第37話 キャッスルダンジョン①
店主が桜の体のことをジロジロと見る。筋肉の付き方や骨格を確認している。
確認し終わると店の棚にある1本の武器を手に取る。
「この子に適してる武器は...これっすね。」
店主の手には槍が握られていた。桜は少し残念そうな顔をする。
「ええ〜、槍い〜!!ちょっと地味じゃない?」
「あんたの体付きだとショートソードもいいかと思ったんだが、肩や背筋に筋肉が少し偏ってたんで。」
冷菓は桜の体をみる。
(肩、背筋......あ~なるほど。)
「え!なんで!私スポーツも何もやってないよ?!」
桜は少し慌てふためく。冷菓は桜の両肩に手を置く。
「桜、あまり深く考えなくていいよ。」
冷菓は少し真剣な表情で言った。だが心の底では完全におちょくっている。
「どういうこと?!」
「それよりこの武器少し形状が変じゃない?刃が両端に付いてるし。」
「ふっふっふっ、これはただの槍じゃないっす。こいつは.....」
すると店主が言う前にミーナが口を挟む。
「これって両手短剣にもなる槍にゃ?」
「.......」
「なんで言っちゃうんすか!!あたしの自信作なのに!」
店主がミーナのことを責める。
「ご、ごめんにゃ〜」
「ま、まあ、いいっす。こいつは槍の真ん中にあるロックを解除することで短剣2本に変形するっす。」
店主が実際に実演して見せた。真ん中にあるロックを解除した瞬間、槍が均等に2つに割れ柄の部分が短くなり短剣へと変形する。
「か、かっこいい!!!なにこれ?!ロマンの塊じゃん!!きゃあー!!」
桜は分かれた2つの短剣を天井に掲げはしゃぐ。
「けどこれって高いんじゃ....」
(最悪私が貸すか。)
特殊機能が付いている武器は通常の武器よりも値が張ることが多く、ただの剣に付いているだけで値段は約2倍ほど跳ね上がるのだ。
「やばっ、私金貨5枚しか無い!」
店主がため息を付く。
「じゃあ、金貨5枚でいいっすよ。」
「「え?!」」
二人は驚きのあまり目を見開く。
「あんたたちへの投資っす。もしあんたたちが有名にでもなったら、正規の値段で買いに来てくださいっす。」
「あ、ありがとうございます!!」
桜は深々とお辞儀をする。そして桜は残りの金貨5枚を小袋から取り出し渡す。
「まいどありっす。」
「「「ありがとうございました!!!」」にゃ〜」
3人は新たな防具と武器を身に着け出ていった。
「じゃあ早速ダンジョンに行こう!!」
「おーう!」
「にゃ〜!」
8分後ー
この都市にはダンジョン区画と言われる場所があり、この都市の領主が管理している。
ダンジョン内にいる魔物を定期的に討伐しないとダンジョンから溢れてしまう。
そこで冒険者が中へ入り、魔物を倒し、素材を売却することでこの都市が成り立っている。
「ここがダンジョンか。」
(私が初めて攻略したダンジョンと似てるな。)
城ダンジョン、通称キャッスルダンジョン。
このダンジョンには中身がない騎士リビングアーマーや、石像に擬態しているガーゴイルなどがいる。
「楽しみだね〜」
「にゃ〜」
「そろそろ行くよー。」
3人は入口にいる兵士に話しかける。。
「ダンジョンに入りたいんですが。」
「冒険者証か身分証の提示をお願いします。」
3人は冒険者証を兵士に見せる。
「大丈夫です。では、安全に気をつけて言ってらっしゃいませ。」
兵士は入口から退き、横へ動く。
3人は中へと突き進んでいった。1,2分ほど歩くと目の前に巨大なキューブ型の水晶が現れる。
「どの階層へ行きますか?」
「しゃ、喋った!....」
桜は驚愕の表情を浮かべる。
(桜はダンジョン初めてか。)
「1階層でお願いします。」
「冒険者3名を1階層入口へ転移します。」
その言葉が聞こえた瞬間目の前の景色が瞬時に変わった。
目の前には城の廊下のような景色が広がっている。壁には稀に不気味な絵画が飾られている。
このダンジョンは全3階層でできている。
「ここからは気を引き締めていこう。桜はまだレベル1だから相手に1回攻撃したら下がって。」
「わ、わかった。」
桜は早速武器屋で買ったやりを取り出し構える。
(私も武器出すか。)
冷菓は【ストック】からデュラハンの剣を取り出す。
「冷菓ちゃんの武器初めて見た!」
「両手長剣だよ。さあ、行こう!」
冷菓達は歩き始める。周囲は何処からとも無く風が吹いており、不気味な感じが漂っている。
「なんかおばけ出てきそう。」
さっきまで元気だった桜が弱音を吐く。
「このダンジョンレイスって魔物が出るにゃよ。」
「やっぱり?!」
桜の足は小刻みに震えている。
「大丈夫だよ桜。なんかあったら助けるから。」
「冷菓ちゃん.....イケメン!!かっこいい!」
「はいはい。」
冷菓は適当にあしらう。すると先のほうから音がする。
「二人ともストップ。何かいる。」
3人は警戒態勢に入る。
バサバサ
羽が羽ばたく音が聞こえる。冷菓達3人は武器を正面に構える。
そして敵の姿を確認する。
「ガーゴイルだ。」
冷菓が呟くと、ミーナがバフを掛け始める。
「ライブモード起動」
ミーナの周囲にバリアが形成され始める。
そしてミーナの足元にステージが形成される。
「さあ、みんな!ガーゴイルを倒すよ!!」
冷菓が皆に活を入れる。
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