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仮想現実~プレイヤーとして呼ばれた少女は仮初の世界で無双する。  作者: 冷崎
第一章 鮮烈な少女

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第27話 装備更新と準備

「ここって研究所なんだよね?なら、なんか防具とか置いてないかな?」


冷菓は猫人に聞く。冷菓の今の装備は防具とも言えないものだ。身につけているものだと薄汚いローブ、地球から着てきた服とズボン、そしてスケルトンから拝借した長剣。


「防具ですかにゃ.......ならご主人様にピッタリな物があるにゃ!」


猫人は部屋の隅へと走っていった。部屋の隅にはガラクタのような物が置いてある。

猫人はガラクタの中に体を突っ込みガチャガチャと音を立てながら何かを探している。


「ありましたにゃ!!」


猫人の手には何かが握られている。


「え?これって甲冑?」


猫人が持っていたのは重量感あふれる全身甲冑だった。


「これを私が着るの?!重くて動けなくない?!」


「大丈夫にゃ!これは魔力型防具て言われるものにゃ。」


「魔力型防具?」


「魔力型防具は自身のステータスのみを強化する防具のことにゃ。」


猫人は甲冑を持ち上げながら説明を続ける。


「装備を着て、装備!って声に出だすと甲冑は消え、ステータスにだけ影響を及ぼすにゃ。」


冷菓にはいまいち理解できなかった。


「つまり?......」


「重さを気にせず、防具の効果だけ受けられるということですにゃ!」


「それってめっちゃ便利じゃん!着てみていい?」


「もちろんにゃ!」


冷菓はそう言われると鉄っぽい素材でできた甲冑を着てみる。

(これならAGIが下がる心配もない!)


「これで装備って叫べばいいの?」


「はいにゃ!」


「よし.....装備!!!」


すると着ていた甲冑が白い粒子のように変化した。


「えっ!?」


白い粒子は冷菓の身体からふわりと離れ、空中へ舞い上がっていく。そして、そのまま光の中へ溶けるように消えていった。


冷菓は自分の身体を見回す。


さっきまで全身を覆っていた重い甲冑は、跡形もなく消えている。


「本当に消えちゃった........」


「これが魔力型防具ですにゃ!」


猫人が嬉しそうに説明する。


「見た目には装備していないように見えますが、ちゃんと効果は残っていますにゃ!」


冷菓は端末から自身のステータスを確認する。すると防御力と耐久力の数値が上昇していた。



DEF:5+10+25

VIT: 29+25



「後もう一つ渡すものがあるにゃ。どうぞ!」


猫人が持ってきたのは何の変哲もない長剣だ。刀身も特別な装飾があるわけではなく、柄にも目立った特徴はない。冷菓は受け取った長剣を眺める。


「新しい武器はありがたいけど.....」


冷菓は腰に下げている長剣と見比べる。

(今持ってる剣も普通に使えるし、これって何か違うのかな?)

すると猫人が、意味深な笑みを浮かべた。


「これはただの武器じゃあないにゃ......この武器は相手の攻撃を1度だけ弾き返すにゃ!」


「え?」


冷菓の動きが止まる。


「どんな攻撃も?」


「できるにゃ!」


「徘徊してるデュラハンの攻撃も?」


「できるにゃ!」


冷菓は長剣を握り直す。

(かなり便利じゃない?)

監獄ダンジョンで何度も危険な魔物と遭遇してきた。特にあのデュラハン。あの規格外の攻撃を、もし一度だけでも防げるのなら....


「けど1つ問題があるにゃ。強い攻撃ほど弾き返す難易度が上がるにゃ......」


「それでもありがとう!」


「どういたしましてにゃ!!」


猫人は嬉しそうに尻尾を揺らした。そして冷菓は気合を入れるように拳を握る。


「よし!じゃあデュラハン討伐に向けて準備しないと!とその前にあなたって名前あるの?」


「無いにゃ!だからご主人様が付けてほしいにゃ!」


「私が決めていいの?」


「もちろんにゃ!」


猫人は元気よく頷いた。


「ご主人様が付けてくれた名前なら、私は大切にするにゃ!」


冷菓は目を閉じ考える。

(名前ねえ....猫、猫、猫、あ!地球でかわいがってた野良猫の名前にしよう!)

冷菓は目を開ける。そして、目の前の猫人に向かって笑顔を見せた。


「決めた!あなたの名前はミーナだよ!」


「ミーナ.....」


猫人は自分の名前を確かめるように、小さく呟く。そして次の瞬間。


「ミーナ!」


嬉しそうに自分の胸を指差す。


「私の名前はミーナですにゃ!」


その声は、今まで以上に明るかった。


「ご主人様が私に名前をくれたにゃ!」


「よろしくね!ミーナ!」


「お願いしますにゃ!」


冷菓とミーナは聖水のある部屋へと戻るため、通ってきた通路に戻る。


「よし!まずは自分が今からやらなきゃいけないことを決めよう。」


冷菓は指で一つずつ数え始めた。


「スキルポイントによるステータスの強化、回復用の聖水の確保、地形の把握。こんなもんかな?少なくとも、今の私じゃ正面から戦って勝てる相手じゃない」


その言葉を口にした瞬間、冷菓の脳裏にあの光景が蘇る。


「まずは自分のステータスを強化しないと。」


冷菓は溜まっているスキルポイントを振る。


個体名:森冷菓

種族:人間

職業: ヴィルトゥアリス

レベル:16

HP:800

MP:15

STR:78+10

DEF:5+10+25

VIT:29+25

AGI:87+10

INT: 110

LUK: 72


スキルポイント:0


取得スキル:

【アーツ:短剣術1、剣術2、槍術1、体術1、棒術2】

【コモンスキル:ピアース〈1〉、殺意突き〈1〉、骨砕き〈2〉】

【エクストラスキル:ーー】

【ユニークスキル:ーー】

【特殊スキル:ーー】

【固有スキル:適応〈2〉、仮想認識〈2〉、ストック〈1〉】

【称号:骨スレイヤー】



冷菓は筋力と俊敏にスキルポイントを振った。

(相手の攻撃を避けるための俊敏に、ダメージを与えるための筋力。)

これまでの戦闘で、冷菓は嫌というほど理解していた。

どれだけ強力な武器を持っていても、攻撃を当てられなければ意味がない。

そして、どれだけ攻撃力が高くても、相手の攻撃を避けられなければ戦い続けることはできない。

特にーデュラハンを相手にするなら。


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