第7話 レベルアップ!
冷菓は炎の届かないところまで全力で逃げた。
何度も炎が来てないか、振り向いた。
「はあ、はあ、はあ、こ、ここまでくれば大丈夫かな?てか森燃やすって完全に罰当たりな事しちゃったな。」
冷菓は両腕を膝に置き荒い呼吸を整える。
「後で消える事を願おう。」
すると端末から音が鳴り、ディスプレイが表示された。
「なんだ?」
ピコンッ
『レベルアップ。レベル2になりました。』
『スキルポイントを10付与します。』
『スキル短剣術1を獲得しました。』
『ステータスボードが解放されました。』
『端末から詳細を見ることが可能です。』
冷菓はしばらく見つめる。
「.......え?ステータスボードって解放条件があったの?!てか何だったの?!知ってれば森の中でステータス!って叫ばなくても良かったのに!うわっ、恥ずっ!」
冷菓はこの事実に対し頭を抱え、のたうち回る。
しばらくすると落ち着き、分析を始める。
「ふう、よし。じゃあまずはステータスだけど、どうやって出すんだろう?」
すると端末から再度音がなった。
「ステータスボードは、人差し指と中指を重ね空中にバツ印を書くことによって開くことができます。」
冷菓は早速試してみる。
「こうかな?」
空中に十字を描いてみると、そこに新たなディスプレイが表示された。そこには、
個体名:森冷菓
種族:人間
職業: 未設定
レベル:2
HP:100
MP:5
STR:15
DEF:5
VIT:7
AGI:32
INT: 110
LUK: 72
スキルポイント:10
取得スキル:
【アーツ:短剣術1】
【コモンスキル:ーー】
【エクストラスキル:ーー】
【ユニークスキル:ーー】
【特殊スキル:ーー】
【固有スキル:ーー】
「へ〜。これが私のステータスか、て言っても平均がわからないから高いのか低いのかわからないな。しかも、持ってるスキル短剣術だけ、心もとない!!」
「せっかく異世界に来たんだから、生き残るためのスキルとかあってもいいじゃん!」
端末からはなんの反応もない。
「...........」
冷菓はため息をつく。
「はあ、てかなんか知力と幸運以上に高いけど、なんでだろ?そんなに頭いいわけでも、運がいいわけでもないのに。」
冷菓は首を傾げる。
「しかも1回殺されてるし。運よくないじゃん。」
そして次にスキルポイントという項目に目をつける。
「スキルポイントってなんだろ?」
すると端末がなる。
「スキルポイントとは、レベルアップ時に獲得できるポイント。これらをステータスに振り分けることによって自身のステータスを強化できる。」
説明文が読み上げられる。
「どのステータスに振ろうかな?てかこれ、今後にめっちゃ影響してくるじゃん!慎重に選ばなきゃ。」
「STRが筋力で、DEFが防御、VITとAGIが耐久と俊敏、そしてINTとLUKが知力と運か、桜に読み方習っといて良かった〜!」
桜は陽キャに見えて実は生粋のオタクである。
「じゃあまず逃げられるようにAGIに5ポイント、攻撃力が上がるようにSTRに3ポイント、そしてVITに2ポイント振ってっと。」
「AGI、STR、VITの能力値が上昇した。」
冷菓は軽くその場で飛んでみる。
「身体能力上がった?」
自分の手を閉じたり握ったりしながら確認する。
「あんまり変わってない気が、まあ、いきなりゴリマッチョになるよりはいいか。」
「これで生存率が上がればいいけど。」
冷菓はステータスボードに書かれた職業という欄に注目した。
「職業ってなんだろう?」
端末が鳴った。
「職業を設定すると、その職業に応じてステータスボーナスを獲得できます。」
「ステータスボーナスって?」
「職業によって自身のステータスが上昇する仕組みです。」
「なるほどね、じゃあ職業を追加っと」
するとディスプレイから警告音がなる。
「職業を追加するには職業を先に解放してください。解放には条件があります。」
「条件って?」
「...........」
しばらく沈黙が流れる。
「答えてくれないんかい!!」
冷菓は思わず大声を上げる。
しかし端末は何も答えない。
「はあ、しょうがないまずは森から出ることを優先するか。」
冷菓はステータスボードを閉じ周囲を見渡す。
「火、本当に消えるかなあ?」
「考えないでおこ」
冷菓は視線を前に戻し歩き始める。
「街どっちかわからないけど進もう!」
しばらく歩いていると、突然警告音がなる。
ビー!
「人間の生命反応を検知。その数4人。ですが急激にHPが低下してます。」
「え?!その人達何処?!」
「まっすぐ400m先です。」
「400mね。よし」
冷菓は走り出し、人達がいるところへ向かう。
「そろそろかな?」
すると少し開けた場所が見える。
冷菓は足を止め慎重に木の陰から覗き込む。
「えっ」
目の前に広がっている光景に言葉を失った。
そこには四人の血まみれの冒険者とその人達を囲うように、7匹の狼。
その後方には明らかに雰囲気が違う狼がいた。
全長4−5m、高さ3mはある狼だ。毛色は同じだがサイズがデカすぎる。
「これヤバい状況なんじゃ......」
冷菓は口を抑えながら呟く。
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