第38話 キャッスルダンジョン②
ガーゴイルは全身が石でできており、羽を羽ばたいて飛んでいる。全長1mほどの大きさだ。
「さあ、皆!ガーゴイルを倒すよ!」
3人は事前に作戦を決めていた。作戦はこうだ、
・冷菓が先行し、敵のヘイトを買う。
・その隙に桜が相手に攻撃を入れる。入れたらミーナのバリアの後ろで待機。
・冷菓がガーゴイルを倒す。
・経験値が全員に分配される。
この世界では相手に1度でも攻撃しなければ経験値が分配されない。
(まあ、その場にいるだけでもらえるなら違法レベリングが流行るしね。少しは危険を犯さないと。)
「【仮想認識】発動。」
冷菓はスキルを発動する。
ガーゴイルは突っ込んでくる冷菓を返り討ちにしようと鋭い爪を立て、振りかぶる。
「ガああああ!!!」
冷菓はその攻撃に合わせ両手で剣を握り、左から右へ横向きに大きく振る。
「てりやああ!!」
剣は大きく弧を描きガーゴイルの爪を弾き飛ばした。
「ガああ?!」
(おっとっと、意外と扱いづらいな、振り回される。)
冷菓がこの長剣を使用したのは初めてである。スケルトンからドロップした剣より重量があるり、ステータスが追いついていないので軽々とは振るうことができない。
冷菓はそのままガーゴイルのヘイトを買う。
ギンッ
キンッ
カンッ
冷菓はガーゴイルの攻撃を受けつつ桜に目が行かないようにする。剣で相手の攻撃を受け続けることで、相手をノックバックさせること無く立ち回れる。
「桜ちゃん!今にゃ!ガーゴイルの背中を狙うにゃ!」
「わかった!!てやあああ!!」
桜は槍を前に突き出し突撃する。
キンッ
「硬った〜!!何こいつ?!」
桜の攻撃は当たったがダメージが入ってる気がしない。
入ってないからかガーゴイルの視線は桜に向いていない。
桜はそのまま戦線から離脱し、ミーナの後ろに隠れる。
「これでいいの?!」
「大丈夫にゃ!」
冷菓は桜が隠れたことを確認する。冷菓は固有スキル【轟雷死滅斬】を発動させる。
デュラハンはその場に立ち、魔力を溜めていたが、どうやらこのスキルはその場に留まる必要がないみたいだ。
【轟雷死滅斬】の効果
・自身の魔力の半分を剣に溜め、そのエネルギーを放つ技。
・溜めている間は相手に攻撃することができない(相手からの攻撃を受けることはできる。)
・攻撃してしまうと溜めがキャンセルされ魔力が無駄になる。
・他のスキルと重複可能。
冷菓はガーゴイルとの戦闘中、スキルを発動させておりすでに魔力はチャージ済みだ。
剣はデュラハンとは違い、金色に輝きを放つ。
「はああ!!【轟雷死滅斬】!!!!!】
剣は下から上に振られ、ガーゴイルの体を真っ二つにした。
更に攻撃の衝撃波が天井にまで及び、一部が崩れ落ちてきた。
ガーゴイルの死体は消え、その場にビー玉サイズの魔石を落とした。
「ふう、オーバーキルだったかも。」
冷菓は力を抜き一度剣を【ストック】に仕舞う。
「桜、どう?レベル上がった?」
冷菓はミーナと桜がいる場所へ歩いていく。ミーナはスキルを解除しステージや、小道具が綺麗さっぱり消えている。
「うん!」ちゃんとレベルあがったよ!ほら!」
桜は自身のステータスを見せる。
個体名:一ノ瀬桜
種族:人間
職業: 未設定
レベル:5
HP:200
MP:5
STR:12
DEF:11
VIT:15
AGI:20
INT: 105
LUK: 69
スキルポイント:40
取得スキル:
【アーツ:槍術〈1〉】
【コモンスキル:ーー】
【エクストラスキル:ーー】
【ユニークスキル:ーー】
【特殊スキル:ーー】
【固有スキル:ーー】
「意外とVITとSTRが高いね。」
冷菓がふむふむと覗き込む。
「ただ、AGIが冷菓よりかなり低いにゃよ。」
「地球でも私のほうが早かったからね。まあ、私が思ってたより経験値が少なかったなあ。このダンジョンEランクダンジョンだからか。」
「じゃあどんどん倒さなきゃね!」
「そうだね。魔物と遭遇する前に先にスキルポイントを振っといたら?」
「そうだった!」
桜は自身が獲得したポイントを振る。
STR:22
AGI:30
VIT:25
DEF:21
桜の体にエネルギーが湧いてくる。手を閉じたり開けたりしながら確認する。
「次の魔物を狩りに行こう!」
3人はそのまま突き進んでいく。
道中花瓶が置かれた台座があったり、地面に赤いカーペットが置かれてたりしていた。
「ちょっとだけなんかお姫様になったみたい!どう?私のモデルウォーク!」
「あんまお姫様らしくないにゃ。」
「うん、うん。」
ミーナと冷菓はお互いに頷く。
「ちぇ。」
桜は歩き方を戻す。するといきなり広いホールに出た。
「ここから次の階層に降りられそうにゃ」
ホールの天井にはシャンデリアが吊るされている。
地面は市松模様になっており、いかにもお城って感じだ。ホールの真ん中には何か立っている。
「皆ストップ。何かいる。」
冷菓が手を上げ、急停止させる。
「あれ、なに?何の魔物?」
「見せて見せて。」
3人は通路の角から覗く。するといきなりこっちの方に飛んできた。
「ひゃああ!!」
桜が悲鳴を上げる。飛んできた魔物の正体はミミックだった。
宝箱の形をしており、箱から黒い手足が生えている。
「げひゃひゃ(笑)」
ミミックは桜の驚いた表情を楽しんでいる。
「悪趣味な宝箱だ、ね!!!」
冷菓は剣をミミックに対し振る。剣はモロに当たり、ふっ飛ばされる。野球のホームランを彷彿とするようなきれいな1撃だった。
「やった?」
下の階層へ落ちたミミックを覗き込むと、宝箱にヒビが入ってはいるが死んでいない。
すぐさま階段まで戻ってきて冷菓達がいる所にやってくる。
「げひゃひゃ!!」
「やられても笑ってるにゃ。」
ミーナはミミックに対しドン引きする。
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