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仮想現実~プレイヤーとして呼ばれた少女は仮初の世界で無双する。  作者: 冷崎
第一章 鮮烈な少女

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第2話 デスフォレスト

冷菓は目を覚ますと、そこは知らない森だった。

冷たい地面の上に仰向けになっている。


「...ここどこ??」


冷菓はゆっくりと上体を起こし、周囲を見渡す。


「え、夢?」


そう呟くと、頬を指でつねった。


「痛っ、」


思わず涙目になる。


「ゆ、夢じゃない?!」


冷菓は涙目になりながら、これが現実だと確認する。

周囲には、遠くが見えないほど木が生い茂り、太陽の光はほとんど地面に届いていない。

聞こえるのは風で葉がゆえる音と、何処か遠くから聞こえる鳥の声だけ。


「... 何ここ?」


冷菓が不安そうにつぶやいた、その瞬間ーー


ピコンッ!


「ひっ!」

突然何処からとも無く電子音が鳴った。

その音に冷菓は肩を跳ね上げる。


「なんの音?!何処!誰かいるの?!」


再度周囲を見渡すが何もいない。だが音だけが鳴っている。


ピコンッ!


もう一度音が鳴った。音の出どころを探す。


すると、自身の左手から鳴っていることに気がついた。

冷菓の左手には青白く、半透明、まるでガラスでできたような時計があった。


「なにこれ?私こんなのつけてないよね?」


冷菓は時計のようなものに触れる。

すると時計の上に小さな光が浮かび上がり、空中に一枚のホログラム画面を形成した。

そこから無機質な声が聞こえてきた。


「はじめまして。個体名 森冷菓。」


「うあ!喋った。。。」


「私は端末名: レアリタス・ヴィルトゥアリス。あなたは125人目のプレーヤーです。」


「は?」


「任務をクリアし、生き残ってください。あなたには残機が3つ与えられています。」


冷菓は困惑する。


「ちょ、ちょっとまって!」


冷菓は画面を覗き込む。


「は?プレイヤーってなに!任務?残機なにこれ?!てかなんで私こんなとこで寝てたの?!」


「あなたは125人目のプレーヤーです。任務をクリアし、生き残ってください。あなたには残機が3つ与えられています。」


「いやそうじゃない!」


「。。。。。」


「駄目だ、話が通じない。。。。」


冷菓は頭を抱え、ため息をつく。

すると画面に新たな文字が表示された。



「「新たな任務が発生しました。


 任務内容: デスフォレストから抜け出し、最寄りの町プリムスを目指せ。

 報酬: 銀貨100枚

 エクストラ任務: 残機を消費せず森を抜け出せ。

 報酬: 金貨1枚

 期限: 1週間


 この期間をすぎると強制的に死亡、残機が1つ減ります。ご武運を。」」


冷菓は数秒間固まる。


「は??」


「なになになになになになになになに???」


ホログラムが消える。


「デスフォレスト?死の森って意味?」


冷菓は地面に座り込む。


「てかここ日本じゃないの?!しかも死亡?!」


「やだ、やだやだやだやだやだ!!!死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない!!!」


冷菓の絶叫によって鳥のようなものが木に止まっていたのか、木を揺らし空へと飛びたった。


「ひっ!」


冷菓は体を丸め、涙目になりながら頭を抱えた。


「なんで私がこんな目に。。。」


冷菓は桜が昔言っていたことを思い出した。



「ねえねえ!!冷菓!この漫画めっちゃ面白いよ!読んでみて!」


「どうせまた恋愛ものなんじゃないの?」


「違うよ!今回は異世界ものって言って、主人公がある日突然異世界に飛ばされるけどチート能力で無双するお話だよ!」


「へ〜。チートで無双ね、面白いの?努力してない人がチートで無双って(笑)」


「それ言っちゃたらおしまいだよ!!」


「はははw」



冷菓は顔を上げた。


「そうだ!」


冷菓は立ち上がる。


「もしここが異世界なら私も何らかの能力を授かってるかも!」


深呼吸をし、手を前に突き出し、叫ぶ。


「えーと確か、、ス、ステータスオープン!」


沈黙が流れるーーー


そんな言葉に反応するわけもなく冷菓は激しく赤面し、うずくまる。


「私何やってるんだろ、、、あれはフィクションでしょうが、」


しかし、うずくまっていても何も変わらない。

恐怖で震えた両手で両頬を叩く。


「よし!悩んでても、怖がっててもしょうがない!どっちにしろこの森を出なきゃなんだから。」


冷菓は元気を取り戻し、立ち上がる。

だが問題がーー


「てかまず街ってどっちだろう?」


右にも木

左にも木

後ろにも木

前にも木


「道何処にもないじゃん。」


冷菓は空を見上げるが、木々に覆われ太陽が見えない。


「方角がわからないならまっすぐ進むか、そしたらいつかは森を抜けるでしょ。」


冷菓は単純である。

冷菓は歩き出した。周囲には様々な植物が生えていた。

見るからに毒がありそうな紫色のキノコ、白色に光る花、淡く発行する苔、そして風車の形をした花。

なるべく触らないようにした。この世界の植物がわからない以上、触らないほうがいいと思う。


その判断は正解だった。


1匹のリスっぽい生き物がキノコの上に乗った瞬間、


ブシャっ!


液体のようなものが噴出し、リスの下半身は溶け死んでしまった。

冷菓は1歩後ずさる。


「ひっ!!さわらくてよかった、、」


安堵したののも束の間、茂みから動く音がした。


ガサッ


冷菓は振り返る。


「なに、なに?」


その瞬間、茂みの中から全長約2mほどの大型狼が5匹現れた。

鋭い眼光でこちらを見つめ、灰色の毛を逆立てている。


(ど、どうしよう、逃げる?)


1歩後退する。


「いや、狼相手に無理でしょ。いやでも、、)


「グルルルルルル!!!!」


先頭にいる狼が唸るそれに続き後方にいる狼も唸り始める。


「まずい、に、逃げなきゃ!」


冷菓はさらに後ろへ後退し、振り向いて走り出す。


「うああああ!」


全力で走る。背後から追ってくる音がする。


「来るなああ!!」


だが、相手は狼。

狼から逃げ切れるわけもなく追いつかれてしまう。

さらに、1匹の狼が冷菓に飛びかかり、鋭い爪が背中をかすめ、血が吹き出す。


「痛っ!!」


だが冷菓は足を止めず逃げ続ける。


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