第33話 ダンジョン都市ドミヌ
冷菓達は監獄ダンジョンから脱出した後、草原にあった1本道に沿って歩いていた。周りには草しか無く心地良い風が吹いている。
しばらく歩いていると先の方に何かデカい建物のようなものが見えた。
「あれプリスムの街??にしてはデカすぎだと思うけど....」
冷菓は目を細めジーと見つめる。だがあまりにもデカく、広すぎる気がする。
「もうちょっと近づいてみようか。」
2人は何があるのか確かめるため近づくことにする。するとそこには巨大な街、いや都市があった。外壁は巨大な円を描き、中は6つの区画がピザ状に分けられている。
冷菓達はちょっとした丘の上に居たらしく、上から街の様子が見えた。
「見たこと無い街だ.....」
丘の下は緩い傾斜になっており、簡単に丘から降りられるようになっている。
「街に入ってみようか!」
「はいにゃ!」
2人は傾斜を歩き、街へ入るための列に並ぶ。
並んでいる人の人数はプリスムの街なんか比較にならず数千人もの人が並んでいる。
「こ、これは時間かかるね.....」
(アイドルのイベント会場か?!)
冷菓とミーナは列に並ぶ。
2時間後。
ついに冷菓達の番が来た。
兵士の1人が冷菓に近づいて来ている。
「冒険者ですか?身分証の提示をお願いします。」
兵士は身分証を受け取ろうと手を伸ばす。
「はい。どうぞ。後それと、この子の仮身分証を発行してくれない?」
「良いんですかにゃ?」
「うん。これがないと街の中入れないし、それにミーナは私の仲間だからね!」
「ご主人様.....」
2人の世界に入りかけたが兵士が遮る。兵士は確認した冷菓のカードを持って帰ってくる。
「こほん。仮身分証の発行のため水晶に手をかざして下さい。」
兵士は少ししゃがみ、ミーナが届く位置に運ぶ。
ミーナが手をかざす。すると水晶が白く光るが兵士の様子が少しおかしい。
「ん??あれ??おかしいなあ?」
「どうしたんですか?」
「いや、水晶に彼女の名前しか表示されないんですよ。故障かな?」
兵士は首を傾げる。
「まあ、犯罪履歴は無いようですし。大丈夫です。今発行しますね。」
「わかりました、お願いします。」
台座の穴からカードが発行された。
「こちらが仮身分証です。有効期限は1週間ですので、お早めに自身の正式身分証を作りたい場合はギルドに所属することをおすすめします。ようこそ!ダンジョン都市ドミヌへ!」
兵士がミーナにカードを渡すと街へと歓迎してくれた。
「めっちゃ賑わってる!綺麗!」
街の中に入ると正面にはメインストリートと思える太い道が先の方まで続いている。
その太い道から分岐する細かい道には屋台や住宅街へと続いている。
地面は白っぽいレンガでできているため、輝きを放っている。
「こんなに綺麗で汚れないのかな?」
「もしかすると自動洗浄機脳が備わっているのかもしれませんにゃ。」
「自動洗浄?」
「にゃ。設置型魔法陣の1種で、魔力が切れるまでその魔法陣の効果範囲内にある物の汚れを常にきれいな状態にするにゃ。」
「便利だね〜。清掃員もいらないや。」
「セイソウイン?」
「なんでも無いこっちの話。まずは冒険者ギルドへ向かうために聞き込みしなきゃなんだけど....」
冷菓はキョロキョロと周囲を見渡す。すると1の屋台が目に入る。
そこには鉄板でチャーハンらしき食べ物を作っている女店主の姿だった。
冷菓は女店主に近づき尋ねる。
「この街に米があるんですか?!」
女店主はその気迫に少し驚いた表情を浮かべる。
「え、ええ。売ってるわよ。この小道の一番先にあるでかい建物で売ってるわ。」
「本当ですか!ありがとうございます!」
(こっちに来ると米が食べられないからね。)
しばらくの間システムにより地球への期間を制限されていた冷菓。任務がクリアされた今地球へと戻れるはずだ。だがこっちの世界でも米は食べたいらしい。
「けどそうじゃなくて.....すいません!冒険者ギルドの場所って何処かわかりますか?」
冷菓は話がズレたことに気づき、本題に入る。
「冒険者ギルド....それなら後ろの道を真っすぐ行って、左に曲がれば見えるはずよ。」
「情報ありがとうございます!あと、これ2人分下さい!」
「はいよ!」
女店主は木製の皿2枚によそってくれる。
「はい。銀貨7枚ね。」
冷菓はポケットに手を入れ、こっそり中で【ストック】を発動する。そして銀貨を7枚取り出す。
「どうぞ。」
女店主はお金を受け取り、食べ物を冷菓へ渡す。
冷菓は1つをミーナへ渡し、冒険者ギルドへ向かう。
「この街の冒険者ギルドってどんなのなんだろう。街がデカい分建物もデカいのかなあ?」
「冒険者ギルドはデカい都市に本部を置くから建物も他のと比べてデカいと思うにゃ。」
そう話していると先の方にデカい建物が見えた。
看板にはプリスムの街と同様剣と盾の紋章が描かれている。
ガインが言っていたことがわかった。建物の高さは変わらないが敷地がデカい。まるで豪邸がそのままギルドになったと思うほど。
「中に入ろう!」
「にゃ〜!」
2人は扉を開け中へと入っていく。
ブックマーク、評価お願いします!




