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仮想現実~プレイヤーとして呼ばれた少女は仮初の世界で無双する。  作者: 冷崎
第一章 鮮烈な少女

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第6話 再戦

冷菓は両手でナイフを前に突き出しながら森の中を歩いている。

引け腰になりながらも前へと進む。

木々が揺れるたび体を震わせる。


「やっぱり不気味だな〜、この森。1人だとなおさら。」


森は薄暗く差し込む光も少ない。

周囲を見渡しながら呟く。


「この森狼以外にも動物いるのかな?」


歩きながらほかへの警戒も怠らない。

草木をかき分け進む。すると先の方から音がした。


ガサッ


「ひっ!」


冷菓は肩を震わせナイフを構える。

だが出てきたのはただのリスっぽい生き物だった。


「なんだ、リスもどきか。」


安心すると肩の力を抜く。

すると地面に何かが落ちていることに気がつく。

それに慎重に近づき、冷菓はそれを拾い上げる。


「ん、何だこれ?布?しかも血がついてる。」


落ちていたのはなにかの布の切れ端だ。布の半分ほど血で染まっており、完全に乾いていた。


「これ誰かの服?」


拾った先を見てみると所々布の切れ端が落ちており、それと同時に血痕もあった。


「もしかしたら人がいるかもしれない!しかも怪我してるかも。」


嫌な予感がしながらも立ち上がり、冷菓は血痕がある方へ走り出した。

奥に行くたび、血痕の量が多くなる。しばらく走っていると、血痕の痕が途切れる。


「あれ?ここで途切れてる?他に血痕や布の切れ端なんてなかったし...」


冷菓が周囲を見渡すとそこには驚愕な光景が写っていた。


「なにこれ......血溜まり?!」


地面には血溜まりができており、木々には血が大量に付着している。


「何があったの....」


冷菓は手で口元を抑えてると、心臓の音が早くなる。


ドクン、ドクン、ドクン、


冷菓は再度地面を見る。するとグロテスクなものを見たせいで吐き気に襲われた。


「う、おロロロロロロ!!」


地面に吐き出してしまい、口元を手で拭う。

その瞬間一つの考えにたどり着く。


血痕、破られた布の切れ端たち、そして血溜まり。


「この布って私のパジャマ...」


周りを見てみるとあの時の景色と一致する。


「じゃあこれって........私の血......」


そう、ここは前回冷菓が狼に首をかき切られた場所だ。

冷菓は一瞬で我に返り周囲を警戒する。


「ここがあの時の場所なら、まだ周辺に狼が潜んでるかもしれない。」


冷菓はナイフを両手で構え、警戒する。

するとその時。


ガサッ


後ろの茂みから音がした。

すかさず振り向き、刃先を向ける。


そこには全身赤色に染まった狼の姿と、所々赤く染まった狼の集団が立っていた。

狼のことを見た瞬間、体が硬直する。

手が震え、足が震え、体が震える。

呼吸が荒くなり始めたところ、全身赤色狼が襲ってきた。


「グルああああ!」


冷菓はすかさず下へ避けた。


「きゃあ!!出たああ!!!!」


避ける際、冷菓はナイフを上へ掲げた。すると運よくそのナイフが全身赤色狼の体を引き裂き血が冷菓の顔に垂れる。


そして狼が地面に着地した瞬間血がブシャっと吹き出した。


「え?や、やった...」


喜ぶ間もなく残りの狼も襲ってきた。


「ひゃあ!逃げろ!!!」


冷菓は一目散に逃げた。

後ろを振り返らず逃げた。

狼はにやりと笑う。爪をむき出しにし、飛びかかってくる。

その時冷菓は体を反転させ、ナイフを前に突き出し狼めがけて突っ込む。


「.....今!!」


狼は空中で攻撃体制に入っており体制を変えられない。

突き出したナイフは狼の腹めがけめり込んでいく。


「これでどうだ!」


「ぐぎゃあ!!」


狼は口から血を吐き絶命する。


冷菓は戦闘前から考えていたのだ。追いかけてくるならそれを利用すればいい。狼の勢いを利用し、攻撃力を増加させる。


冷菓は狼の腹に刺さった、ナイフを引き抜いた。


「はあ、はあ、はあ、うまくいった!!これで2匹目!あと3匹!」


(1匹目は完全に運だったけど(笑))


この戦いに慣れたのか、覚悟が完全に決まったのか。冷菓の体はもう震えておらず、狼のことを鋭い眼光で見つめていた。


すると冷菓はカバンから瓶を取り出した。


「これでもくらえ!!!」


そして3匹全員に液体がかかるように投げつける。

そして冷菓はすかさずカバンからマッチを取り出し、液体につけた。


「これで終わり!!」


マッチが液体、油に触れた瞬間火がものすごい勢いで油の上を伝わり、狼を燃やし尽くした。


「「「ぐらああああああああ!!!!!」」」


冷菓はその場から少し距離を取りながら、炎を見つめていた。

狼たちは断末魔を上げ、燃え尽きていった。


「.........」


「や、やった?.........やった!!!倒した!倒した!」


冷菓は後ろへ倒れ、座りながらガッツポーズをする。


「私生きてる!!ちゃんと戦えた!」


自分の体を確認し五体満足なのを確認する。腕には狼の血がべったり着いており、吐き気がした。


「う、オロロロロロロロロロ!」


冷菓は再度その場に吐き出す。

すると横から嫌な音が聞こえてくる。


パチパチ


ちらりと炎の方を見ると。まだ燃え上がっていた。


「........ん?」


油の影響で周囲の木に炎が伝わり燃え広がる。


「あ、やばっ!後のこと考えてなかった!!」


とりあえず水を取り出しかけようとしたが、時すでに遅し。


「水!水!」


炎は燃え広がり取り返しのつかない事になってしまった。


「これ私じゃ無理じゃ、」


炎のことは完全に諦め、


「ん〜...ご、ごめんなさい!!!」


冷菓は炎とは反対方向へと走り逃げた。


あららら、冷菓やっちゃった。


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