り出されたところで俺は揺るがない。
周りにパラシュートを付けた奴が居る中で...
俺はパラシュートを外した。
ものの数十秒で地に触れそうになる。
「さて...この身体は耐えてくれるかな?」
ーーーー俺が地面に拳を振るうと同時に激しい轟音が鳴り響くのであった。
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地面に着地して数分後が経つごろ、森に着地して俺はまだ誰とも接敵をしていなかった。
.....生徒を倒していくのもありだが最悪三日間もここに居る可能性がある今、迂闊には体力を減らせないし食料や寝床も必要となる。
おそらく今回は戦闘技術と共に知識も求められているのだろう。
しかもバシレウスの奴らに当たれば、負けることはないといえど体力はそれなりに持っていかれそうなので今は当たりたくない...
そんな事を考えながら俺はその森を散策するのだった
......俺はCクラスの所謂普通な生徒だった
肝心な能力はパッとしないもので「武器を大きくする」という弱いとも強いとも受け取れないものだった。
でもこんなパッとしない俺でも下の奴らを見てると自然と安心感を覚えていた。能力を使えないものもいれば全然使えない能力の奴もいる。
.....あまりに滑稽だった。
例え俺が普通でも普通よりも下な奴らがゴロゴロといたからだ。
しかも最近は証拠こそないがデマで格上に勝ったという奴もいるという。それが滑稽で滑稽で笑えた。
デマをしないと勝てないくらいに弱く、脆かったのだろう。
「ふははは」
今でもそれだけで。
俺より惨めな奴が居るというだけで笑いが出る。
でもそれだけじゃいかない...
俺はこんなところで終わっていい人間じゃない。ここで俺は試験に受かってもっと上にいくのだ。
「とりあえずは俺より下の奴らを...」
Bランクの奴らには勝てない...
だからとりあえずはDランクくらいを...
俺がそんな事を思いながら草むらに隠れていると
「ん?あれは...」
突然足音がしたので覗いてみると
「無能王子...?」
思わず笑みが溢れ出るところだった。
まさかこんなにも早くカモに出会えるなんて...
しかも最近デマをしたと話題になってた奴だ...ここでその報いを受けさせてやるとするか。
無能王子とはいえどズルをされたら俺でも負けうるかもしれない。
なので持っていた武器を大きくして少しずつこちらに来るのを待ち続けた。
...奴はバカだった。のうのうと狙われてるとも知らずにこちらに近づいてくる...
そしてすぐ近くにまで奴がきて...
俺は大きく武器を振り上げた
「おらぁ!食いやがれ!無能!!!」
絶対に防ぎようのない攻撃。
ーーー勝った。
そう確信をした。
「ーーーおせぇぞ。三流」
奴は笑みを浮かべながらそう言うと俺の武器を防いできた。
「な、なんで?!」
絶対隙をついた...なのに
「ま、まさかズル?!」
「またそれか...お前らはそれしか言えないのか?」
そう言うと俺の身体は数メートル先に吹き飛ばされていた
「が、は....!!?」
なんだ?この、威力は!?
「だからお前らは弱い。自分が下だと思っていた奴が成長しただけで醜くズルやらデマなどど叫ぶ...」
「こ、れは成長って...レベルじゃ...」
「それを認められない時点でそういうことだろ」
「おかしいだろ...お前は無能!そして俺より下の...!」
「俺がお前より?」
そう言うとその男は俺に近づいてきて...
「!?」
「んなわけがないだろう?お前より下?舐めるなよガキが」
その言葉と同時に俺の横腹に蹴りが入り...
「うあっ!!??!」
「殺しはダメ...だったか...よかったな。ルールに助けられたな」
ありえない...
ありえないありえないありえない
無能のはずなのに...
俺より下のはずなのに
これはなんだ?能力?
分からない...ただこの一瞬で思い知らされた。
この男は最恐すぎる...
俺はそんな事を思い眠りにつくのだった
最近モチベがないよんんんん




